第345話 レオン暗殺計画発動! 急襲  

冥界の悪魔シリーズ 第2章




コテージから100mほど離れた駐車場には

1個小隊がワゴン車の中で待機していました。



小隊は全員が自動小銃を装備していました。



そこからさらに1km離れた国道沿いの

駐車スペースに1台の車が止まっていました。



山本の運転する車でした。



彼は今回の作戦の指揮を南雲に任せ,自分は

この場所から作戦の成功を見守るようです。



助手席には源田が乗っていました。



後部座席には今村とアヤがいました。



東條以外の闇組織JFの幹部が一同に

そろい,作戦開始の時刻を待っていました。



リク君たちは,夕飯は川で釣った魚を

焼き,飯ごうでコメを炊き,昼間に

食べきれなかった飛騨牛や黒豚など

を豪快に食べることにしました。



とうとう日は暮れ,時刻は

夜の8時を過ぎていました。



この後行うキャンプファイヤー用

に井桁を組んで火をつけました。



闇組織JFの精鋭部隊は茂みに隠れ,迫りつつありました。



K-2という自動小銃を装備し,ヘルメットに暗視ゴーグルを

装着した精鋭部隊がコテージから100mほど離れた茂みに

隠れ,指揮官の合図を待っていました。



人数は1個小隊で5人いました。



灰庭「さて,花火でもやろうか。」



灰庭さんは大量の花火をリュックに詰めて持ってきました。



「わぁ!楽しそう!やろう,やろう!」



まさらちゃんが大喜びしていました。



「いいですね。外に出ましょう。」



みんなは,コテージを出てすぐ

目の前の所で花火をすることにしました。





「オイラ,ロケット花火がいいな!」

「いいぞ。どうせなら俺がお前を

的にして当ててやろうか。」




イツキ君がひどいことをやろうとしていました。



「いやいや,さすがにそれはだめでしょ!」



だぬちゃんが止めます。



ザワッ・・・。



生温かい風が吹きます。



真夏のジメっとした空気が漂っていました。



闇組織JFの精鋭部隊の隊長に無線で連絡が入りました。



南雲「全ての準備が整った。予定通り作戦を開始せよ。」



隊長「了解(ラジャー)。」



打ち上げ花火が上がった瞬間,精鋭部隊が行動を開始しました。



リク君,イツキ君,レオンさんが異変に気付きました。



「なんだ!?」

「わからない。何か・・・

いる。敵意がむき出しだ。」




レオンさんが叫びました。



「みんな,コテージの裏に隠れるんだ!」



ガガガガガガガガ・・・・・。



無数の銃弾が飛んできました。



「きゃぁぁぁ!!助けてっ!!!」



灰庭「ちょっと,これってどうなっているんですか!?」



灰庭氏は白々しく襲われている演技をしました。



精鋭部隊にも大西(グレイ)が一緒に行動していることは

知らされているので彼には攻撃しないことになっていました。



「闇組織JF!どうなっているんだ!?」

「レオンさんの後をつけてきた奴が,

情報を流してここまでやってきたのか!?」




リク君たちもさすがにあせっています。



「わからないが・・・,これではっきりしたよ。

奴らの暗殺計画で狙っていたのはやはりオイラだった。」


「とにかく逃げようよ!

銃を持った連中に戦うのは無謀だよぉ!」




ガガガガガ・・・ガガガ・・・

ガガガガ・・・・。



バシュッ!!パリンッ!!



銃撃は続きます。





コテージの窓ガラスは

割れ,破片が辺りに飛び散ります。



灰庭「そこのけもの道から山奥へ逃げましょう!」



「とにかく皆の安全が最優先だ!!」



みんなはポケットにしまってあった

懐中電灯を取り出し,全力で走りだしました。



レオンさんは菊の幹部に応援を

呼ぶ暇すら与えられませんでした。



精鋭部隊の銃撃はやむことがありません。



このあたり一帯が組織の土地で,国道に

通じる道を山本が封じていました。



だから一般人が入ってくることも銃撃音を聞く事

もなかったので彼らは堂々と銃を使えたのです。



「はぁはぁはぁ・・・。何がどうなってこう

なるんですかね・・・。まさかだぬたち殺される・・・!?」


「今は走り続けろ!死にたくなかったらな!

