第349話 レオン暗殺計画発動! 激突  

冥界の悪魔シリーズ 第2章




−大地二刀流 薔薇十字(ローゼンクロイツ)− 



奥田「ぐはっ・・・。」



血を噴き出しながら“雁”の隊長は倒れました。



「こっちは片付いたよ。」



リク君がイヤコムでレオンさんに連絡を取りました。



このイヤコムのやりとりを離れた場所で

待機していたJFの幹部たちが盗聴していました。



諜報に精通している藪蛇の

アヤが機械を操作していました。



アヤ「にわかには信じられなかったけど,こうして会話の内容を

聞いているとホントにすごい子供ね。今村が一目置くのもわかるわ。」

今村「なんのことやら?」




今村氏はとぼけて見せました。



山本「おい,じゃれ合っている場合じゃねぇぞ!」



山本は状況が不利になっている

ことを知り,不機嫌になっていました。



源田「・・・。」



源田は何も発せず状況を見守っていました。



山中でリク君たちはついに南雲と

10mほどの距離で対峙しました。



すでにスモークはほぼ消えて

なくなっていました。







南雲「これはどういった手品だ!?なぜ

銃弾があさっての方向へ飛んでいく!?」



リク君の横にいたレオンさんが木陰から出てきました。



「さあて。なぜでしょう。」

「あの機械,ホントにすごいね。」



リク君は先ほど例の段ボールに

入っていた機械の機能を知りました。



あの機械は小型だが強力な磁界発生

装置(マグネル)だったのです。



その磁力を地面から空の方向へ向けて

いるので,マグネルからごく近い場所で



金属を使おうとすると空へ吸い込まれる

ような現象が起きてしまうのです。



南雲は持っていた拳銃を取り出しましたが,上へ吸い

込まれるような力を受け,うまく狙いを定められません。



発砲したとしても銃弾は対象に命中することなく

弧を描くように上空へ吸い込まれてしまいます。



もちろん,空から降ってくる銃弾には気をつける必要がありますが,

この機械のおかげで銃撃に関する脅威はほぼなくなったといっていいでしょう。



南雲「おい,キラー!近くにいるだろう!

お前の腕でも狙えないのか!?」



「キラー!?やはり冥界の悪魔(キラー)もここにいるのか!?」



レオンさんに少し焦りが見られました。



「リク君,南雲だけならオイラがなんとかしようと

思っていたんだが,冥界の悪魔(キラー)までいるとなるとやっかいだ・・・。」


「大丈夫。僕が南雲を相手にするよ。

必ず倒して身柄を拘束する。殺人未遂,銃刀法違反,凶器準備

集合罪で現行犯逮捕できる。現行犯なら一般人にもできるからさ。」




リク君は身を乗り出し,相手に飛び込む準備をしました。



「さすが,頼りになる。どのみちキラーの

狙いはオイラだろうからね。オイラはキラーを倒す。」




レオンさんとリク君はもう一度,集合場所を

確認して二手に分かれました。



先に飛び出していったのはレオンさんでした。



「冥界の悪魔(キラー)!近くにいるんだろう!

