第309話 バトルヤバイヤロ午後 2

ワクのわくわく冒険記シリーズ



*本作は登場人物が多岐にわたるためイラストは基本的に白黒ラフにします。




校舎は4階建てでランチルームは2階にありました。

ワク君たちは突き当りの階段を上に上がっていきました。



先にランチルームを出た梶田たちの

グループも3階でPC室を探していました。



小鬼は天井や教室の窓ガラスを

割って彼らに襲い掛かってきました。



パティシエの水元が犠牲になりました。



水元「お菓子ならいくらでも作って

あげるから助けてぇ・・・。」



ボンッ!!!



その声もむなしく,死亡しました。



梶田「くそ,どうも先ほどの鬼よりも動きが早く,

数が多いみたいだな。一刻も早く見つけなければ。」



続いて,医者の筒井,吉岡も小鬼捕まり

身動きが取れなくなってしまいました。



吉岡「梶田さん,助けてください!」

必死で逃れようとします。



梶田「白鳥君,行くよ!この世界から出る

ためには君の力が必要みたいだからね。」

アヤネ「まって,アタシも置いていかないで!」



ガッシャーン!。



廊下の窓から小鬼が飛び出してきました。



アヤネ「いやっ!こっちにくるんじゃねぇよ!」



懸命に抵抗しますが,足を

つかまれてしまいました。



白鳥「アヤネちゃん!君は僕が守る!」



白鳥氏がアヤネちゃんにとりついた

小鬼を外そうと近づいた時,



梶田「聞こえなかったかい?

