☆ この物語はフィクションです。 採集場所・登場人物・団体等は架空のもので実在のものとは一切関係がありません。

※ HPリニューアルにより,物語に支障のない形で,一部の内容を改訂しました。

※ 採集には子供だけでは行かず,必ず大人と一緒にいきましょう。



第1話 黒と黒のクラッシュ 〜予兆編〜

―旭(あさひ)森林公園にて―

少年昆虫団はカブクワ採集の下見に来ていました。





だぬ「あついよ・・・。こんな所にカブト虫なんていませんよ。」

リク「きっといるよ。この木をみてごらん。」



まさら「あっ!?樹液が出てる。」

「この木には,夜,カブ・クワが集まる可能性が高いってわけだ。」

「あれ・・・。あんな所に展望台がある!だぬは登ってみたいと思うよ。」



「だぬ君。遊んでないで樹液の出ている木を探そうよ!」

「なんか木の陰に怪しい人がいますよ!」

いつき「聞いてないな・・・。」

「あやや・・!あんな所に,すべり台を発見しました。」



「おいおい。」



少年昆虫団が何かを見つけたようです。





「これは。」

「なっなにこれ。」

「これはノコギリクワガタのあごだね。」

「かわいそう・・・。」

「おそらくカラスにでも食べられたんだろう。」

「でも,クワガタさんの死体があるってことは,

ここにはカブトムシさんやクワガタさんがいるってことだよね。」


「おそらくね。これは夜に行ってみる必要がありそうだね。」

「あ,だぬ君が池にはまってるよ。」

「ほっとけ。」

「おいおい。」

「わ,わざと落ちたんですよ!」

「無駄にプライドだけは高いな。」

「とにかく,今夜,20時に家に集合ね!」



― 時を同じくして和平公園 ―



木の陰で何やら怪しい人たちが会話をしています。



???「この辺りも数が減ってきましたね・・・。」

???「ちょうどいいじゃねぇか。」







第2話 黒と黒のクラッシュ 〜交錯編〜

太陽が照りつけるような暑さの中。

―和平公園―



???「これじゃ,夜に来ても同じですね,山本さん」

山本「だろうな。」

南雲「・・・。」

山本「行くぞ,南雲。」

南雲「どこへですか?」

山本「・・・。尾張旭にある旭森林公園だ。」

南雲「下見もせずですか?」

山本「いや,あそこには,古賀に探りを入れさせてある。」

南雲「いつの間に。じゃ,急ぎましょうか。」

山本「ああ・・・。」





そして夜になりました。



「念のため,持ち物の確認をしておこうよ。」

「うん,そうだね。」

「じゃあ,まずはだぬちゃんから。」

「僕はこれです。トラップに使えるとだぬは思うよ。」



「おいおい,オオクワのフィギュア・・・。

う〜ん・・・。まさらちゃんは?」


「私は,これだよ〜。」



「夜は怖いからお気に入りのフクロウさん!」

「いつものことだけど,みんなやる気無いなぁ・・・。

これくらいはみんな持ってきてよな。」


   

   



