第253話 全類最強の男

少年昆虫団のリク君は二本の捕虫網,

天照と月読をかまえ,目の前の敵と対峙していました。



「まさか,あんたが闇組織JFのボス,御前だったとはな・・・。」



御前「いかにも,吾輩が御前である。」



その姿は皆が一度は見た姿でした。



「信じられん・・・。」



イツキ君も驚愕しています。



御前の正体とは・・・後松君だったのです。





後松「無理もない。脅かせて

しまって申し訳ないと思っている。」



ここは,闇組織JFが所有するビルの最上階。

そこに御前である後松君と少年昆虫団が対峙していたのです。



「まさか,本当に後松君がラスボスだったなんて・・・。」

「おまえを倒して日本を守る!」



リク君は後松君にとびかかりました。



しかし,後松君はひらりとかわし,

リク君の背後に立ちました。



後松「遅い。まだ,トンボのほうが早く飛べるぞ?

昔,よくトンボの翅をちぎって遊んだものだ。」



余裕の後松君。さすが,組織のボス御前です。

リク君の攻撃はほぼ通じませんでした。



「はぁはぁ・・・。馬鹿な・・・。こんなことって・・・。」

「リク君,こうなったら奥義を使って!!」



まさらちゃんが叫びました。



「よし,大地一刀流奥義・・・。」



―愛・地球博(ラヴ・アンド・ピース)―



後松「効かないねぇ・・・,そんな技・・・。」



後松君は片手一本でリク君の奥義を跳ね返しました。

その勢いでリク君は地面にたたきつけられます。



「ぐはっ・・・。」



後松「冥途の土産だ・・・。吾輩の自慢話をしてやろう。」



後松君は自分語りを始めました。



「え??ここで???」



後松「吾輩は生き物が大好きでな。

金魚やフナを飼育ケースで飼っていたんだが,

世話をするのが面倒でな。ほっておいたら,

死んでしまい,悪臭が立ち込めるようになった。

あれは臭かった・・・。」



御前は何やら自分の飼育話をしているようです。



「むちゃくちゃだな・・・。」



後松「さらに,セミやバッタを捕まえては,

足をちぎったり,カマキリに食わせたりした。

ああ,楽しい日々だったなー。」



何やら遠い目で懐かしんでいます。



後松「さて,話は終わりだ。全類最強の力で

全てを終わらせてやろう!」



「本当にむちゃくちゃだ・・・。」



後松「アルシ〜ンドヘ〜ッド!!!」



猛烈な光とともにリク君たちは

消滅してしまいました・・・。



彼らの昆虫物語は始まったばかり!

作者の次回作にご期待ください!



リクの少年昆虫記 〜完〜



場面はいつもの四町公園の遊具でした。



「どうですか。だぬが考えた後松君が

実は御前だっていうストーリー。面白いですよね!?」


「・・・。」



どうやらだぬちゃんが作った

漫画の原稿を読んでいたみたいです。



「これを週刊少年ヘンプにもっていけば

デビューできるんじゃないかって思うんですよ。」


「まぁ,そう思うならもっていけばいいんじゃない・・・?」



だぬちゃんはこの後,少年ヘンプに持ち込んだようですが,

面白さ絶対主義のヘンプではデビューできませんでした。



本物の後松君はまだ病院で入院し,

生死をさまよっているようです。



いずれ退院するのでしょうか。








第254話 テニヌの玉子様!?



少年昆虫団のリク君とイツキ君とだぬちゃんの3人は

テニスの小学生無料体験コースに参加していました。



「だぬが来るとは意外だったな。」

「こう見えてテニヌの玉子様を

見て鍛えてますからね。だぬのアームを見たら驚きますよ。」




どうやら漫画で得た知識で自分の腕が

相当うまいといいたいようです。



3人がテニスコートでストレッチを

しながら待っているとコーチがやってきました。



???「おはようございますー!!」



そのコーチはとても大きな声で挨拶をしてきました。

みんなはその声に少し戸惑いを感じながらも挨拶をしました。



竹岡「よろしい。俺の名前は竹岡重三!

元グットテニスプレイヤーだ!」





「なんか,暑苦しい人だな・・・。」



竹岡「では,さっそく練習に入ろう!

まずは見本を見せるからよく見ておくように!」





竹岡コーチはサービスラインに立ち,

ボールを真上に投げました。



その高さ約30m!



「おいおい,高く上げすぎだろ・・・!?」



竹岡コーチは屈伸し,前進をバネの

ように反発させ,ジャンプしました。



そして,回転がほとんどかからず,

速いスピードを出せるフラットサーブを放ちました。



ギュウウウン!!!



その球はもの凄い速度で手前のコートに入りました。



ボッコ〜ン!!



