第153話 ゼッタイゼツメイトシG ワクのわくわく冒険記



被災3日目 7:00





二人は近くの公園で夜を明かしました。

持っていたコメもなくなってしまいました。



二人は疲れ切ってしまい,シートをひいて横に

なっていました。すると何やら音がします。



上空を見上げるとヘリコプターが飛んでいました。

ようやく救助部隊がこの地域までやってきたのです。



「ヘリだ!後を追いかけよう!」

「わかったよ!」



二人は荷物を持ってヘリを追いかけました。

かなり低い高さで飛んでいたのでどこかに着地をするようです。



町の中を走っていると,たくさんの人間が

倒れていました。そのほとんどがすでに亡くなっていました。



「かわいそうに・・・。」



トシ君は自分の手で救えなかったことが悔しいようです。



すると,わき道から20人ほどのグループが現れました。



「あ,人だよ!もうすぐ避難所なんじゃないかな!?」



しかし,その連中は様子が変でした。まるで生気がありません。

どうやらこの3日間,ほぼ飲まず食わずだったのでしょう。



「ああ・・・ああああ・・・ああ。」



「飯を・・・くれえええええ・・・。」



二人に群がってきました。



「こいつら,やばいぞ!」





どうやら正気の沙汰ではないようです。



「これは集団パニックだ!極限の状況で

頭がおかしくなってしまったんだ。」






ワク君はつかまれた手を振り払い,輪の中から

逃げ出しました。トシ君もなんとか逃げることができました。



「こいつらは,何をしでかすかわからない。それこそ

食料のために人だって殺すかもしれない。本当ならここで

ボコボコにやっつけておくのがいいんだが,その時間もない。」




ワク君は上空を見上げて,ヘリの位置を確認しました。



「トシ,行くぞ!時間がない!」

「でも,この人たちがかわいそうじゃない・・・?」



トシ君は誰に対してもやさしく,そして救おうとしました。



「なら,そいつらに殺されちまえ!それでも救いたいならな!」

「いや,それはちょっと・・・。」



トシ君は躊躇しました。その集団は再び襲ってきました。



ワク君はトシ君の手を引っ張り,その場から逃げ出しました。



「自己犠牲の無い,救いはただの偽善だ。

『人の為に善いこと』で偽善だよ。

お前のやることは全て偽善で終わる。」




ワク君はとにかく偽善行為が大嫌いだったのです。



二人はやっとのことでヘリに追いつきました。

そこは山のふもとの中学校でした。

グラウンドに着陸したヘリを見て二人は安どのため息をつきました。



「これでやっと帰れるな・・・。」

「もう疲れたよ・・・。」



二人はクタクタでしたが,最後の力を

振り絞り,救助隊の元へ向かいました。



実際に東海・南海・東南海地震が同時に起きた場合―



死者数:最大32万人

経済的被害:約220兆円

建物全壊件数:約55万棟



このように前代未聞の被害が出ると想定される



しかし,一人一人が防災意識を持ち,

適切な行動をとるだけで,被害を減らすことは可能と言われている



いつか必ず来る大地震に備えることが大切だ―



ゼッタイゼツメイトシ 完 ワクのワクワク冒険記 



ワクのワクワク冒険記 新シリーズは今冬公開予定!








第154話 おなじみヴィート対決!前編

大牧山のふもとで何やら10人ほどの少年が対峙しています。

少年昆虫団とスナぴょん団です。



スナ「今日は再び,ヴィート対決だ!いいな!」



スナ君が少年昆虫団に向かって大声で叫びます。



「あ〜,はいはい・・・。」



リク君はいつも通り,やる気がなさそうです。



対決は3対3で対戦はクジ引きの結果,このように決まりました。



だぬ VS タコ



まさら VS ジャイ



イツキ VS スナ



1回戦が始まりました。



だぬちゃんとタコ君が距離を取ってお互い睨み合っています。



「イツキ君も,トシ君も新ヴィートを

見せていました。今回はだぬも新ヴィートを見せますよ。」




どうやらだぬちゃんは"誇り低き虚栄心"

