第261話 まさらちゃんのイケメンショッピング2



まさらちゃんは小学校の時の先輩である間宮と

いう少年に誘われカフェに来ていました。



間宮少年と先ほどまで一緒だった少年はいつの間にか

姿を消していたので二人きりになっていました。



間宮「いや〜,まさに運命の再開だよね。

実は俺もまさらちゃんにずっと会いたいと思っていたんだよ。」



「え,え,本当ですか。それって嬉しすぎます!」



まさらちゃんは頬を赤らめ,とろけるような

瞳で彼のことを見つめていました。



間宮「そうだ,この後,俺の自転車の後ろに乗ってちょっと遠いところに行かない?

いい景色が見られる所があるんだ。ぜひ君に見てもらいたい。」



「わぁ,すごく楽しみ!行きます!」



自転車の二人乗りは法令違反ですが,今のまさらちゃんの

頭の中にはそんなことどうでもよい感じでした。



二人はカフェを出ると,自転車に乗り,商店街を後にしました。



直後に,リク君とイツキ君が先ほどまで

まさらちゃんたちがいたカフェの前までやってきました。



「まさらちゃんが行きそうなところといえば,カフェ。

もし誰かとカフェに行っているなら,あとは商店街で

探していないカフェはここだけだが・・・。」




イツキ君が中に入って店員さんに聞き込みに行っています。



「だめだ,確かに来ていたみたいだが,すでに店を出たそうだ。」



イツキ君は戻ってきて,そう報告しました。



「う〜ん,またすれ違いか・・・。」



そのころ,まさらちゃんは間宮少年の運転する自転車の

後ろに乗り,地区のはずれにあるマンションにやってきました。



「こんなところに見せたい景色があるんですか?」



間宮「ここの最上階からみる景色が最高なんだ。辺りを一望できるよ。」



間宮少年は自転車をマンションの駐輪場に止めました。



「素敵,早くみてみたいです〜!」



すでにまさらちゃんはきれいな景色をイケメンの間宮少年と

一緒に眺める姿を想像して胸がいっぱいでした。



すると,間宮少年の持っていた携帯電話に着信が入りました。



間宮「先にエレベーターの前でまっていて。」



まさらちゃんがマンションのエレベーターの前で

待っていると,彼が電話を終えて戻ってきました。



間宮「さぁ,一緒に行こうか。」



間宮少年は36階のボタンを押しました。

エレベーターが36階に到着しました。



「ここから見られるのかな?」



しかし,柵が高く,まさらちゃんの

身長では景色がよく見えませんでした。



間宮「それなら,この部屋のベランダから見ようよ。実はここ,

俺の家なんだ!家族は普段一緒に住んでいないから安心していいよ。」



まさらちゃんは部屋に案内されました。



「(わぁ・・・。憧れの先輩のお家に入れてもらっちゃった!

明日友達に自慢しても信じてもらえないだろうなぁ・・・。)」




玄関にはなぜか,靴が何足かおいてありました。



まさらちゃんは特に気することなく,部屋の奥に入っていきました。



すると,一番奥の部屋には,男が3人いました。



「あれ?先輩のお友達・・・?」



まさらちゃんは首をかしげました。



時間は少し遡って・・・。



場面はリク君たちのいるカフェの前です。



「そもそも,誰と一緒にいるんだろう?」

「わからん・・・。まぁ,別にたいしたこと

じゃないかもしれないし,明日聞いてみるか?」




リク君は黙ったままです。





「何か気になることがあるのか?」

「ここの商店街ってさ,三大悪童の

“マザー”のナワバリだったよね?」




イツキ君はハッとして,



「おいおい,まさかやっかいなことに

巻き込まれているってことか?」




二人は万が一に備え,まさらちゃんを

急いで探し出すことにしました。








第262話 まさらちゃんのイケメンショッピング3



まさらちゃんは間宮先輩の自宅に案内され,

中に入ると3人の男がいました。



一人はソファーに座っていました。

後の二人はその前に立っていました。



そのうちの一人は先ほど間宮少年と一緒にいた人物でした。



急にソファーに座っていた男が間宮少年の

髪を引っ張り,ぼこぼこに殴り始めました。



「きゃあぁぁ!やめてください!?」



まさらちゃんは泣き出しそうになりました。



間宮少年を殴っている男は,彼よりももっと体が大きく,

年は17か18といった感じに見えました。



髪は金髪の短髪で眉毛が太く,目つきの悪い人物でした。



彼は他の少年から堀尾さんと呼ばれていました。



堀尾「間宮,てめぇ!馬鹿野郎!いっぺん死んどくか!?

なぁ,今すぐここから突き落としてやろうか!?