奴らは本気だ!とうとう本気で俺たちを殺しに来たんだ!」




けもの道へ入り,茂みをかき分け,どんどん

奥へ進んでいきます。果たして彼らの運命は・・・!?








第346話 レオン暗殺計画発動! 逃亡  

冥界の悪魔シリーズ 第2章




コテージの正面から多数の銃撃を加えた

闇組織JFの精鋭部隊の名前は“雁(がん)”。



隊長の名前は奥田と言いました。



奥田「作戦通り,ターゲットに銃撃を浴びせました。

ただ仕留めるには至りませんでした。」



無線で南雲に状況を説明しました。



南雲「上出来だ。そのまま,予定通りに動け。」



彼らは銃撃を加えながらコテージ

一帯を支配し,けもの道へ入っていきました。



一方,リク君たちは奥へ奥へと逃亡を続けます。





リク君の背中にはしっかりと

二本の捕虫網が背負われていました。



「リク君。万が一の時は,みんなを

頼む。奴らの一番の目的はオイラだ。」


「・・・。大丈夫だよね・・・?」



リク君は一瞬戸惑いました。



「あれ?いつの間にか灰庭さんがいなくなっているよ!?」

「最後方にいたよな,はぐれたか!?

もしかしてすでに奴らに捕まったのか!?」




イツキ君が少し戻ってみると,灰庭さんが背負っていた

リュックだけが置き去りにされていました。



彼はそれを拾い上げるとみんなの所へ戻ってきました。



「今はとにかく逃げるしかない。あの人のことは後回しだ。」

「そうだね。なんとかして

国道まで出よう。そうすれば何とかなるはずだ。」




みんなは藪の中,道なき道を突き進みました。



その頃,山本達は車の中で

作戦の進行を見守っていました。



今村「たった今,大西君(グレイ)から

連絡が入り,彼らの元から離れたようです。」



山本「南雲,聞いているな。」



山本は車に備え付けられた無線機で呼びかけました。



南雲「はい。全て順調です。上から2個小隊で囲みます。周辺は

事前にフェンスで囲んでありますので最早ターゲットは袋のねずみです。」



アヤ「油断しちゃダメよ。あの子たちはアタシの

愛しい愛しい闇の騎士(ダークナイト)を奪ったんだから。」



アヤは諜報参謀としてこの作戦に参加するという

名目ですが,特に任務があるわけではありませんでした。



今村「アヤさん,冷やかしを言うために来たんなら

帰ってもらってもいいんですよ。フォッフォッ・・・。」

アヤ「あら,万が一何かあった時の

ためにいるんじゃない。ねぇ,源田!」



アヤは源田に色目を使いましたが

源田は相手にしませんでした。



アヤ「だからモテないのよ!!」



アヤは不機嫌にそう言ってそっぽを向きました。



源田「今は,静かに作戦の進行を見守るんだ。」



大真面目な顔で彼がそう言うとさらに

アヤはつまらなさそうな顔をしました。



どうやらリク君たちはすでに闇組織JFの

暗殺部隊に囲まれてしまっているようです。



その頃,少年昆虫団は・・・。



「レオンさん,さっきの追手ならオレと

レオンさんが力を合わせれば勝てると思う。」




走りながら,レオンさんに戦闘することを提案しました。



「だめだ。相手は自動小銃まで持っている。リスクが高すぎる。

まさらちゃんたち,他のメンバーに危害が及ぶ可能性が高い。」


「そうだな。まずは命が最優先だ。」



その時,後ろから確実に追手が近づいている気配がしました。



「なんか,近づいてきている気がするよぉ!」



いつの間にか最後方を走っていたトシ君があせり始めました。



ガガガガ・・・!!ババババッ・・・!!