君は僕と一緒にPC室へ行くんだよ。」

白鳥「何を言ってる。彼女を置いてはいけない。」



白鳥はその手を振り払い,

彼女のもとへ駆けつけましたが・・・。



アヤネ「いやっ!いやぁぁぁぁ!!」



ボッカァン・・・。



アヤネちゃんは見るも無残に

粉々になってしまいました・・・。





白鳥「そんな・・・。そんな・・・。」



白鳥氏はその場にうずくまり,泣き叫びました。



階段から足音が聞こえてきました。

ワク君たちのグループが追いついたようです。



周辺の惨劇を目の当たりにし,

何が起こったのかを理解しました。



「アヤネちゃんも犠牲になったんだね・・・。」



真木「そんな・・・。」



真木氏も1限目からの顔見知りなので

ショックを隠せませんでした。



トシ君がそっと白鳥氏の肩に手をやりました。



梶田「ここでのんびりしている暇はないよ。

あいつらはどんどんやってくる。」



雄太「でも,これだけ鬼が多いってことは

この階にPC室があるのかもね。」



そういって,雄太は先頭に立って先に進みました。

突き当りを右に行ったところにPC室はありました。



雄太「ここだよ。」



雄太達が合流してからは途中で鬼に

襲われることもなく,無事にPC室につきました。



中は明かりがついており,

すでに郷田と風花がいました。



郷田「おそかったじゃねぇか。」

梶田「小鬼に襲われちゃってね。

生き残ったのはこれだけさ。」



宮川氏は恐る恐る,



宮川「私なんかが生き残ってしまい,あの若い女の子が

死んでしまうなんて・・・。なんとも言えない気持ちです。」



としんみりしていました。



「で,何かわかったの?」



ワク君はPCの画面をみました。



そこには難しいプログラムが並んでいました。



「この言語は,最新のマザーズ言語じゃないか。

なんでこんなものがこのPCに入っているんだ?」






どうやらワク君はPCについて

プロ顔負けの専門知識があるようです。



白鳥「・・・。頑張って解析してみるよ。」



まだ立ち直れない白鳥氏も懸命に

がんばっています。



―残り13人―








第310話 バトルヤバイヤロ午後 3

ワクのわくわく冒険記シリーズ



*本作は登場人物が多岐にわたるためイラストは基本的に白黒ラフにします。




白鳥「これはこの世界を維持するために組み込まれたプログラムだね。

だからこいつを解析して書き直してやれば元の世界に戻れるかもしれない。」

梶田「さすがだね。君を連れてきて正解だった。

今まで隠してきたけど,僕はSE(システムエンジニア)なんだ。

だから君と僕で力を合わせればこいつを解析できるはずだよ。」



梶田は得意げに語りました。



「このプログラムなら俺も読める。俺も手伝うよ!」



白鳥「頼む。モニターはそこに

もう1台あるから,それを使って!」



ワク君は白鳥さんに耳元で何かを囁きました。

彼はそれを聞いて頷きました。



三人はモニターを見ながらキーボードを

カタカタと打ち始めました。





その時,PC室の扉がぶち破られました。

目の前には小鬼が4体もいました。



郷田「おい,あとどれくらいかかるんだ!?」



白鳥「まずは解析を終えないと・・・。

3人でやっても30分はかかるよ!?」



小鬼が少しずつ近づいてきます。



郷田「そんなに待てるか!5分でやれ!」



郷田が叫びました。



梶田「僕も死にたくないからね。

精一杯やっているよ。だからそっちは任せたよ。」



1匹の小鬼が郷田にとびかかりました。

郷田はそれをかわし,渾身の力を込めた拳でたたき伏せました。



鬼は脳ミソぶちまけ死にました。



郷田「おい戦える奴は前に出ろ。さっきの

鬼よりも弱い!時間を稼ぐんだ!」

真木「ちょっと僕は無理かも・・・。」



真木氏は躊躇しています。



「わかった!」



トシ君と雄太が前にでました。

風花は前に出ようとしましたが,

郷田が制止しました。



残る小鬼は3匹です。



トシ君は小鬼がとびかかる前に

思いっきり踏みつぶしました。



彼の体重は相当な重さなので

小鬼はぺちゃんこになって死亡しました。



残りの1匹は雄太にとびかかりました。



雄太「わっ!?」



雄太はとっさに手を振り払い小鬼をよけました。

しかし,小鬼が振り払った先には・・・。



宮川とサエ,メイがいました。



雄太「しまった!?」



小鬼はサエに抱きついて離れませんでした。

サエ「ヤダ!雄兄〜!助けて!!」



雄太は小鬼に飛びつきました。

次の瞬間,小鬼は爆発しました。



しかし,間一髪,雄太とサエは無事でした。

メイ「え,何!?何が起きたの!?」



ただ,爆発の巻き添えを食らってしまった,

宮川氏は首が吹き飛び,死亡していました。



「宮川さん・・・。」



ワク君はキーボードをひたすら打ち込みながら

その様子をただ見ているしかありませんでした。



優香「宮川さんが犠牲に・・・。でも雄太君のおかげで

メイちゃんとサエちゃんは無事だった・・・。」

雄太「ああ,僕のせいで二人を犠牲にする

わけにはいかないからね・・・。」



雄太は下を向いてそう言いました。



梶田「やはり僕は天才だ。見つけたぞ。

この世界から出るためのプログラム修正箇所を!」



全員が梶田に注目しました。



「こっちも見つけた。」



白鳥「僕もだ。」



―残り12人―








第311話 バトルヤバイヤロ午後 4

ワクのわくわく冒険記シリーズ



*本作は登場人物が多岐にわたるためイラストは基本的に白黒ラフにします。




ワク君,梶田,白鳥はここから出るための

プログラムをみつけたようです。



彼らはすぐに修正プログラムを組み始めました。



梶田「(ここまでくればもはやこいつらに用はない。

とにかく僕一人だけが助かればいいんだからね。)」

白鳥「あれ?梶田さん,その部分を書き換えてしまったらだめですよ。

それじゃあ脱出する人数に制限がかかってしまう。」



白鳥氏が気付きました。



梶田「これでいいんだ。助かるのは僕だけでいい。

君たちとはここでお別れだ。」

風花「何をわけのわからないことを言ってやがる!?」



風花が回し蹴りを梶田に食らわせようとしましたが,

寸前のところで止めてしまいました。



彼はポケットから拳銃を取り出し,

風花に向けました。



風花「なんでそんなモンを持っているんだよ・・・。」

梶田「3限目の鬼ごっこで実験棟を

探索している時に見つけたんだよ。」



郷田が間合いを詰めようとしましたが,



梶田「おっと,動かないでよ。この中では君とワク君がくせものだからね。

もし変な動きをしたら,女の子から死んでいくことになるからね。」



梶田は片手で拳銃を構えたまま,

もう一方の片手でキーボードを打ち続けました。



「どうしよう,このままじゃ,あいつだけ逃げちゃうよ。」

「・・・。」



ワク君はすぐ隣でキーを打つ彼を

じっと睨みつけていました。



「こうなったら,神AIに出てきてもらって

助けてもらうしかないかもね・・・。」


白鳥「何を言っているんだい?

そんなことありえないよ。」



白鳥氏がその発言を否定しました。



優香「そうですよ。神AIって先ほどまで

流れていたあの放送の人ですよね?