さっき電話で確認しただろうが!?」



間宮「すみません,すみません・・・。

勘弁してください・・・。」



彼は,堀尾に顔を何発も殴られ,倒れこんで,

うずくまったところをひたすら

蹴られまくりながら懸命に謝罪していました。



「お願いします。やめてください!先輩が死んじゃいます!」



まさらちゃんは叫びましたが,当然

聞き入れてもらえるはずなどありません。



まさらちゃんは恐怖で体が震え,止めに入ることもできません。



「なんで,こんなことをするんですか・・・。」



泣きながら訴えました。



堀尾「ああ!?こいつが簡単なお使いもできねぇからだよ!」

彼は間宮少年の顔を足で踏みつけました。



間宮「がはっ!!」



堀尾「俺は何て言ったかわかるか!?

若い女をここに連れて来いって言ったんだ!?」



彼は,一瞬まさらちゃんをにらんだ後,再び

踏みつけられている間宮少年に視線をやり,



堀尾「それが,なんで小学生のガキを連れてきてるんだよ!?

若すぎだろ!!!!ふつうはJK(女子高生)とかだろうが!」



間宮「ずびばぜん・・・。ほ・・・かに

手ごろな女が・・・見つからなくて・・・。」



彼がもう一発,間宮少年の顔面を思い切り蹴ると,

鼻と口から大量の血を噴き出して意識を失いました。



少年1「堀尾さん。このガキどうしますか?」



堀尾「そうだなぁ・・・。せっかくだし,ちょっとだけ

いたずらしちゃおうかなぁ・・・。来年に

なったら名前が出ちゃうからなぁ!犯罪するなら未成年のうちってかぁ!」



堀尾は急にまさらちゃんに接近しました。



少年1「(結局,ロ〇コンなんじゃねぇかよ・・・。)」



そう思っても,怖くて口には出せませんでした。



「みんな,助けてぇ!!!」



まさらちゃんは精一杯の声を出して助けを求めました。



堀尾「ここは,最上階!普段ほかの部屋は

誰もいないらしいから,誰にも聞こえねぇよ!」



堀尾がまさらちゃんの肩に手をかけた瞬間,



堀尾「ぐっは!?」



玄関に置いてあった靴がすごい勢いで

堀尾の顔面に命中しました。



その勢いで堀尾はソファーに倒れこみました。



堀尾「なっなんだぁ・・・?」



顔に手を当て,何が起こったのか状況を理解しようとしました。

目の前にはリク君とイツキ君が立っていました。



堀尾「なんだ,このガキどもは!?」



「それは,こっちのセリフだ・・・。

何やってんだ,お前,俺の仲間によ!」






リク君とイツキ君が彼を睨みつけています。



「リク君,イツキ君!怖かったよぉ・・・。」



まさらちゃんは二人に抱きつきました。



「まったく,探すのに苦労したんだぞ。」

「どうやってこの場所がわかったの?」



まさらちゃんが聞きました。



「まぁ,それは後でな。」

「まずは,この変態ロ〇コン野郎をお仕置きしないと。」



リク君が指をパキパキと鳴らしました。








第263話 まさらちゃんのイケメンショッピング4



20畳くらいのリビングのソファーに座っていた堀尾という男は

この部屋に住む間宮少年を使い,女性をさらってくるように指示していました。



しかし,自分の思い通りにいかなかったため,

間宮少年を徹底的に痛めつきました。



さらに騙されて連れてこられたまさらちゃんにも手を出そうとしました。



その時,部屋の入り口から猛烈な勢いで飛んできた片方の靴が

堀尾という男の顔面に直撃し,ソファーに倒れこみました。



投げたのはまさらちゃんを助けに来た最強の二人でした。

すでにリク君は怒りのボルテージがマックスになっています。



彼は普段は温厚で昆虫をこよなく愛するやさしい

少年ですが仲間が危険にさらされた時は激情家となります。



「全員,ぶっ飛ばす!」



堀尾「なんだ,このガキは・・・!?」



堀尾は起き上がり,二人を睨みつけました。



「おい,下がってな。ここは俺がやる。」

「何を言っている。俺がすぐに片付ける。」



リク君はファイティングポーズをとりました。



「そうは言っても,ないじゃないか。捕虫網が・・・。」



リク君はショッピングの付き添いに来ていたので,

捕虫網は持っていなかったのです。



「こんな奴ら,素手で十分だよ。」

「本当かよ。素手ならレオンさんに鍛えられている

俺のほうが実力は上だ。リクはあんま無理するな。」




お互いに一歩も譲りません。



「知ってるだろ。あの時の“庄外川の合戦”で見せた俺の実力を・・・!」

「ああ,そうだった・・・。」



どうやらイツキ君は以前,リク君が

素手で戦う姿をその目で見ているようです。



“庄外川の合戦”がどんな戦いだった

のかはいずれ明らかになるようです。



堀尾「何をごちゃごちゃ言ってんだ,このくそガキどもが!」



彼はそう叫んだあと,両側にいた二人の手下のような

少年たちに,痛い目を見せてやれと指示しました。



手下の少年たちはリク君とイツキ君に襲い掛かりますが,

痛い目を見たのは襲い掛かってきた手下の少年たちでした。



