*物語に変更がない程度に一部の文章の修正,文字の訂正などを行って再掲載しています。



第1話 真夏のサンタクロース1





これは子供たちの間でまことしやかにささやかれているお話



児童「ねぇねぇ,こんな話聞いたことある?」



児童2「何々・・・?」



児童「ある,暑い夏の夜にね,一人の子供が暗い夜道を歩いていたんだって。

すると突然後ろから声をかけられたからその子供は振り向いたの。」





児童2「ごくり・・・。」



児童「するとそこには・・・。」



児童2「ごくり・・・。」



児童「サンタクロースの格好をした人が立っていて・・・。」



児童2「・・・。」



児童「その子供を大きな袋に詰めてどこかへ行っちゃった・・・。」



児童2「ひぃぃ・・・。」



児童「まだ,続きがあって・・・。しばらくしてその子のお家に

プレゼントが届いたんだって。その中身は・・・。」



児童2「ぎゃぁぁ・・・。怖いよ〜。もうやめて〜。」



そんな噂話をだぬちゃんがみんなに聞かせました。



「真夏のサンタクロース怖すぎだよ!」



少年昆虫団は昆虫採集に向けて町のはずれを歩いていました。

時間はすでに夜の10時を過ぎています。



トシ君は根拠のないその話にビビっているようでした。



「情けない!そんな非現実的なものいませんよ!」



だぬちゃんは自分で話しておきながらその存在を信じていないようでした。



「そうよ,サンタクロースってとても夢のあるお話なんだよ!