以外のヴィートを習得したようです。



「先手必勝!」



だぬちゃんは飛び上がり,タコ君に向かって行きました。



どうやらタコ君はすでにヴィートを発動しているようです。



「行きますよ!覚悟してください!」



―永遠の虚構(ゼロファイター)―





だぬちゃんの背後から巨大な戦闘機が現れ,

タコ君に向けて無数の機銃を発射します。



ダダダダダダ・・・・・



大きく旋回後,さらに銃弾を浴びせます。



「どうですか!この威力!」



だぬちゃんの"永遠の虚構"は系統"心"で"攻め"のヴィートのようです。



タコ「ニヤリ。」

タコ君は不気味に笑いました。



―蛸壺(オクトガード)―





「ばっばかな!?」



どうやらだぬちゃんの攻撃は全て

ガードされてしまったようです。



タコ「これで終わり。」



―巨鯨喰(マッコウグイ)―





巨大なクジラがだぬちゃんに襲い掛かります。



"守り"のヴィートがまだ使えないだぬちゃんは

押しつぶされてしまいました。



「あ〜,負けちゃった・・・。」



勝者 タコ



スナ「よしよし,よくやった!その調子だ!」



スナ君はご機嫌です。



2回戦



まさらVSじゃい



「わたしも新ヴィート見せちゃおうっと!」



どうやらみんな成長しているようです。








第155話 おなじみヴィート対決!後編



2回戦のヴィート対決は,

はまさらちゃんVSジャイです。



「行くよ〜!」



まさらちゃんは慈愛の戦乙女(ハートオブヴァルキリー)

を繰り出しました。昆虫の力を借りて相手を怯ませる特殊タイプのヴィートです。



ジャイ「ぐっぐ・・・。」



ジャイちゃんは少し怯みました。



「続いて行くよ〜!」



まさらちゃんはノリノリに攻撃を繰り出します。



―神々の黄昏(ラグナロク)―





空から八百万(やおよろず)の神が舞い降り,

黄昏(たそがれ)を放つという,むちゃくちゃなヴィートです。





しかし,ジャイちゃんは

“ウドの大木(キュリス・マストゥリー)”でこれを防ぎます。



そして虎の子のヴィートを発動します。



ジャイ「ジャジャジャジャジャイ!」



―進撃の巨神兵(ナウシカジャイ)―



大気圏に到達する大きさになり,まさらちゃんを踏み潰します。



「きゃぁぁぁぁ・・・。」





勝負ありました。



勝者 ジャイ



「二人とも負けちゃったぞ。俺の出番無くない?

