第109話 捕虫網の秘密





今日はリク君の家にだぬちゃんとトシ君が遊びに来ていました。



二人は部屋の片隅に置いてあった,

リク君がいつも使っている捕虫網に興味を示しました。



「この捕虫網ってお店で売っているんですか?」

「売ってないよー,これはオリジナル捕虫網だから。」

「ええ,そうなんですかー。」

「うん,軽いけどしなりもあって,さらにとても丈夫なんだ。」



いつの間にか捕虫網の話題になりました。



「でも,確か,最初にジャファの連中と戦った時に使った捕虫網は折れてましたよね?」

「ああ,あのときはあんなことになるなんて

思っていなかったらこれを持っていかなかったんだ。

だから市販の捕虫網を使ったんだけどボクの技には

耐えられなかったから折れちゃったんだ。」


「そうだったんですか。」



トシ君はただおやつを食べながらうなずいていました。





「あれ以来,昆虫採集のときはこのオリジナル捕虫網を

常に持つようにしているよ。

いつ組織のメンバーと遭遇するかわからないからね。」




捕虫網はリク君が組織と戦うためには必要な武器にもなるのです。



「あそこに置いてある捕虫網は普通のなんですか?」



部屋の片隅にはもう1本,以前購入した

「軽合金四折式グラスロッド引抜式4本継50cmナイロン網付」が

置いてありました。



「そうだよ。前の捕虫網があの戦いで

折れちゃったから買いなおしたんだ。

でも結局,ほとんど使っていないけどね・・・。」


「あれも改良すればいいじゃないー!」



トシ君が気の利いたアドバイスをしました。



「いや〜,そもそもこれは改造できるタイプじゃないんだよね・・・。」

「そうなんだ・・・。」



だぬちゃんはふだんから疑問に思っていることを聞いてみました。



「この捕虫網ってどんな仕組みなんですか?」

「そういえば,細かく説明したことがなかったね。」



リク君はよくぞ聞いてくれましたと

言わんばかりに語り始めました。



「まず,右手に持つ捕虫網が天照(アマテラス)。

左手に持つ捕虫網が月読(ツクヨミ)。」




どうやら捕虫網には名前があるようです。

しかし性能は“ほぼ”同じみたいです。



「ここに小さなボタンがいくつかあるのでしょ。」



よく見ると網に近い側の部分にボタンがついていました。





ちなみにこのボタンがついている持ち手の部分は

絶縁物で保護されているようです。



「これを押すと振り出し竿のように伸びる。

最大で10m。もう一度押すと元に戻る。」


「すごいですね。見た目は細いのに・・・。」



1層ずつは非常に薄い金属ですが,

鋼並みの高度とアルミ並みのしなやかさを持つようです。



「他にも色々な機能があるんだよ。電流を流したり,

ロケットみたいに火を噴かせたり・・・。」




どうやら彼の持つ捕虫網にはまだまだ秘密があるようです。



「オイラもそれ欲しいな!」

「トシ君には使いこなせませんよ!」







第110話 暑すぎる一日





今日は日本中で猛暑日のようです。





熱中症には十分注意しなくてはいけない日でした。



「暑すぎですよ〜。でも本当は今真冬な気がしてきましたよ。」

「だぬちゃんが壊れているよ・・・。今は超暑い真夏だよ〜・・・。」



少年昆虫団のみんなはだぬちゃんの家に遊びに来ていました。



エアコンはついていますが,外が暑すぎてほとんど効果がないようです。



みんなは出してもらった冷たい

オレンジジュースをすぐに飲み干してしまいました。



「暑いね・・・。」

「この部屋,人口密度が高いんだよ!」



トシ君は自分が一番部屋の面積を

とっていることに気づいていないようです。



外の気温は38度近くあるようです。

クマゼミがけたたましく鳴いています



「これでも作りますか・・・。」



取り出したのは手回しかき氷器でした。



「よし,俺がまわしてやろう。氷を持ってこい。」

「いや,それが氷はさっきジュースに使ってないんですよ。」