世界中の子供たちにプレゼントを配ってくれる存在なんだから。

まだ先だけど,早くクリスマス来ないかな〜。」




まさらちゃんはサンタクロースを信じているのでしょうか。



「でもなんでそんな噂がはやっているんだろうな。」

「なんか,実際にうちの学校の子が見たことあるらしいよ〜。」

「やっぱり,やべぇよ!」



リク君とイツキ君も“真夏のサンタクロース”に少し興味があるのでしょうか。



すると,一番後ろを歩いていたトシ君の肩を誰かが触りました。



「ぎゃやぁぁぁぁ。」



振り返るとそこには・・・。



「なっ。なんだ・・・。こいつは!」



サンタクロースの格好をした人物が立っていました。



「リク君,やっつけて!」



???「ちょっ,ちょっと待ってよ・・・!」



それはどこかで聞いたことのある声でした。



「伊藤店長?」



店長「そうだよ〜。」



なんとサンタクロースの格好をした人物は

カブクワショップ“キング”の伊藤店長でした。



「そんな格好してなにやってんだ・・・。」



店長は事情を説明しました。



「店のPRイベントの一環〜!?」



店長「そうだよ,夏にサンタクロースがいたっていいだろう。

この格好でキングの看板を持って歩けば良い

PRになるかなぁと思って,先日から始めたんだよ。」



「それ・・・まりんさんや灰庭さんに相談せずに始めたでしょ・・・。

絶対やめた方がいいよ。ただの変態にしか見えないよ・・・。」




店長「なにぃ!?」



「常識じゃないですか・・・。

サンタクロースはクリスマスに

やってくるから意味があるんですよ。」


「噂の原因はこの人だったか・・・。」



少年昆虫団にお説教をされ,

この日を境に“キング”のサンタはいなくなりましたとさ。



しかし,本物の“真夏のサンタクロース”は本当にどこかにいるのかもしれません・・・。








第2話 真夏のサンタクロース2



今回のお話は真夏に現れる恐怖のサンタクロースのお話です。

前回現れた真夏のサンタはカブクワキングの店長のコスプレでした。



実は本物の真夏のサンタは別にいたのです。

この日は珍しく気温が低く,少し寒い日でした。



台風が来たわけでもないのに,風が強く,公園の木や街路樹が揺れていました。

夕方,公園で遊び終えた児童たちが家に帰ろうとしていました。



公園を出ようとすると,出口に誰かいました。児童たちの親ではありません。

日が沈み始め,黒のシルエットでよく見えませんが,確かに誰かいます。



児童の一人が近づくと,突然そのシルエットが動きます。

持っていた袋に児童を詰め込み,その場から消え去ってしまいました。



一緒にいた友人はパニックになって泣き出しています。



数日後,その児童の家族にプレゼントが届きました。



箱を開けるとそこには・・・。



「・・・という噂話がまた聞かれるようになっていてですね!」



だぬちゃんが四町公園のベンチに座って

真夏のサンタクロースの噂話をしていました。



少年昆虫団はだぬちゃんを囲うようにして話を聞いていました。



時間は夜の10時を過ぎていました。

昆虫採集を終えて,公園で一休みしていたようです。



「それ,この前も聞いたじゃねぇか・・・。

それに,正体はカブクワのキングの店長だろ?

それが尾ひれがついて変な噂になっているだけだって。」




イツキ君がいかにも正論を言います。



「でも,だぬちゃんってこの前,そんな非現実的なものは

いないとかなんとか言ってなかったっけ?」


「そう思っていたんですが・・・。見てしまったんですよ!」



まさらちゃんはだぬちゃんのただならぬ様子に少しびっくりしていました。



「いや〜,オイラは幽霊とか信じていないんだけどね!

もし幽霊が出てもいいように,GEUで怖いビデオを

借りてきて訓練しているんだけどね!

いや,幽霊なんていないんだけどね!」




トシ君はもはや何を言っているのか

意味不明ですが,幽霊が怖いことは確かなようです。



「この前,だぬは見てしまったんですよ。

本物の真夏のサンタクロースを!

夜一人で道を歩いていた時に!」


「へぇ〜。そうなんだ・・・。」



リク君が相槌を打ちます。



「ええ,左手にナタ,右手に大きな袋を

持っていました。恰好は全身黒色です!」」








かなり詳細に覚えているようです。すぐにだぬちゃんは

その場から逃げだしたそうです。



「実際にそういう人物を見たとしても,それは幽霊じゃなく,変質者だ。

警察に連絡して捕まえてもらうしないだろう。」


「まぁ,そんなところだろうね。さっ,もう,今日は帰ろうよ!」



どうやら今日はお開きになるようです。



全員がいなくなった,公園に誰かが入ってきました。



ゆっくり,ゆっくりと先ほどまで

少年昆虫団が座っていた,ベンチに近づいていきます。



ジェッジェッジェッジェッ

ジェッハッハッハッハッハッ・・・。

(有名なあの音 近づいてくるとき)



そして,持っていたナタでそのベンチを破壊しました。



???「フォッフォッフォッ・・・。」



そこにランニング中の中年男性が近づいてきました。

そして,ナタを持った人物と目が合った瞬間・・・。



チャインチャインチャイン・・・・(有名なあの音 人が殺されるとき)



ブッシュ〜!!







首からまるで光のシャワーのように血が吹き出ました。



一振りで彼の首を切断し,

袋に詰めて去っていきました・・・。



次に現れるのは・・・。



〜〜〜〜〜〜〜<おまけ>〜〜〜〜〜〜〜〜



「どうせ,来年だろ・・・。しかもジェ○ソンの

パロディやりたかっただけだろ・・・。」







第3話 真夏のサンタクロース3


今回は真夏に現れる殺人鬼,真夏のサンタクロースのお話です。

都市伝説だと思われていた真夏のサンタは実在しました。



ついに,犠牲者が出たのです。

それは公園でランニングをしていた男性でした。



首をナタかオノのような刃物ではねられたようです。

周囲は警戒態勢がとられました。



公園では警察官が現場検証をしているので

一般人は中に入ることができませんでした。



少年昆虫団はキープアウトと張られた

テープの外側で様子をうかがっていました。



「なんか殺人事件があったみたいだよ・・・。

お父さんが言っていたんだ・・・。」


「噂では真夏のサンタクロースの犯行だそうですよ。」



とだぬちゃん。



「それは都市伝説だろ。」

「そうそう。そんな奴は実在しないよ。」



二人は真夏のサンタクロースの存在に否定的でした。



「じゃあ,オイラ達で犯人を探してみればいいんじゃない?