まぁ,それはそれでいいけど。」




「ジョババババ・・・。」



二人ともすでにどうでもよさそうです。

リク君に至っては隅っこの茂みでおしっこをしています。



スナ「仕方ない。勝負はもうついているが,イツキ氏と俺の勝負をしてやろう。」



スナ君はイツキ君を挑発します。



「仕方ねぇな。その安い挑発に乗ってやるよ。」



3回戦 



イツキVSスナ



イツキ君が先手を取りました。





―南極人間(ニンゲン)―



このヴィートは南極に住む幻の怪物(ニンゲン)を呼び出し,

相手を怯ませることができるようです。



「イツキ君,いつの間に3つ目のヴィートまで

使いこなせるようになったんですか。」




すでにイツキ君はヴィートを完璧に使いこなしているようです。



スナ「甘いな・・・!これが俺のヴィートだ!」



―幸福の土曜日(ハッピーサタデー)―



よくわからないヴィートですが,

本人が幸せな気持ちになり,

そのにやけた顔で相手を怯ませるようです。



同じ特殊タイプ同士のヴィート対決は引き分けでした。



スナ「やるな・・・。ならこいつはどうかな?」





―砂嵐(サンドストーム)―



猛烈な砂嵐がイツキ君に襲いかかります。



イツキ君はこれを“氷結人間(アイスマン)”で防ぎます。



どうやら二人の戦いは中々つかず引き分けに終わりそうです。



スナ「やるな,イツキ氏。」



「ふん・・・。」



両者譲らず,戦いはスナぴょん団の2勝1分けに終わりました。



スナ「これなら,楽しめそうだな。」



スナ君はニヤリと笑いました。



「ん?なんのこと?」



サラ「いずれ,わかりますよ。また,我々とヴィート対決を

する日が必ず来ます。もっと大きな舞台でね・・・。」



スナぴょん団は何か言いたそうにしながらその場から去っていきました。



「なんなのかな?あいつら・・。

ってかオイラ今回出番なし!?」


「よし,昆虫採集を再開しよう〜!」



今日も大牧山で昆虫採集をするのでした。








第156話 灰庭さんの意外な事実



今日はカブクワキングでバイトをしている,

灰庭(はいば)さんを連れて一宮にある二宮神社に来ていました。



入口の鳥居から一番奥の採集スポットへ向かうようです。

全員がライトを手にし,リク君とイツキ君が先頭を進んでいます。



そして歩きながらたわいもない会話を楽しんでいました。



「ここは当たり外れが大きいけど,いるときは結構採れるんだよ。」



灰庭「へぇ,そうなんだ。楽しみだね。」



灰庭さんは笑顔でまさらちゃんに話しかけます。



「最近,よくついてくるけど,仕事はいいのかよ。」



後ろを振り向いて灰庭さんに声をかけます。



灰庭「大丈夫だよ。もう今日のバイトは終わったし。」



「そういえば灰庭さんって

普段は何をしているんですか?大学生ですか?」




と,だぬちゃんが質問をしました。



灰庭「う〜ん,大学には行っているけど,

学生というよりは教授のお手伝いが仕事みたいなものかな。」



「それって准教授ってこと?」



みんなは歩きながらさらに質問を加えます。



灰庭「まだ,准教授ですらないよ。」



灰庭さんは頭をかきながら苦笑いをしていました。



「じゃあ,灰庭さんって結構年上?」



灰庭「今年で30になるかな。」





みんなは一斉に驚きました。



「えええ,全然見えない!」



灰庭「まぁ,よく言われるよ。童顔だって。」



彼の照れ笑いをしている姿がとても幼く見えました。



「ってことは,キングの店長より年上ってことかー。」



それはみんなにとってかなり意外な事実だったようです。



「じゃあ,普段は大学で研究の仕事を

手伝いながら,空いた日にキングでバイトしてるってことか。」




灰庭「まぁ,そんな感じだね。」



そんな話をしているうちに採集ポイントまで到着しました。



「よし,では各自,しっかりと樹液ポイントを観察するように!」



リク君がとたんに張り切りだしました。

一方,だぬちゃんは灰庭さんと話を続けていました。



「どこの大学で仕事をしているんですか?」



灰庭「中野木大学だよ。地区で一番大きい大学なんだ。知っているかな?」



灰庭さんはだぬちゃんと樹液ポイントを確認しながら答えました。



「あれ?確かレオンさんが通っている大学も中野木大学だったような・・・。」

「そうなの?初耳〜。」



リク君は以前そう聞いたことを思い出しました。

他のメンバーが知らない間に聞いていたようです。



灰庭「レオンさん・・・?ひょっとしてこの前,

"キング"に来ていたカメレオンみたいな人かな?」





灰庭さんは作業を止めてリク君に話しかけました。



「うん,そうだよ。今日も誘ったんだけど,

用事があるみたいで来なかったんだ。」




灰庭「へぇ〜,そうなんだ。」



トシ君は二人がそのような会話をしている最中に

どこかへ行ってしまいました。おそらくおしっこでしょう。



「大学が同じならお互い,顔見知りだったりする?」



リク君が無邪気に聞きます。



灰庭「この前会ったのが初めてだよ。僕は中野木大学の本部棟で

情報工学の研究をしているけど,彼は昆虫学の院生なんだよね。

会う機会もなかったんじゃないかな。」



「そっか〜。」



リク君はそれ以上何かを聞くことをせず,

ペンライトでカブクワを探し始めました。





今日は灰庭さんの意外な年齢が聞けてびっくりな1日でした。



ちなみにカブクワは大物は採れず,ハズレな採集日だったようです。