「・・・。」

「氷がなけりゃかき氷はできねぇだろうが〜!!」



暑さでイツキ君の怒りはヒートアップしています。



「じゃあさ,アイスクリームでも買ってきてたべようよ。」

「いいねぇ〜!」



家主のだぬちゃん以外でじゃんけんをした結果,

リク君とトシ君で買いに行くことになりました。



「暑いよ〜。外に出たくないよ〜。」

「じゃんけんで負けちゃったんだから仕方ないよ・・・。」



近くのコンビニまで5分です。



二人が戻ってきました。



「アイスがないじゃねぇか!」





そこにはアイスが溶けてコーンだけになった物体が5つありました。



「おかしいな・・・。」

「あ〜,イライラするな〜!!」



イツキ君は暑さで頭がおかしくなりそうでした。



「こうなったら冷凍庫にある食材を片っ端から食べよう!」



リク君も何やら意味不明なことを言い始めました。



外はまさに灼熱地獄・・・。



「いやいや何言っているんですか・・・。」

「もうだめ・・・。おうちに帰る・・・。」



暑すぎるので今日は解散しました。



リク君は帰りにありったけのお金で

アイスとジュースを買って食べまくりました。



その夜・・・。



「おなか痛いよ〜・・・。痛いよ〜・・・。」



暑さに注意して正しい生活を送れるようにしましょう。









第111話 ゲーマーな人たち





これはトシ君が少年昆虫団に加わり,

夏休みに入った直後のお話です。



リク君は昆虫採集が好きですが,

だぬちゃんとトシ君はどちらかというとゲーム好きでした。



「トシ君ってかなりゲーマーですよね?」



リクくんとだぬちゃんはトシ君の家に遊びにきていました。



最新のゲーム機器やソフトが置いてあります。



「いやいや,オイラはそんなにゲームばかりやらねぇよ!」

「またそんな虚言を吐く・・・。どうみたって

ゲームをやりこんでいる部屋じゃないですか!」




トシ君は自分がゲームばかりやっていることを認めたくないようです。



リク君はゲームソフトを見ながらうなずいていました。



「・・・。」

「じゃあ週にどれくらいやっているんですか?」

「夏休み前は学校が終わったら寝るまでくらいだよ。

今はもう少し長くやっているかな。」




どうやら彼はかなりのゲーマーのようです。

そしてその自覚がないようです。



「ところで今,ハマっているゲームってありますか?」



トシ君はソフトをしまってある引き出しを探し始めました。



「これかな?」



取り出したのは格闘ゲームのようです。

タイトルはストリート・チルドレン・ファイト(略してストチイ)でした。



「このゲーム会社のソフトはシリーズで

持っているんだけど,これが一番おもしろいかな。」




“ストチイ”を作っている会社は“ギャプコン”という大手のゲーム会社でした。



「へぇ〜。こんなのが好きなんですね。

だぬはやっぱり“レジェンドオブ中世”シリーズが好きですよ。

このゲームは発売と同じ日に攻略本も発売されるのがいいんですよね〜。」




だぬちゃんが好きだという,このシリーズは好きな人は

ハマるけどつまらない人にはとことん酷評されるゲームのようです。



「もうすぐこのシリーズの新作が出るんですよね〜。」



だぬちゃんはゲーム雑誌などを読みながら

このシリーズの発売日を楽しみに待っているようです。



「その会社ってRPGばかり作っているよね?」

「そんなことないですよ。確かに“アイボ・H”は

“ライジング・オブ・サン”などの超名作RPGなども生み出していますけど,

他にもシュミレーションゲームとかも出していますよ。」




“アイボ・H株式会社”とは主にRPGを制作している超一流のゲーム会社です。



また,“ライジング・オブ・サン”というゲームは

だぬちゃんの中では忘れられない有名なRPGのようです。



キャッチフレーズは“勇者はいない!みんな勇者!勇者!勇者!”