「ライト(必ず必要)に,ピンセット(クワガタ用),

虫よけに虫さされ薬,そしてカブ・クワを入れる容器。」




道に迷ってしまいましたが,なんとか夜の旭森林公園に到着します。



「やっとついたか・・・。今度は間違いないな。」

「なんか,不気味・・・。きゃっ。蚊!!」

「森の中なんだ。蚊くらいいるよ。」

「樹液が出ていた木は確か・・・。こっちだったかな。」



「待って。誰かいるぞ・・・!」

「あれ,だぬ君がまたいないよ!」

「おいおい,またかよ。」

「しっ!なんかあの大人達怪しいよ。」



リク君たちは謎の大人たちの会話をこっそりと聞いてしまいました。



山本「遅いぞ,古賀。」

古賀「すっすいません・・・。」

南雲「しかし,ここにもいませんね。“漆黒の金剛石(ブラックダイヤモンド)”。」

山本「そう簡単に見つかったら苦労はしねぇさ。

まだ,“ホイールP”の方があるだろ。案内しろ。」

古賀「やはり,あちらにも行きますか。」

山本「当然だ。そのためにお前にこの公園を探らせたんだからな。」



一同「・・・。」



「行ったみたいだね,なんだろう,あの人たち。」

「なんか怖いよ,どうみても危ない大人たちだよ。」

「そうだな。だぬをおとりにつかってここから逃げよう。」

「だぬをおとりに使うなんてヒドイじゃないですか!」

「あれ,だぬ!いつの間に。」

「車を見ていたんですよ。なんか傷がありましたけど・・・。

こすったんですね。昼間,誰かが言ってた・・・。」


「どうでもいいから,こっちにきて。」

「なっ!?これは・・・。」



「カブトムシさんが死んでる。かわいそう・・・。

あの大人たちがやったのかな・・・?」


「その可能性は高いな・・・。」

「なんてヒドイんだ。全滅してる!」

「ただ,寿命で死んだんじゃないですか〜。寿命だとだぬは思うよ。」

「さっきの大人たちを追いかけよう!」



一同「えっ!?」



「あれ?だぬの考えは無視ですか〜。」

「追いかけるチャンスならまだあるよ。」

「どういうこと?」

「つまり・・・。」



こうして少年昆虫団は採集を一時中断し,

謎の大人たちを追いかけることになりました。






第3話 黒と黒のクラッシュ 〜追跡編〜

不気味なカラスの鳴き声とセミの鳴き声が入り混じる旭森林公園。





少年昆虫団は,謎の大人たちを追いかけることになりました。

しかし,彼らの姿はすでにありません。

果たして追いつくことができるのでしょうか。



「つまり・・・。」

「つまり?」

「こんな時間にクヌギの木に来ていたってことは,

あの大人たちの目的もカブ・クワの可能性が高い。」


「しかし,それならなぜ,カブトムシを殺したんだ?」

「おそらく目的のカブトムシじゃなかったから・・・かな。」

「目的のカブトムシって?」

「あの大人たちが言ってたじゃないか。

“漆黒の金剛石”って。」


「なるほど,ダイヤモンドのような高価なカブトムシを探しているってことか。」

「でも,そんなカブトムシって日本にいるのかな?」

「それは,わからないけど・・・。」

「でも,どこに行っちゃったんだろ?手掛かりが何もないよ。」

「う〜ん。」

「そういえば,あの大人たち,

次に向かう場所は“ホイールP”って言ってたな。」


「Pってのは・・・。」

「パーキング(駐車場)の略・・・かもな。」

「なるほど!いつき君,頭いい。だぬ君とは大違いだね。」

「おいおい。」

「でも,確かこの公園って駐車場が2つあったと思うけど・・・。

どっちなんだろ?」


「両方とも見に行っていたら時間が足りないだろうし・・・。

“ホイールP”・・・。“ホイール”がどちらかの駐車場を示しているのか・・・?」




「駐車場と言ったら車!車なら,だぬが得意ですよ!」

「静かにしてくれ。考えに集中できない。」

「ヒドイじゃないですか〜。ちゃんと聞いて下さいよ。

さっき道に変な車があったんですよ。

ホイールがこすれていました。」


「なに!?」

「多分,第一駐車場でこすったんだと思いますよ。

あそこには,縁側が結構ありますから。

それに昼間,誰かがあそこでこすっているのを

見たって言ってましたから。」


「それだ!」

「えっ!?」

「おそらく,昼間に下見に来た時に,こすったんだ。

それを知ったさっきの大人たちのリーダーみたいな奴が

皮肉ってつけた場所が“ホイールP”ってことだ。」


「それが第一駐車場ってわけか。

なんでそんな大事なことをもっと早く言わないんだ。」


「いや,さっき言おうとしましたよ・・・!」

「とにかく行ってみよう!」





謎の大人たちは,第一駐車場にいるのでしょうか。

また,“漆黒の金剛石”とは本当にカブトムシのこと何でしょうか。

全ての謎を少年昆虫団が解き明かそうとしています。






第4話 黒と黒のクラッシュ 〜究明編〜

全てが吸い込まれそうな深い闇。旭森林公園,第一駐車場。



「ここだな。」

「うん,でもなんかこわいよぉ・・・。」

「いない・・・な。」

「もう帰ったんじゃないですか?早く僕たちも帰りましょうよ〜。」

「嫌だ!あいつらは何か悪いことをしているんだ!

それを暴いて見せるんだ」


「確証もなしにか・・・?きっとシラを切るぜ。

子供の言った事に対してなんて。」


「でも,でもっ・・・!」



その頃,第一駐車場から少し奥に行ったところでは,

謎の大人たちがクヌギの木の前にいました。





南雲「やはり,ここにもいませんね・・・。」

古賀「ですね。樹液の出ている木は,

昼間の調査で何本か見つけたんですが・・・。」

山本「古賀,樹液が出ている木はこれで最後か?」

古賀「そのはずです。」

南雲「山本さん,どうしますか?」

山本「切り上げだ。」





古賀「ん,誰かきます。」

南雲「どうやら,ガキのようですね,1・・2・・4人ってとこですか。」

「見つけたぞ。」

南雲「なんだ,このガキ共は・・・。」

「おい,これを見てみろ。」



「樹液の出ている木だ〜。」

「やっぱり,あんた達もカブトムシを捕まえに来ていたんだね。」

南雲「どうします,山本さん。」

山本「構うな。行くぞ。」

「あんた達,さっきカブトムシを殺したでしょ!?死体が落ちていたんだ!」

南雲「うるせぇぞ,だからどうした!」

山本「ガキの言うことを相手にするな。」

「リク君,ほら,相手にされませんよ〜。」

「・・・。」

「リク君〜。」





「じゃあ,“漆黒の金剛石”って何なんだ・・・!

それを探しているんだろ!?」


南雲「こいつら,俺達の会話を聞いてやがったな!」

山本「ガキのくせにしっかりしてやがるな,おい・・・。」

「お前たちは“漆黒の金剛石”を捕まえようとしているんだろ!

きっとそれは,とても高価なカブトムシのことだろ!?

それでお金儲けをしようとしているんだ!」


南雲「フハハハ・・・。ガキは単純でいいっすね。」

「おい,どうなんだ!」

山本「ほっておけ。いちいち相手にするな。」



リク君達の,追究に答えることもなく,

謎の大人たちは闇に消えていきました。



結局,少年昆虫団は旭森林公園で

カブ・クワを採集することはできませんでした。

場所が広いと集まってくる木を探すのも

大変だということが分かったみたいです。



そして―



「あいつらは一体何だったんだろ・・・。」

「怖い人たちだったよねぇ。」

「親にいっても信じてもらえそうにない話だな。」

「それよりも,早くおすしを食べたいですよ。」







リク君達,少年昆虫団は彼らをこう名付けました・・・。



漆黒の追跡者(チェイサー)



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