バシュッバシュッバシュッ・・・!!



小銃を撃つ音が聞こえます。



「これってヤバすぎですよっ!!」



だぬちゃんもあせって逃げます。



「!!」



レオンさんが何かに気付きました。



それは・・・。








第347話 レオン暗殺計画発動! 危機  

冥界の悪魔シリーズ 第2章




レオンさんは前方からも恐ろしいほど

の敵意があることに気付きました。



リク君とイツキ君も敵の気配を感じました。



「前からも来るぞ!」



ガガガガガガガガ・・・・・・・



ガガガガガガガガガガガガ・・・・。



パパパパパ・・・・パパパパ・・・・。



ガンッガンッ・・・。

バシュッ!バシュッ!



各人が1分間に500発以上の銃弾を

撃つような状況を必死で逃げ惑います。



恐ろしいほどの数の銃弾が

空を飛び交っていたのです。



銃弾が周囲の木や茂み,

葉に当たり,嫌な音が響きます。



「もういやぁぁ・・・。

死にたくないよぉ・・・!」




まさらちゃんは半泣きでリク君

から離れようとしませんでした。



みんなは一か所に固まって

周囲をうかがっています。



「これって囲まれちゃっているんじゃないですか!?」



だぬちゃんの予想は当たっていました。



彼らの作戦は1部隊が正面から攻撃し,リク君たちを山の中に誘い込み,

残りの2部隊で囲みこんで一斉射撃で暗殺するつもりだったようです。



南雲「見事に作戦にはまってくれてありがとう。おとなしく出てくれば,全員,

楽に殺すことを約束しよう。逃げればあちこち撃たれて余計に苦しいだけだ。」



拡声器を使い,南雲の声が響き渡りました。



「この声は,たしか山犬の南雲・・・!」

「うん。間違いない!」



まさらちゃんはグス,グス鳴きながら震えていました。



「まさらちゃん,大丈夫だよ。絶対に

みんなを死なせはしないから。」




リク君はまさらちゃんの涙をそっとふき,笑顔で語りかけました。



「でも・・・。」

「オレはあいつらを絶対に許さない。

人の命を何とも思っていないような連中を野放しになんて

できない。オレは逃げない。絶対に奴らから逃げない。」




リク君は二本の捕虫網,天照と

月読を取り出してかまえました。





その姿を見てまさらちゃんは少し安心しま

したが,同時にリク君の身を案じました。



「そうですよ,まさらちゃん。だぬたちがこんな所で

死んだらあいつらの悪事を暴ける人がいなくなってしまい

ますよ。絶対にここから生きて帰らないとだめですよ!」




「オイラもこんなところで死ねないよ!

まだまだやりたいこともいっぱいあるしね!それに

こんな修羅場いくつもくぐってきた!今度もなんとかなる!」




トシ君はワク君との冒険を通して成長していました。



いつの間にか昼間に立ち寄った大きな

クヌギの木までやってきていました。



レオンさんは先ほど置いていた

段ボールの中身を取り出しました。



そこには少し大きめの円筒形に近い機械が入っていました。

スイッチを押すと中の装置が回転し始めました。



「なんですか,それは?」

「秘密兵器,通称"マグネル"さ。今からここから

脱出するための作戦を伝える。全員でここから生きて出よう。」




レオンさんはみんなに聞こえるように説明を始めました。



「うん,がんばる!きっとどこかに

灰庭さんもいるはず!あたしがんばる!」




まさらちゃんにも闘志がわいてきました。



この間も前からも後ろからも銃弾が飛んできていて

みんなはほふく前進で進むしかありませんでした。



南雲「どうやら降伏するつもりはなしか!