オイラはここだ!殺せるものなら殺してみろ!」




レオンさんが叫びました。



冥界の悪魔「!!」



冥界の悪魔はライフル銃を構えました。



レオンさんらしき人影が見えたのですかさず狙撃します。



しかし,マグネルの効果により

狙撃は効果を発揮しませんでした。



レオンさんはマグネルが有効な範囲で

冥界の悪魔(キラー)を倒そうとするつもりでした。








第350話 リクVS南雲 前編  

冥界の悪魔シリーズ 第2章




リク君はレオンさんがその場から離れた

直後,猛烈な速さで南雲に近づきました。







山根「あいつは,この前のガキ!」



梟の隊長は暗視ゴーグルを使って

リク君の動きを確認しました。



月明かりのおかげでリク君にも

敵の居場所がはっきりと見えました。



山根「殺せ!排除せよ!」



小銃は役に立たなかったので,肉弾戦に切り替えたようです。



「お前たちの相手をしている暇はない!!」



二本の捕虫網を持ったリク君は左手を前に出し,右手を斜め後ろにして構えました。



−大地二刀流 乱激の嵐(ランディングストーム)−



山根「うごっ!?」



リク君の両手から繰り出される高速の攻撃は,

嵐の衝撃を放ち,精鋭部隊の体を吹き飛ばしました。



あっという間に精鋭部隊の5人は地にひれ伏せました。



南雲「なんてガキ・・・だ。」



リク君と南雲が5mほどの距離で対峙しました。



スモークはもうなくなっていましたが,

マグネルの効果が及ぶ範囲内にいました。



「たしか山犬の南雲だったね。」



南雲「ほう。俺も有名になったもんだ。こんなガキに覚えてもらえるとは。」



リク君と南雲が一触即発の状態となっていました。



「後はお前と冥界の悪魔(キラー)だけだ。ここでお前と

キラーを倒せば闇組織JFも一気に壊滅させられる。」




リク君は構えを解きません。



南雲「なるほど。キラーのことも知っている。俺たちのことも菊の連中から

かなり吹き込まれたようだ。挙句の果てに俺たちを壊滅させるだと!?」



南雲は右手に警棒を持ち,左にメリケンサックをはめました。



警棒程度であればマグネルの効果は軽微でした。



南雲「平成のファーヴル!生意気なガキはお仕置きが必要だ。」



彼は作戦に任務中のため愛用のタバコを吸えずイライラしていました。



次の瞬間,南雲の警棒とリク君の捕虫網が

火花を散らしてぶつかっていました。



「ぐぐぐ・・・。」



お互いにはじかれ,着地するとすぐに次の行動に出ました。



「うおおおお!」



リク君が右手から繰り出した攻撃を南雲の左手が防ぎます。



南雲は警棒を叩きつけますが,リク君は

うまく避けて攻撃をかわします。



南雲「なるほど,素人の動きじゃねぇな。各務原山で

古賀さんを倒したのはまぐれなんかじゃなかったんだな。」



「オレにまぐれはない。あるのは実力だけだ。」



リク君には絶対の自信がありました。



南雲「その自信をへし折って,絶望しながら死んでいけっ!!」



南雲がその巨体を揺らして突進してきました。



「お前程度に折られるようなオレじゃない!」



−大地二刀流 神速の打突 連弾−



二本の捕虫網が高速に伸びて相手の体を貫こうとします。



南雲はすかさず飛び跳ねてかわします。



その巨躯からは予想できないような身軽さでした。



捕虫網が元の長さに戻るとリク君は少し

下がってから地面に捕虫網の柄元を向けます。



手元のボタンを押すと柄元がまるでロケットの

ように噴火し,リク君は上空10mほど飛び上がりました。



南雲「なんだっ!?」



南雲は思わず空を見上げました。

上空にて一瞬で捕虫網を1本に持ち替えました。



―大空一刀流 青の衝撃 (ディープインパクト)―



10m上空からリク君が加速度的な速さで突っ込んできました。



その勢いのまま南雲の体を叩きつけました。



南雲「ぐはっ!!」



南雲は避ける暇もなく直撃しました。



ドサッ・・・。



リク君が振り返ると彼は

地面に倒れふさぎこんでいました。



「勝った・・・か・・・?」



そう思ったのもつかの間でした。



