第281話 新・昆虫クイズ対決!<後編>



昆虫クイズ対決の2回戦は

トシ VS オジョーでした。



オジョーは難易度低の問題を

楽々と正解し1点を獲得します。



一方トシ君は難易度高の問題を提案されました。



「おい,無理せずにチェンジしろ!」

「いやいや,オイラだって昆虫のことは

そこそこ詳しくなっているよ。

ここは難易度高で勝負して一気に逆転するよ!」




少年昆虫団側から大きなため息がもれました。



オジョー「あらら,まったく信用がないのね。

かわいそうなトシ君。それじゃあ問題を出すね。」



オジョーちゃんは問題を読み始めました。



オジョー「2017年イグノーベル賞に選ばれた

虫の名前の由来となった書物はなんでしょうか?」



「え・・・?本の名前?オイラが

知っている本は人生のバイブルで

あるNARUTOだけなんだけど・・・。」




オジョーちゃんはあきれていました。



そして,トシ君は不正解のため,

ポイントを獲得できませんでした。



「やっぱりな・・・。」



続いて3回戦はだぬ VS ジャイです。



だぬちゃんは難易度低の問題を答えることになりました。



問題は,「チョウチョの羽についている

粉の名前はなんでしょう」という内容でした。



「ハハハ,楽勝ですよ!リンプンです!」



見事に正解して1点を獲得しました。



ジャイちゃんは難易度高の問題に

挑戦しましたが,不正解に終わりました。



「(こんな問題,自分だって答えられませんよ・・・。)」



ここまでの点数は少年昆虫団が2点,スナぴょん団が

4点でスナぴょん団がリードしていました。



4回戦はイツキ VS タコ



イツキ君は難易度高の問題に

挑戦することになりました。



タコ「ヨモギヒメナガアブラムシの繁殖の特徴を答えなさい。」



「はぁ・・・?なんだ

それ・・・。全然わからん・・・。」




タコはニヤニヤしながら

イツキ君が悩んでいる姿を見ていました。



「よし,こうなったら勘だ。

メスだけでも増えるんじゃないか?昆虫ならそれもできそうだ。」




イツキ君は自分の知識を総動員させて答えました。



タコ「ぐぬぬ・・・。なんと・・・正解・・・!」



「おお,勘で正解とはすごいですね。」



だぬちゃんは感心していました。



そして,タコ君は同じように難易度高に

挑戦しましたが,正解することができませんでした。



これでポイントは少年昆虫団が4点,

スナぴょん団も4点となりました。



「じゃあ,これで勝負が

決まるんだな。じゃあ僕から問題を出すよ。」




スナ「ハハハハ,俺に答えられない

問題なんてないぜ!」



スナ君は自信満々でした。

彼は難易度高の問題に挑みます。



「問題。トノサマバッタの

別名を答えなさい。」




スナ「ほほう。なかなかいい問題だな。

しかし,俺様にとっては簡単だよ!答えは,“アバドン”だ!」







果たしてスナ君の答えは正解なのでしょうか。



「正解だ・・・。トノサマバッタなどが大量発生して害を出す様子を

ヨハネの黙示録に登場する闇の王にたとえた名前がアバドンらしい・・・。」




リク君は解説に書かれたページを読みました。



スナ君が提示してきた問題は難易度低でした。

このままでは負けてしまうので

リク君は問題の変更を宣言しました。



スナ「では,引き直すぞ・・・。問題の

難易度は・・・。やっぱり難易度低だ!」



「えーっ,それじゃあもう

私たちの負けが決定じゃないー!?」




まさらちゃんが抗議しました。



サラ「仕方ありませんよ。それがルールですから。」



サラ君が冷静に答えました。



スナ「仕方がない。俺がチャンスをやるよ。

今から答えるこの問題に答えられたら少年昆虫団の勝ちでいい!」



どうやらスナ君はとんでもない

難しい問題を出してくるつもりです。



「わかった。それでいいよ。

このまま負けるのもなんか悔しいしね。」




スナ「ことわざにある“オケラの七つ芸”

とはどんな意味か答えよ!」



スナ君の出した問題に,リク君は,



「ああ,“器用貧乏”

って意味だろ。そんなの常識だよ。」




あっさりと正解してしまいました。



スナ「あれー?なんでわかるの!?国語に絡めた

問題なら絶対にわからないと思ったのに・・・。」



オジョー「スナ君!油断するから負けるんだよー!?