「いや〜,でも“レジェンドオブ中世”シリーズはクソゲーだよ〜。」

「だよな〜。今回はもうやらないかな〜。

ゲーム雑誌の情報も読んでないや。」




お互い好きなゲームが違うようです。



「いつき君は,アイボ・H のゲームでは

“ヨゾミヤ”とかいうシミュレーションRPGが好きみたいだよ。」


「ああ,あれは重厚なストーリとそれぞれのキャラクターが

葛藤しながら成長していく展開がたまらなくいいんですよ〜。」


「そうかな〜。ただの面倒くさくて,

くどいゲームにしか思えないんだけど・・・。」




意外にリク君もゲームのことに詳しいようです。



しかしこの三人が同時にしゃべりだすと,会話がかみ合いません・・・。

とにかくこの三人がゲーム好きだということは確かでした。



ゲームもほどほどにして元気に遊ぶことも大切ですね。








第112話 真夏のサンタクロース





これは子供たちの間でまことしやかにささやかれているお話



児童「ねぇねぇ,こんな話聞いたことある?」



児童2「何々・・・?」



児童「ある,暑い夏の夜にね,一人の子供が暗い夜道を歩いていたんだって。

すると突然後ろから声をかけられたからその子供は振り向いたの。」





児童2「ごくり・・・。」



児童「するとそこには・・・。」



児童2「ごくり・・・。」



児童「サンタクロースの格好をした人が立っていて・・・。」



児童2「・・・。」



児童「その子供を大きな袋に詰めてどこかへ行っちゃった・・・。」



児童2「ひぃぃ・・・。」



児童「まだ,続きがあって・・・。しばらくしてその子のお家に

プレゼントが届いたんだって。その中身は・・・。」



児童2「ぎゃぁぁ・・・。怖いよ〜。もうやめて〜。」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「真夏のサンタクロース怖すぎだよ!」



少年昆虫団は昆虫採集に向けて町のはずれを歩いていました。

時間はすでに夜の10時を過ぎています。



トシ君はどこから聞いたのか,そんな噂にビビっているようでした。



「情けない!そんな非現実的なものいませんよ!」



「そうよ,サンタクロースってとても夢のあるお話なんだよ!

世界中の子供たちにプレゼントを配ってくれる存在なんだから。

まだ先だけど,早くクリスマス来ないかな〜。」




まさらちゃんはサンタクロースを信じているのでしょうか。



「でもなんでそんな噂がはやっているんだろうな。」

「なんか,実際にうちの学校の子が見たことあるらしいよ〜。」

「やっぱり,やべぇよ!」



リク君とイツキ君も“真夏のサンタクロース”に少し興味があるのでしょうか。



すると,一番後ろを歩いていたトシ君の肩を誰かが触りました。



「ぎゃやぁぁぁぁ。」



振り返るとそこには・・・。



「なっ。なんだ・・・。こいつは!」



サンタクロースの格好をした人物が立っていました。



「リク君,やっつけて!」



???「ちょっ,ちょっと待ってよ・・・!」



それはどこかで聞いたことのある声でした。



「伊藤店長?」



店長「そうだよ〜。」



なんとサンタクロースの格好をした人物は

カブクワショップ“キング”の伊藤店長でした。



「そんな格好してなにやってんだ・・・。」



店長は事情を説明しました。



「店のPRイベントの一環〜!?」



店長「そうだよ,夏にサンタクロースがいたっていいだろう。

この格好でキングの看板を持って歩けば良い

PRになるかなぁと思って,先日から始めたんだよ。」



「それ・・・まりんさんや灰庭さんに相談せずに始めたでしょ・・・。

絶対やめた方がいいよ。ただの変態にしか見えないよ・・・。」




店長「なにぃ!?」



「常識じゃないですか・・・。

サンタクロースはクリスマスに

やってくるから意味があるんですよ。」


「噂の原因はこの人だったか・・・。」



少年昆虫団にお説教をされ,

この日を境に“キング”のサンタはいなくなりましたとさ。



しかし,本物の“真夏のサンタクロース”は本当にどこかにいるのかもしれません・・・。