ホラ,オイラ達って結構そういう事件に巻き込まれたりしてるじゃん?」




トシ君が提案しました。どうやら少年昆虫団は過去にも

殺人事件に巻き込まれたことが何度かあるようですが,

それはまた別の機会にお話しすることになりそうです。



「事件を解決するのはリク君やイツキ君が中心で

トシ君はいつも何もしていないじゃないですか。」




いつもの突っ込みが入りました。



「まぁ,トシの言うとおり,殺人犯を野放しに

するわけにもいかない。僕たちで犯人を見つけよう。」


「でも,大丈夫かな・・・?相手は凶悪な殺人犯なんだよ・・・。」



まさらちゃんが不安そうに言いました。



「大丈夫だろ。そんな奴は俺がぼこぼこにしてやる。」



と言って指をポキポキと鳴らしました。



「なんか,二人ともしれっと言ってますけど,

発言がどう考えても小学生離れしていますからね!」




少年昆虫団は現場には入れないので,

周辺の公園や人通りの少ない場所で聞き込みを開始しました。



2時間後,有力な情報を得ました。



「この公園でサンタの格好をした怪しい人を見たって目撃情報があった。」



そう言って,普段はあまり遊ばない赤髭公園に向かいました。



「いいか,いきなり襲ってくるかもしれないから気をつけろよ・・・。」



ジェイジェイジェイジェイジェイ…ハッハッハッハッ・・・(例の音)



すでに周辺は暗くなっていてライトなしでは前も見えない状態になっていました。



「なんかいやな予感がするよぉ・・・。」



ジェイジェイジェイジェイジェイ…ハッハッハッハッ・・・(例の音)



突然,草むらから人影が現れました。



「なんかいるっ・・・!」



と叫びました。



髭を生やしてサンタクロースの格好をした

人物がナタで襲いかかってきました。







「やっぱり,真夏のサンタクロースはいたんですよぉぉ!!

早く逃げないと殺されますよ!死にますよ!」


「死なねぇよ!」



ドヤ顔をして捕虫網を背中から抜きました。



真夏のサンタが振り下ろしたナタをイツキ君が

蹴りをサンタの腕に当てて止めました。



ナタが真夏のサンタの手から離れました。

真夏のサンタはヴゥヴゥヴゥ・・・と唸っています。



その隙にリク君が真夏のサンタに攻撃を仕掛けました。



―大地一刀流 神速の打突―



ズシュッ!!!