一瞬で気絶させられ,床に転がりました。



「だろ?素手でも戦える。それに俺は今,

こいつをぶちのめしたくてイライラしてんだ。」




リク君は鋭い目つきで堀尾をにらみました。



堀尾「なんか,知らねぇが俺を甘く見るなよ。クソガキが!」



堀尾が右足でリク君の頭部を横から蹴ろうとしました。

リク君は素早くしゃがみ込み,相手の間合いに入り込みました。



そして,軸足だった左足のすねを思い切り蹴りました。



堀尾「ぐおっ・・・。」



あまりの痛さに左足のすねを抑え,しゃがみ込んでしまいました。



そのすきを逃さず,かかと落としを食らわせると,彼は倒れこんでしまいました。



堀尾「くそっ・・・。」



「リク君・・・。」



まさらちゃんはだいぶ落ち着きを取り戻したようです。



「よし,帰ろうか。」



リク君がまさらちゃんの方を振り返った瞬間,堀尾が再び立ち上がり,



堀尾「この俺をなめるなと言っただろうが!

こんなガキに俺が負ける訳がない!」



堀尾はリク君めがけてこぶしを振りかざしました。



今度は,イツキ君が素早く,間合いを詰め,リク君を吹き飛ばし,

その勢いで堀尾のみぞおちに右の拳を叩き込み,よろめいたところを,

下からのアッパーカットで顎に1発食らわせ,倒れかかったところを,正面から顔面に蹴りを入れました。



その勢いで彼は,ベランダの窓ガラスに頭から突っ込み,血だらけになって意識を失いました。



堀尾「ぐふ・・・。」





「悪い・・・。助かった・・・。」



リク君は起き上がりました。



「詰めが甘いな。これくらいやっておかないと,だめだ。」



イツキ君の攻撃はレオンさんと以前,師事していた

城嶋から人体急所を徹底的に狙う格闘術を教えられていました。








第264話 まさらちゃんのイケメンショッピング5



マンションの最上階にある1室の一番奥の部屋では,

まさらちゃんを襲った堀尾という男と手下の二人,

そしてこの部屋に連れてきた間宮少年が倒れていました。



「この人たちどうしよう・・・。」



まさらちゃんが困惑していると,



「おい,起きろ。意識は戻っているはずだろ。」



リク君は横たわっていた間宮少年に声を掛けました。



間宮「あ,ああ・・・。」



ゆっくりと彼は起き上がりました。



リク君は起き上がったところで彼の頬に右のパンチを入れました。



間宮「ぐはっ・・・。」

再び,彼は倒れこみました。



「おいおい,自分で起こしておいて,何をしてんだよ。」

「こいつはまさらちゃんを騙してこんなところまで連れてきた。

もし,俺たちがここへ来なかったらどうなっていたことか・・・。

もし他の女性が連れ込まれていたとしたら・・・。

こいつのやったことは決して許されることじゃない!」




リク君は間宮少年の胸ぐらをつかみ,たたき起こしました。



間宮「すっすまない・・・。僕は・・・中学校に入って,

調子に乗っていたみたいだった・・・。

悪い奴らとつるむことに憧れていたんだ・・・。

でも,もうやめるよ・・・。だから許して・・・ほしい・・・。」



「だってよ。どうする,まさら。」



イツキ君がまさらちゃんに視線を送りました。



「うん・・・。もう,大丈夫だよ。

でも,二度と私の前には姿を現さないで。」




間宮「ああ,わかった。約束するよ・・・。」



間宮少年は救急車を呼びました。



その間にリク君たちはマンションの

入り口まで降りてきました。



「ねぇ,どうしてここがわかったの?」



先ほどから気になっていたことを質問しました。



「まさらがリクから借りた袋に,

リクのイヤコムが入っていたんだよ。」


「あ,そうだったんだ?」



まさらちゃんが中身を確認すると確かに

リク君のイヤコムが入っていました。



「最初,ボクも気づかなくてさ・・・。でも入っていることを

思い出したから,イツキ君の持っていたイヤコム端末で

僕のイヤコムの位置情報を検索してもらって探し出したんだ。」


「二人とも,心配かけて本当にごめんね。」



まさらちゃんは二人に迷惑をかけたことを謝罪しました。



「まぁ,これに懲りたらイケメンだからって

ほいほいとついていかないことだな。」


「もう!わかっているよ!意地悪だなぁ!」





ようやくまさらちゃんにも笑顔が戻ってきたようです。



「そういえば,結局あいつらって“三大悪童”とは何も関係がなかったのかな?」

「う〜ん,どうだろう。そうだとしても末端の連中だろう。

さすがに幹部で“あの弱さ”はない。もし,三大悪童の下位組織に

手を出していたとしたら“また”面倒くさいことになるかもな・・・。」




二人は少し考えこみました。



「何?なにかあったの?」



二人の間に割って聞きました。



「いや,なんでもないよ。」



この後は,カブクワキングに行かず,

それぞれの自宅に帰宅しました。



今日はさすがにみんな疲れたみたいです。



しかし,二人の懸念していたことはこの後,

現実のものとなるのですが,それはまだ先のお話になりそうです。