このままハチの巣になってしまえぇ!!」



自らも小銃を持ち,撃ちまくります。



彼のテンションが上がっている

ことが声の調子からもわかりました。



レオンさんはどんな作戦でここ

から切り抜けるつもりでしょうか。








第348話 レオン暗殺計画発動! 反撃  

冥界の悪魔シリーズ 第2章




冥界の悪魔(キラー)は南雲が指揮する部隊からすぐ

後ろの木の上から暗殺の機会をうかがっていました。



しかし,木の多いこの場所での狙撃は不向きでした。



今回の役目はあくまで南雲のサポートでした。



じっと息を静め,暗殺できるタイミングを狙い続けていました。

すると突然,辺りが煙に覆われ始めました。



冥界の悪魔「!!これはっ・・・!?」



花火で使うはずだった大量のスモークに火を付けたようです。



南雲「なんだこれは!!かまわない,撃ち続けろ!!

この包囲から逃げることなど不可能だ!!」



ガガガガガガ・・・。



しかし,どうも様子が変です。



銃弾がまっすぐ飛んでいかないのです。



南雲「なんだ,どうなっている!?」



隣にいた精鋭部隊の隊長に確認をとりました。



南雲とともに包囲にあたっていた精鋭部隊は以前レオンさんとリク君に

敗れた“梟(第184話参照)”と“雉(きじ)”という名前の部隊でした。



梟はあの時,レオンさんが通報した警察が到着

する前に逃走し,逮捕を免れていたのです。



山根「わかりません!銃弾がまるで何かに

吸いつけられるように飛んでいっています。」



梟の部隊長である山根にも何が

起きているのかわかっていませんでした。



南雲「とにかく撃ち続けろ!!」



しかし,大量のスモークの影響で視界は1mもなく,

すぐ真横を横切られても何も見えないような状況でした。





南雲「くそっ!!」



木の上で待機していた冥界の悪魔(キラー)も一旦,

銃口を下げて周囲の確認を優先することにしました。



実はこの時,イツキ君,まさらちゃん,だぬちゃん,

トシ君の四人は彼らの横を走り抜け包囲網を突破しました。



「よし,うまくいった!このまま

突き抜けて国道に出るぞ!!」


「リク君とレオンさん,大丈夫かな・・・。」



まさらちゃんが後ろを振り向きました。



「心配するな。あの二人は絶対に大丈夫だ。」



イツキ君は昆虫団の他のメンバーを

無事に逃がすための先導役を任されました。



本当は一緒に残って戦いたかったのですが,

レオンさんに説得されこの役を買って出ました。



トシ君も恵まれた体格と冒険記で培ったここ一番での

度胸を買われ,殿(しんがり)を任されました。



イツキ君,まさらちゃん,だぬちゃん,

トシ君の順番で森を横切っていきました。



南雲「まさか,逃げだしているのか!?"雉",

聞こえるか。お前たちは逃げた連中を追え!!」



しかし,反応はありませんでした。



南雲「おいっ!応答しろっ!!」



すると無線機から反応がありました。



ガガ・・ガガ・・。



「残念だがあんたらの作戦は失敗だ・・・!」



南雲「誰だ貴様は!!」



彼にとって見知らぬ声が聞こえてきました。



「あんた達が狙っているターゲットですよ・・・!」



南雲「小早川・・・!?ふざけやがって!!」



どうやら雉の1個小隊はレオンさんによって壊滅させられたようです。



南雲「前方から進攻中の"雁"!すぐに周辺を囲みなおせ!」



しかし,こちらも反応がありません。



少し薄れたスモークの向こうから人の体が

無造作に浮いているのがかすかに見えました。



それも複数の数が・・・。



−大地二刀流 瞬撃の舞(ワルツ)−



「オオオオオオ・・・・ッ!!!!」



ドドドドドドドドドドドッ!!!!!!!



リク君の猛攻により銃の使えなくなった

精鋭部隊は壊滅させられていきました。