伸びた捕虫網"アマテラス"が

真夏のサンタの喉元に突き刺さりました。



真夏のサンタはうめき声をあげながら倒れました・・・。



「ふぅ・・・。思ったよりたいしたことないな・・・。」



しかし,倒れたと思っていた場所に真夏のサンタはいませんでした。



「あれ,どこに行ったんだろ・・・。」

「逃げられたか・・・。」



イツキ君は少し悔しそうでした。



「あの,ここは警察に連絡してもう帰りませんか?」

「まぁ,そうだね。そうしよう・・・。」



この後,警察に連絡をして周辺を捜索してもらいましたが,

真夏のサンタを見つけることはできませんでした。



彼はどこへ行ってしまったのでしょうか・・・。



それはまたいずれわかることになるようです・・・。








第4話 真夏のサンタクロース4



愛知県東部の山奥にあるとあるキャンプ場。



ここは冬になるとサンタクロースの休憩地ということで

多くの客が集まるリゾート地でもありました。



さらにスキーを楽しむ客やクリスマスをロマンチックに

過ごせるコテージもあり,とても人気でした。



さらに,夏の間はキャンプ場として開放され,賑わっていました。

そこに男女11人の若者が遊びに来ていました。



ほとんどがカップルでしたが一人の

青年だけはそうではありませんでした。



彼の名前は三田クリス。見た目は地味で頬にはソバカスがあり,

髪の毛もクセ毛で,イケメンとは程遠い存在でした。



性格は気弱でパシリ体質,嫌なことが

あっても堂々と主張できないような青年です。



ただ,敬虔なクリスチャンで人を恨んだり,

悪さをしたりするようなことはしません。



そんな彼は今回のキャンプでも他の友人から

いいようにこき使われています。



青年1「おい,クリス。そこの荷物をテントの中に運んで置け!」

クリス「うん,わかったよ・・・。」



他のメンバーはキャンプファイヤーの準備をしたり,

自然に触れ合ったりと楽しんでいる中で,

クリス青年だけは,荷物を運んだりとした

雑用を押し付けられていました。



女1「なんか,クリスってどんくさい

やつだよねー・・・。なんでつれてきちゃったの?」

青年2「しょうがないだろう。同じサークル

なんだし,荷物持ちとしては役に立つだろう。」



ベンチに座って,二人の男女がクリスを馬鹿にしていました。

クリスは聞こえないふりをして,黙々と荷物を運び続けました。



すると,誰が言い出したのか,クリスにいたずらを

して怖い目にあわせてやろう,となりました。



ちょっと驚かしてやるつもりだったようです。

10人の若者はクリスを湖に連れて行きました。





そして,その湖に置いてあった二人が乗れる

くらいの小さなボートにクリスを乗せました。



クリス「いったい,何をするつもりなんだよ。」



一緒にボートに乗った青年は,

青年3「なんか,明美が湖の真ん中に珍しいものが

見えたっていうからさ,一緒に確認してもらおうと思ってよ。」



と,適当なことを言ってクリスを

なんとかボートに乗せ,漕がせました。



湖の真ん中に来たところで,クリスに湖の中を確認させました。

しかし,ボートの上からでは水が濁っており,良く見えません。



体を乗り出して確認しようとしたところ・・・。

急にボートが揺れ始めました。



残りの4人の若者が下からボートを揺らしていたのです。

彼らは後ろからこっそりと泳いでついてきていたようです。



クリス「わわ・・・。」



クリスのあわてた様子に湖の湖岸から見ていた

女子もケタケタと笑って馬鹿にしています。



その時,クリスはバランスを崩してボートから落ちてしまいました。



クリス「わぁぁ・・・。助けて・・・。僕は泳げないんだよぉ・・・。」



しかし,ボートにいた青年もいたずらを

した青年たちも助けようとはしません。



クリスは湖の底に沈んでいきました。



青年4「おい,そろそろ助けないとやべぇんじゃない?」

青年3「そうだな。お前たち,潜って拾い上げてこいよ。」



湖中にいた青年たちは潜って,クリスを

探しますが,なかなか見つかりません。



青年5「いないぞ!?これってまずいんじゃないの・・・?」



彼らもあせり始めています。



ボートの上にいた青年も一緒に探し始め,1時間ほど捜索を

続けましたが,クリスはとうとう見つかりませんでした。



全員は諦めて湖岸に戻りました。



青年2「これってやばいやつだよな・・・。

警察に言わないといけないんじゃないかな・・・。」



一人の青年がこの状況を危惧していました。



青年1「まぁ,まて・・・。ひょっとしたら自力で逃げ出して

どこかで休んでいるのかもしれない。連絡するのは明日にしよう。」

女2「そだねー・・・。ヘタに通報してアタシらが

やったと思われたら面倒だしー・・・。」



こうして,その日は警察に連絡をすることなく,夜を迎えました。



湖からは全身がびしょぬれの状態の男がゆっくりと這い上がってきました。

その顔はすでに生気がなく,この世のものとは思えませんでした。



彼は昼間に溺れてしまったクリスなのでしょうか・・・。



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