あのままなら勝っていたのに!?」



スナ君は仲間から色々と言われてしまいました。



スナ「まぁ,今回は引き分けって

いうことで勘弁してやろう!」



「さっきと言っていることが違う・・・。」



こうして彼らとの対決は痛み分けに終わりましたとさ。








第282話 悪路の中の昆虫採集



時間は夜の9時半。



場所は各務原山の中腹。



天候は大雨。



少年昆虫団は必死に下山を続けていました。



「もういやだよー・・・。走れない・・・。」



トシ君はくたくたになっていました。



「トシ君,がんばれ!」



みんなはずぶ濡れになっていました。

豪雨の影響で視界も悪く,少しでも道を

外れてしまったら出られそうにもありませんでした。



「なんで,こんなことになっちゃったのー!?」



まさらちゃんは半分泣いていました。



「天気予報では晴れのはずだったんだけど・・・。

いわゆるゲリラ豪雨っていうやつだよ・・・。」




リク君はみんなを巻き込んでしまい

申し訳なさそうにしていました。



すると,雷が鳴り始めました。



ゴロゴゴロゴロ・・・・。



「おい,やばいじゃないか。

雷までなり始めたぞ。」




まるでフラッシュのように

一瞬だけ明るく光りました。



ピカッ!!



その直後,ピシャア!!!と

大きな音がしました。



どうやら近くで落雷があったようです。



「こりゃあ,今日の

昆虫採集は中止だな。」


「当り前じゃないですか!?