南雲「痛いじゃねぇかよっ・・・!!」



南雲の顔から真っ赤な血が垂れていました。

しかし彼はものともせずに起き上がりました。



「はぁはぁ・・・。思った以上にタフだ。

なんてタフガイなんだ・・・。」




リク君は額の汗をぬぐいました。



南雲「はぁはぁ・・・。ははっ・・・後悔しているか?」



「は?」



リク君は思わず聞き返しました。



南雲「あの日,俺たちに関わらずお友達と虫とりを

して楽しんでいればこんな目に合わずに済んだのによ・・・。」



南雲は再びファイティングポーズをとりました。



「後悔?お前たちに出会えたことを感謝しているくらいだ。」



リク君も姿勢を先ほどよりも低くして構えました。








第351話 リクVS南雲 中編  

冥界の悪魔シリーズ 第2章




南雲「感謝だと?これだからガキは・・・!」



リク君の挑発に乗り,体ごと突っ込んできました。



リク君はすかさずかわし,延髄に天照(あまてらす)をたたき込みます。



南雲「うごっ・・・!?」



「感謝しかないよ。だってお前たちみたいな連中の

存在を知れた。そしてそれを潰す機会を与えてくれた。」




リク君は月読(つくよみ)を突き出します。



南雲「なめやがって!ガキ1匹に

潰される組織じゃねぇぞ!!」



「潰すよ!この国を護るために俺は戦う!!」



リク君は全身全霊の攻撃を放ちました。



南雲はもはや避ける力もなく被弾していきました。



南雲「グホッォォォォォッ!!!」



南雲の服は半分以上破けて体中にあざと

切り傷で血だらけになっていました。



しかし南雲は本当にタフな男でした。



攻撃を何度くらっても立ち上がり, 隙を見て反撃に出ようとしていました。



さすがのリク君も少し焦りを感じ始めていました。



南雲「はぁ・・・はぁ・・・。もらったぁ!!」



一瞬の隙をついて南雲の左拳が

リク君の腹部に直撃しました。







「ぐはっ!!」



リク君は猛烈な痛みでうずくまりました。

しかし,痛みをこらえながら立ち上がりました。



彼の筋力は相当鍛え上げられていたようで拳にも重みがありました。

通常の人間なら内臓破裂を起こしてもおかしくないような威力でした。



「(さすがに幹部だ・・・。一筋縄じゃいかないか・・・。)」



リク君は証言の瞬間,体をひねりわずかにその威力を殺すことに成功

していましたが,大きなダメージを受けたことには変わりはありません。



「(しかしなんてタフさなんだ・・・。

全力で撃ち込んでも倒れない・・・。)」




お互いに間合いを取りながら相手の出方をうかがっていました。



一方,リク君と南雲の激突から少しだけ離れた場所では

レオンさんと冥界の悪魔の戦いが始まっていました。



「キラー,いるんだろう!!

隠れていないで出てこい!」




レオンさんから見て斜め後ろの木が生い茂った

辺りから小型の暗殺用ナイフが数本飛んできました。



1本がレオンさんの肩をかすめましたが,

瞬時にかわして事なきをえました。



「そっちか!」



レオンさんが追いかけます。冥界の悪魔(キラー)は

木から木へと飛び移って距離を保とうとします。



「なんて身軽な奴なんだ・・・。」



どんな顔をしている人物なのか確認したかった

のですがなかなか距離を縮められません。



そしてとうとうマグネルの効果が

及ぶ範囲から出て行ってしまいました。



「くそ・・・。しかし,ここで追撃を止めるわけにはいかない。」



レオンさんはさらに追いかけます。



パシュッパシュ・・・。



「うおっ!!」



レオンさんは茂みの中に身を隠しました。



冥界の悪魔「隠れたって無駄さ。このライフルからは逃げられない。」



レオンさんも警察官なので拳銃は普段所持することが

多いのですが今回はなぜか持ち合わせていませんでした。



そのため,この勝負は最初から分が悪かったのです。



彼は自分に注意を引きつけ,その間にリク君が

南雲を倒してくれることを期待しているようでした。



幹部の山本達はこれらの戦闘の状況を

無線で聞きながら静かに見守っていました。



山本「おい,今村。グレイはどうした?