その衝撃はすさまじく,3人は

たっているのがやっとでした。



「うおおおおお。これはテニヌの

玉子様の高速サーブを超えてる!?」




あまりの威力にテニスコートの一部が

めり込むように破壊されました。



竹岡「さぁ,次は君たちがやってみるんだ!」



「できるかっ!!」



おもわずイツキ君が突っ込みを入れました。



「今日一日しか無料体験はないんだから,

試合形式で教えてください。」




リク君が頭を下げました。



竹岡「そうか,それもそうだな。じゃあ,特別に君たちは3人で

コートに入りたまえ。俺はこちら側にたつ。1対3で教えてあげよう。」



そう言って,場所を移動しました。



竹岡「じゃあ,こちらのサーブからいくよ!」



−ウォータードバドバフォール−



「何っ!?」

「あれは,確か,最速時速212kmの

超高速ーブですよ!?滝に飲まれたような打球が特徴です!」




そのサーブをリク君は冷静に見ています。



「無我無我無我の境地!」



リク君の体からオーラが発せられました。



「あれは,過去に対戦したことのある,

相手の技を繰り出すことができるように

なる技ですよ!リク君って使えたんですね!!」


「でも,リクって過去にテニスやったことあるのかよ???」



イツキ君がまたしても突っ込みました。



「あ,ないや・・・。」



コーチのサーブが決まってしまいました。



今度は,リク君のサーブです。



「よし,これならどうだ!」



−侍4ドライブ−



「あれは,超回転をかけたボールをネットの

ワイヤーで真っ二つにする技ですよ!?

本当にボールを分裂させちゃってルール上いいんですかね!?

これを返したことのある○村さんってすごすぎじゃないですか!?」




竹岡「なかなか,やるな!なら今度はこちらの番だ!」



−百練誰得の極み−



竹岡「さらに奥の扉を開いちゃったよ−!

爆発的なオーラを左腕に集中させたので

君の打球を半沢以上の倍返しで返球させちゃうよ−!」



「なら,こちらはリクファントム!」



なんと相手の打球をすべてアウトに

してしまうというインチキ技が出ました!



結局,お互い譲らず時間が過ぎていき,

体験コースの時間が終わってしまいました。



竹岡「今日は楽しかった!君たち,なかなか,

筋があるぞ!ぜひ,これからもコートに通うんだ!」



「・・・。」

「いや・・・。もういい・・・。」



こうして3人はこのテニスクラブから去って行きました。








第255話 マーボー登場!



少年昆虫団は中野木商店街を歩いていました。

まさらちゃんのお買い物のお付き合いのようです。



すると,見覚えのある顔の少年がいました。

その少年の横には40近くのおじさんが一緒でした。





少年の名前はパクト。



以前,リク君たちがいじめっ子から救ってあげた少年でした。



「あ,パクト君じゃないですか。

こんなところでどうしたんですか?」




パクト「ん,ああ〜。今日はマーボー

おじさんと買い物に来ているんだよー。」



少し甲高い声が特徴のパクト君がそう言いました。



マーボー「パクトのお友達かい?」



マーボー氏はのんびりとした口調で言いました。





<マーボーおじさん>

パクト「うん,まぁ,そうだよ。」



「元気そうだな。」



今度はイツキ君が声をかけました。



「ところで,その人は?お父さん??」



パクト「いや,この人は僕の叔父さんだよ。

マーボーおじさんって呼んでいるんだ。」



みんなは彼に視線を向けました。



「ほー,何の仕事をしているの?」



マーボー「ん,ああ〜,無職だよ。」



一同はシーンとなりました。



「自営業・・・なんですか・・・?」



マーボー「まぁ,自宅警備員だね。あとは

深夜アニメの録画ボタンを押す仕事。」



さらに静まり返ります・・・。



「いやいや,そんなの予約すればいいでしょ!」



だぬちゃんがつっこみました。



パクト「しょうがないんだよ。

おじさんはもうずっとニートだからね。」



マーボー氏はぼりぼりと頭をかいていました。



「社会の闇だな・・・。どうしてニートなんだ?

仕事をする気にはならないのか?」




マーボー「そうだねー…。求人雑誌はたまに読むんだけど,

条件が合わなくてねー・・・。もっと高い給料で有休も

たくさんあって勤務時間も短くて,楽な仕事がいいんだけどねー・・・。」



彼はそう言って,大きなあくびをしています。



「そんな仕事ってあるのかなー・・・。」

「あったとしても,彼がその仕事に就けることはない・・・。」



リク君がボソッとつぶやきました。



マーボー「小牧とかで求人募集もあるんだけど,ちょっと遠いしね。」



「いやいや,全然遠くないでしょ!?」



マーボーはだんだんと答えるのが面倒くさく

なってきたようで少し不機嫌になっていました。



「そっそういえば,この前のドラマ銀八先生で働かない父親に

銀八先生が『大人ならしっかり働けー!』って説教するシーンがあったよ!」




マーボー「ああ,そう。でもそれ別に僕が

直接言われたわけじゃないしー・・・。」



まさらちゃんの言葉はマーボー氏の

心には全く響きませんでした。



「だめだ,だめすぎる・・・。」

「でも,今はよいとしても両親が死んだらどうやって生きていくんだ!?