雷が鳴っているんですよ!?」




トシ君はたまらず近くのスギの木の

下に隠れようとしました。



「だめだ!死ぬぞ!?」



リク君は大声でトシ君を制止しました。



「え,なんでさ!?これ以上濡れたらカゼをひいちゃうし,

雷の直撃をさけるために木の下に隠れたほうが安全でしょ!」


「雷が鳴っている時に木の下に

隠れることは逆に危ないんだ!今の状況みたいにどうしても

移動ができない時はイツキ君みたいにすればいいんだよ!」




リク君はイツキ君を指さしました。



彼は木の幹から4m以上離れ,木のてっぺんから

45度の位置にさらに木の枝から2m以上離れた位置で

雷しゃがみといわれる体勢をとっていました。





これは頭を下に下げ,両手で耳を防ぎ,両足の

かかとを合わせ,つま先だけでしゃがむ体勢のことです。



こうすることで万が一地面から雷の電気が

流れてきても体に流れないようにします。



「木っていうのは落雷しやすいものだからな。

木の真下にいるのが一番危険なんだよ。

本当は建物の中に避難できれば一番いいんだけどな・・・。」




みんなもイツキ君の真似をして頭をかがめました。



「怖いよぉ・・・。いつに

なったら止むのかな・・・。」




まさらちゃんは不安で仕方ありませんでした。



「大丈夫だよ。もうちょっとだから・・・。」



みんなは服も体もベショベショになりながら,

雷雨が過ぎるのを耐え続けました。



そして,だんだんと雷の音が小さくなってきました。



「なんか,雨も弱くなってきましたね。」



雨も止んできました。



「よし,今のうちにゆっくりと

滑らないように気を付けながら下山をしよう!」


「あいよー!」



こうして少年昆虫団はなんとか死に物

狂いで下山することができました。



万が一,昆虫採集をしている時に,雷雨に遭遇して

しまったら命を第一優先に,正しい避難を心がけましょう。








第283話  森は生きている



旭森林公園はとても大きな公園で,面積が1870kuもあり,

たくさんのクヌギ林が存在するので多くの

人たちがカブクワ採集にやってきます。



もちろん少年昆虫団も例外ではありません。

今日はレオンさんの車でやってきました。



「この前もここに来たよね。

たしか,“闇組織JF”の山犬の連中と

初めて出会った場所だって言っていたよね。」




レオンさんは駐車場を降りる時,

そんなことを話題にしました。



「うん,そうだったね。今,思えば彼らは

ここで漆黒の金剛石がいるか確認をしていたんだね。」


「ああ,特殊な薬物をカブト虫に注入し,

反応が出るか試していたんだろう。

一定の範囲内で調査に必要な数だけ薬物を投与し,

反応が出なければ違う場所で同じことをいしていたんだな。」




イツキ君も会話に参加してきました。



みんなは車を降りると,すぐに

ハイキングコースへ向かいました。



「結局,もう組織は漆黒の金剛石を

見つけたのかな?レオンさんの仲間が

組織に潜入しているんでしょ?何か聞いていないの?」


「うーむ・・・。どうなんだろうね。

まぁ,重要な報告があれば,別の機会にまとめて話すよ。」




なんだか話をはぐらかされたしまった

ようですが,リク君はあまり深く追求しませんでした。



「あれ,こんなところに

カブクワの仕掛けがあるよ。」




まさらちゃんは木にネットに果物を入れて

吊るしてある仕掛けを発見しました。





しかし,それは昨日今日仕掛けられたものではなく,

何週間も経過しているようで非常に臭いにおいを放っていました。



「きっとマナーの悪い人が

そのままにしていったんですね。」




だぬちゃんが言うことにみんなは

「きっとそうなんだろうな。」と思いました。



さらに奥に進むと木の皮が

はがされた状態のクヌギを見つけました。



「これは誰かが無理やり木の皮を

はがしてクワガタを捕まえようとしたんだな。」




このように中にはマナーを

守って採集をしない人たちがいます。



トシ君が何かに気づいたようです。



「ねぇねぇ,なんか煙の臭いがしない・・・?」



みんなはその煙の出所を探してみると,

4人の若者が集めた枯れ枝に火をつけて,木をあぶっていました。



どうやら煙を使ってカブクワを

あぶりだす採集を行っているようでした。



「お前たち,何をやっているんだ!

ここは火気厳禁だし,そんなことをやらなくても

カブクワは採集できるだろう!」




リク君が間髪入れずに,彼らに対して怒鳴りました。



マナー違反1「ああ,なんだ,このガキ・・・。それに

おっさんが一人か・・・。俺たちが

どんな方法で何をしようと勝手だろうが。」



「なんか前にも同じようなことがあった気が・・・。」

「一応,忠告をしておくと,君たちの

やっていることは法律違反だ。すぐにやめることをお勧めする。」




レオンさんが前に出てきて言いました。



マナー違反2「知るかよ!この方法が一番効率がいいんだよ!

カブクワはネットで売ればそこそこ金になるしな!」



「マナーの悪い人たちって嫌い!」



まさらちゃんがレオンさんの後ろに

隠れたまま,そうつぶやきました。



マナー違反3「なんだよ。文句があるのか!?