奴に連絡を取って援護に向かわせろ。」



今村「フォッフォッ・・・。そうですねぇ・・・。

ちょっと状況は不利ですねぇ・・・。」



今村は車を降り,少し離れた場所から

イヤコムで大西(グレイ)を呼び出しました。



リク君と南雲の戦いは一進一退でしたが,

攻撃力に勝るリク君が徐々に押していました。



「はぁはぁ・・・。さすがに強いな・・・。」



南雲「くそっ・・・。こんなガキに押されるなんて・・・。

俺はな,山本さんに鍛えられ,殺しのプロになったんだ。」



南雲は自分のことを唐突に語り出しました。



南雲「殺しの経験がほぼなかった俺は,

山本さんのおかげで本当の殺し屋になれた!」



「・・・。それがどうした・・・?」



リク君が睨みました。



南雲「つまり!!そんな俺がガキを殺し損ね

たなんてことはあってはならないんだよっ!!!!

ホントはな,あの武器を使いたかったが・・・。

まぁいい!!これでぶち殺してやるよ!!」



ついにブチ切れてしまったようです。








第352話 リクVS南雲 後編  

冥界の悪魔シリーズ 第2章




南雲が闇雲に警棒を振り回してリク君を威嚇します。



リク君は後ろに下がりながら攻撃を

避けますが足場が悪く,うまくうごけません。



「茂みが多いし,斜面で動きにくいな・・・。」



リク君は捕虫網を二本にして,攻守一体の態勢をとります。



−大地二刀流 瞬撃の舞(ワルツ)−



ガガガガ・・・。



ガキンッ!ガキンッ!ガキンッ!



捕虫網と警棒が激しくぶつかります。







南雲「くそっ!あの武器さえあれば

こんガキに苦労することもないんだ・・・。」



どうやら南雲には愛用の武器があるようです。



少しリク君が押し始めました。



天照が南雲の右手に当たり,彼は

警棒を落としてしまいました。



それを拾おうと姿勢を崩した瞬間に

リク君の容赦ない攻撃が決まりました。



−大地二刀流 薔薇十字(ローゼンクロイツ)−



南雲「ぐはっ!!」



十字の斬撃が南雲を切り裂きます。



南雲「ぐごおおおおおっ!!!!」



山の斜面をゴロゴロと転がっていきます。



すかさずリク君が追いかけ,身柄を確保しようとします。



「どこだ!?」



月夜に照らされているとはいえ,暗闇に

まぎれ南雲の姿を見失いました。



一方,南雲は暗視ゴーグルを用意していたので

リク君の姿は手に取るようにわかりました。



南雲「ここだぁ!」



すぐ後ろから南雲がリク君の首を羽交い絞めにしました。



「ぐっ・・・。しまっ・・・た・・・。」



南雲「所詮はガキ!捕まえればこっちのもんだ!!」



リク君は苦しみながらも天照を南雲の

腹に押し当ててスイッチを押しました。



バリバリバリバリ・・・・!!!!



南雲「おごごごごごごっ・・・・・!!」



南雲はもだえ苦しみ,その手を離してしまいました。



南雲「がはっ・・・。痺れる・・・。」



どうやら強力な電流を流しこんだようです。



「天照にはスタンガン機能もあるんでね。」



リク君はやっとの思いで呼吸を整えました。



「さすがに強い。何より脅威

なのはその体力とうたれ強さだ・・・。」




南雲「ガキに言われたのは初めて・・・だよ!!」



屈辱のあまり声を荒げてしまいました。



左手にはめたメリケンの拳で

リク君の顔をめがけてパンチを繰り出します。



足場の悪い場所でうまく動けず,

拳はリク君の顔をかすめます。



もう片方の捕虫網“月読”で

相手の攻撃を捌こうとします。



南雲「いいか,俺は今回の作戦の指揮を任された。絶対に失敗は

許されないんだよ!あの人の信頼を失うわけにはいかないんだ!」



さすがの南雲も苦しそうです。

すでに満身創痍でした。



あの人とは山本のことを指しているようです。



「ごちゃごちゃうるさいな・・・。お前は必ずここで倒す!!

そして組織の全貌を吐いてもらうぞ!!」




リク君は二本の捕虫網を十字に構えました。



そしてゆっくりとその腕を広げました。



リク君が走りだし,突進してきた南雲と対峙しました。



勝負を決する時がきたようです。