ニートの末路なんてだいたいろくなもんじゃないはずだぞ・・・。」




イツキ君も彼を立ち直らせようとアドバイスをしました。



パクト「う〜ん・・・。」



パクト君はどうしたらいいかわからないようでした。



「はっきり,言いますと,マーボーさんは

何か社会の役に立っているんですか!?」




マーボー「ああ,ちゃんとこうやって

家族のお買い物の荷物持ちをしているよ。」



あっけらかんとそう答えました。



「いやいや,それはただのお使いでしょ!?

小学生でもできるじゃないですか!?」




だぬちゃんのつっこみが激しさを増してきました。



「ただ,起きて飯食ってゲームやって,

テレビ見て寝るだけ。まさにう〇こ製造機だな・・・。」




パクト「ん,ああ!?それはちょっといいすぎね!?」



パクト君は叔父さんを馬鹿にされて怒っています。



「いや〜,だぬだったら,家族にこんな人がいたら,ぼこぼこですよ!?」



マーボー「そういわれてもねぇ・・・。人は人,ウチはウチ。」



目はとにかく無気力で生気が感じられませんでした。



「あのさ,さっきもイツキ君が言っていたけど,

親が死んだらどうするつもりなの??」




マーボー「ん,ああ,それは大丈夫だよ。

この前,おばあちゃんが亡くなってそれなりの

遺産が父親に入ったから。

親父が死んだらその遺産を受け取って,

あとは僕が死ぬまで悠々自適に生きるよー。」



みんなはもはや何も言えませんでした。



「はぁ,フザケんなよ!?!?いいなぁ!?」



だぬちゃんが語尾を下げる感じにそう呟いて皆はその場を去りましたとさ。



ニートは社会的問題として国民で議論すべき案件です。

場合によっては自立支援が必要でしょう。



マーボー氏が生きる希望を失わないことを願っています。








第256話 帰ってきたバスケットマントシ



これはバスケットマントシの壮絶なる試合の記録です。



トシは夏休みの出校日の日にクラスの

チームメイトとバスケットの試合を行っていました。



試合は相手チームが50点を入れてリードしていました。



一方,こちら側はまだ0点です。



試合はすでに残り数分となっています。



トシは相手のはじいたボールが自分の体にあたってしまい,

そのボールを追いかけますが,コート外に出てしまいました。



「はぁはぁ・・・。もうだめか・・・。」



すると高東監督がボールを持って近づいてきました。



高東「ほっほっほっ。諦めちゃいかん。諦めたらそこで試合終了だよ。」



「高東先生・・・。」



なぜかトシの瞳には涙があふれていました。

トシはこの試合のための練習を思い出していました。



体育館には高東監督とトシの二人だけ。



高東「誰も君がシュートを入れると思っていない。

そこに君にパスが行く。相手はどうせ入らないと思ってマークしない。

そこで君がシュートを入れる。相手はびっくりする。」



「ゴクリ・・・。」



トシ君は真剣なまなざしで話を聞いていました。



高東「どうだい。ワクワクしてこないかね?」



「それで,オイラは何をやればいい?」



トシ君はおだてられるのが得意でした。



高東「シュート200万本です。」



「200万で足りるのか?あ,いや,

200万っておおすぎじゃね??」




そして,トシは練習をやりきったかどうかは不明です。



話は試合に戻ります。



そして,この試合,最高のパスが

前回に続きトシ君にわたりました。



相手はトシはシュートが入らないと思い,

誰もマークしてきませんでした。



「左手は添えるだけ・・・。」



トシのシュートは・・・決まり・・・ませんでした・・・。



「あれぇ???なんでだ???」



トシは高東監督のもとへ行きました。



「おい,話が違うじゃないか!?」



高東「君はもうこの試合に勝ったと思って油断していませんでしたか?」



高東監督はトシの慢心な気持ちを見抜いていました。



「むぅ・・・。」



高東「この試合に勝とうと思ったら断固たる決意が必要なんだ。」





試合はまだ終わっていません。



「断固たる決意・・・。あ,いや,別に勝ったと

思っていないよ。0対50で負けてんだよ!?」




そして試合はそのまま終了し相手チームの勝ちとなりました。

試合後,高東監督は生徒会広報委員記者からの質問に答えました。



高東「敗因はこの私。トシをチームの穴と決めつけていた。

結果は違った。穴どころか,トシは底なし沼だった。

彼を試合に出すべきではなかった。全ては私の責任だ。」



高頭監督は責任を取りこの夏辞任して幕を閉じました。



〜おまけ〜

「あれ?イカレキャラ企画って先週で終わったんじゃなかったでしたっけ?」

「いやいや,誰がイカレキャラなんだよ!」

「お前だよ・・・。」