とても助けてくれるようには思えません。」



「あれはおそらく最初からプログラムしてあっただけの人工音声だと思うよ。

本当の神AIは俺たちのすぐ近くにいたんじゃないかな?」




ワク君は話を続けます。



「そうだよね・・・。」



ワク君は一人の少年に目をやりました。



「雄太。君は本当は実在する人間ではなく,

神AIによって作られた人工プログラムなんじゃない?」






雄太は下を向いたままでした。



リサ「え?どういうこと?雄太が神AI??そんなことって・・・。」



雄太「やはり,君はするどいね。君の推測通り,私は君たちが神AIと呼ぶ存在です。

あなた達を間近で観察するためにこの姿をしていました。」



雄太の声が先ほどまでと違う声になっていました。



「ワク君,どうして彼が神AIだって気付いたの?」



「先ほどの小鬼の爆発でケガがなかっただろう。

あれは自分のミスで二人を殺さないために急遽,

自分でプログラムを書き換えて

被害を抑えたんじゃないかって思ったんだ。」




ワク君の推理に,



梶田「なるほど。素晴らしい。さすがワク君だ。」



「それに,俺たちの中で,この部屋を最初に

見つけたのも雄太だ。

それとなくヒントをくれていたんだね。」




なんと雄太はこの世界を

創った神AIだったようです。








第312話 バトルヤバイヤロ午後 5

ワクのわくわく冒険記シリーズ



*本作は登場人物が多岐にわたるためイラストは基本的に白黒ラフにします。




なんと雄太はこの世界の神AIだったのです。



アンリ「その話は本当なの!?それなら本物の雄太は!?」



雄太「安心していいよ。彼のデータだけ参考に

しただけだから本物は元の世界にちゃんといます。」



その言葉を聞いてアンリさんは少し安堵しました。



梶田「よし。プログラム修正が完了した!

神AIだか何だか知らないが,この世界とはおさらばだ!」



梶田がキーボードのエンターキーを勢いよく押しました。



その瞬間,PCもろとも大爆発を起こし,

彼の体は粉々に飛び散りました。



梶田「な・・・ぜ・・・。」



「やはり,ブービートラップか。

悪意のある修正をした場合に,その人物に報いがいく仕掛けだね。」




ワク君の説明に郷田が近づいてきて,



郷田「つまり,どういうことなんだ!?

ここから出られるのか!?出られないのか!?」



「それは雄太,いや神AIに直接聞いたほうがいいよ。」



ワク君は雄太を指さしました。



サエ「ほんとに雄兄が,神AIなんだね・・・。信じられないよ。」



雄太「皆さんは,私の壮大な実験のために選ばれました。

それはある隔離空間の中に精神だけを閉じ込め,

極限状態に陥れることでどんな状態になるのか,

その行動実験結果のデータが欲しかったのです。」



雄太が機械的に説明します。



「ふざけんなぁっ!!」



ワク君は雄太を思いっきり

殴り飛ばしました。



真木「ワク君っ!?」



真木氏がワク君に駆け寄りました。



「どれだけの人間が死んだと思ってるんだよ!?」



雄太「残念ながらそういう,

感情は持ち合わせていません。

私が欲しいのはデータでした。

そしてその目的もすでに達成しました。

あなた達を開放しましょう。」



彼が目を閉じて何かをつぶやき始めました。



すると周りの空間が溶け出すように消えていき,

上も下もない真空のような空間に変わりました。



優香「本当にコンピュータの中の世界だったんですね。」

風花「信じられないな・・・。」



雄太「もう間もなく自分たちのいた世界に戻ることができます。

ただし,ここでの記憶は一切失われるように設定してあります。」



すでに雄太の姿は見えませんで

したが声だけは聞こえました。



その時,バチバチバチ・・・と音がしました。



雄太「・・・!?これは・・・!?」

白鳥「これだけの犠牲が出たんだ・・・。

僕の大切な人もお前は奪った!」



白鳥氏が真っ暗な空間の中で叫びました。

すると神AIが現れました。



まるで映画のスクリーンから飛び出すCGで

できた人の顔のアップに見えました。



神AI「一体に,お前たちは何をした!?」



「梶田が一人で作業をしている間に,

俺と白鳥さんでこの世界の破壊プログラムを仕込んだんだよ!」




この怪しい音と時空の乱れは

ワク君と白鳥氏によるものでした。





神AI「そんなことができるはずが・・・。」

「予め作っておいたプログラムを梶田が

爆発した直後に組み込んだんだよ。だから気付かれなかった。」




神AIはどうやら自己修復機能を実行しようとしていました。



神AI「自己修復機能ON!再生プログラム・・・。」



白鳥「そんなことはお見通しだよ!

IT企業の社長をなめるな!」



空間の乱れが最大に達した時,

神AIの断末魔が聞こえました。



そこからしばらく,意識のない状態に陥りました。

目を開けるとそこは・・・。