痛い目に会いたくなかったらさっさと消えろ!」



「もしいやだと言ったら?」



マナー違反4「こうなるんだよ!」



木の荒いマナー違反の若者の一人が

レオンさんに殴りかかりました。



「(間合いも考えずに飛び込んで

きてどうすつもりだ。それに腕をそんなに

大げさに振りかぶったら隙だらけじゃないか。

どうやらケンカは素人か・・・。)」




次の瞬間,彼はその場にうずくまりました。

レオンさんが軽く反撃しただけで気を失ってしまいました。



マナー違反4「うごぉぉ・・・。ガハッ・・・。」



ほかの三人は何が起こったのか理解できていないようでした。



マナー違反3「てめぇ!何してんだよ!!」



今度は3人が同時に近づいてきました。



リク君はすかさず背中に背負って

いた捕虫網を1本取り出しました。



「マナーを守れない人たちはお仕置きだ!」



リク君は捕虫網を自在に回転させ,体を切り刻み,

マナーの悪い若者を一人やっつけました。



それを見た残りの二人はそそくさと逃げていきました。



残りの二人も意識を取り戻すと,

死に物狂いでその場から離れていきました。



「まったく,馬鹿な奴らだ。

レオンさんの忠告を素直に聞けば良いのによ。」


「まぁまぁ。でも君たちもマナーを

守って昆虫採集をするように気を付けるんだよ。」




レオンさんがそう言うと,



「僕たちは大丈夫だよ。森は生きているんだし,

大事な存在なんだ。そんなマナー違反なんてしないよ。」


「あ,でもあそこでトシ君が

立ちションしてますよ・・・!」




ジョボボボボ・・・・



「はぁぁぁ・・・。ずっと

我慢していたんだぁ・・・。」




トシ君は木の幹で大量のおしっこをしていました。



「レオンさん,あいつだけ置いて帰ろうぜ・・・。」

「・・・。」



森は生きています。



マナーを守って楽しく昆虫採集をしましょう。








第284話  稲川淳姫の怪談6



稲川「待ちに待った,稲川淳姫の怪談噺。

今回はどんな怖〜いお話か,興味があるよね。」



体育館に集められた児童は,半分呆れかえっていましたが,

中には怖い話を楽しみにしている子もいるようでした。



「この前も言ったが,絶対にあのセンセー,

問題教師として世間から吊るしあげられるぞ・・・。」




稲川「それでは,始まり,始まり・・・。」



とある大学の登山部がまだ雪解け

間もないX山に登ることにしました。



登山部は男性で構成され,準備を

万端に整え,山のふもとまでやってきました。



この山に入るには入山料が必要だったので入口の受付で

代表のAがまとめて支払うことにしました。



入山料は一人550円となっていました。



受付「それじゃあ,入山料をいただきます。」



Aは3千円を渡し,おつりを受け取りました。



A「それじゃあ,山頂まで気を引き締めて登って行こう。

この時期はまだ結構,雪が残っているから気をつけよう。」

B「おう,Aこそ滑るんじゃないぞ。」



ムードメーカーのBがそう言いました。



一行は順調に登山ルートを進んで行きました。

しばらくすると,山の中腹に休憩小屋がありました。



ここが最後の休憩場所で,この先は山頂までなにもありません。



休憩場所へ立ち寄り,体を休めていると,

施設のオーナーが串団子を皿に乗せて提供してくれました。



C「へぇ,こんなサービスして

くれるんですね。ありがとうございます。」



礼儀正しいCは深々とお辞儀をしました。

皿には団子が5本ありました。



D「これって,全部食べていいんですよね。」



串団子をぺろりと食べ,お腹もふくれた

ところで,再び出発することにしました。



しかし,この後,彼らに試練が待ち受けます。



登山ルートから外れてしまい,遭難してしまったのです。

すでに太陽は沈み,気温もかなり下がってきました。



雪は降っていないとはいえ,

このままでは確実に凍死してしまいます。



A「まずいな・・・。なんとか,先ほどの

休憩小屋まで戻れるといいんだが・・・。」

B「おい,あそこに見える小屋って

さっきの休憩小屋じゃないか!?」



しかし,よく見るとその小屋は先ほどの

休憩小屋ではなく,ただのコテージでした。



この際,暖をとるためならそこでも

構わないということになり,お邪魔することにしました。



電気は通っていなかったので真っ暗な中,

一つの部屋の中心に固まって寒さをしのごうとしました。



C「でも,この寒さの中,寝たら確実に凍死しちゃいますね・・・。」



そこでリーダーのAが凍死しないためのある方法を提案しました。



それは,4人が部屋の角に立ち,最初の合図で一人が隣の角まで走ります。

その一人が角に立っている人にタッチします。



タッチされた方は同じように隣の角まで走ります。



これを右回りで繰り返していけば,眠らずにすむというわけです。



B「面白そうじゃないか。さっそくやってみようぜ。」



こうして,真っ暗な闇の中で,一晩中,

部屋の中をぐるぐると走り回りました。



次の朝,救助隊が駆け付け,彼らは大病院で

検査入院することになりました。



入院した部屋は5人ベッドの多部屋でした。



みんなは一気に疲労が出て,

その日の夜まで眠ってしまいました。



目を覚ましたのは夜中の12時過ぎでした。

誰とともなく,昨日の事を語り出しました。



D「なんとか,助かってよかったですね。

Aさんのアイデアのおかですよ!」

A「そうだろ〜。」



しかし,Cは下を向きうつむいた

ままで顔色が良くありませんでした。



B「どうしたんだ,せっかく助かったのによ!?」

C「あの,ちょっと気になることがあるんです・・・。

昨日の夜,僕たちって部屋の中をずっと回っていましたよね。」



全員がCに注目しました。



C「あれって,ここにいる4人じゃできないですよね・・・。」



全員が凍りつきました。



確かに,4人では1周した時点で

部屋の角には誰もいないので終わってしまいます。



しかし,彼らはずっと一晩中回り続けていたのです・・・。



D「ずっと気になっていたんですけど,どうして僕たちって

5人部屋に案内されたんですかね?

あそこのベッドってずっと空いたままですよね・・・。」



B「よく考えたら,なんで休憩所で

団子を5人分出されたんだ・・・?」



しばしの沈黙が流れました・・・。



A「そういえば,入山料も一人550円で4人分なら2200円なのに,

確かあの時,2750円取られていたな・・・。

おつりをよく確認しなかった自分が悪いんだが・・・。」



もう一度,空いたはずのベッドを見ました。



なんとベッドに横たわっている人影が見えました。



C「ヒィッ!?だっ誰かいますよ・・・!?」



その人影はベッドからすっと下に落ち,

床を張ってゆっくりとこちらへ向かってきます。



ヒタ・・ヒタ・・・ヒタ・・・



うぁぁぁぁぁぁ・・・。



病院には大きな悲鳴が響き渡りました・・・。