*物語に変更がない程度に一部の文章の修正,文字の訂正などを行って再掲載しています。



第5話 真夏のサンタクロース5







湖から這い上がってきた青年はあの三田クリスでした。



しかし,彼の顔にはすでに生気はなく

この世の者ではありませんでした。



彼は大きく叫びました。



クリス「ぐおおおおおっ!!」



湖の近くにはキャンプファイヤーを行った跡がありました。



そこには薪を作るために使った鉈(なた)が

置きっぱなしになっていました。





彼はそれを拾うと一歩ずつゆっくりと彼らが

眠っているキャンプ場へ向かっていきました。



そして恐れていたことが現実となります。



まずは一番手前に立っていたコテージの入り口を

鉈で壊し,中で寝ていた男女4人を殺害しました。



一人の男性は異変に気付いて逃げようとしましたが,

あえなく首をちょん切られてしまいました。



次に,奥のコテージで寝ていた男女

6人を同じように殺害していきます。



抵抗を試みた男性も手首を切り落とされ,

わめいていたところを刺され死亡。



必死に命乞いをする女性を切り刻んで惨殺。



こうしてクリスと同じサークルだった

連中は全て皆殺しにされてしまいました。



翌日,近くを散歩している人が異変に気付き,

キャンプ場を覗くとあまりの凄惨な

状況に倒れこんでしまいました。



すぐに警察が駆け付け行方不明になった

三田クリスに緊急配備を敷き,捜索を

続けましたがついに見つけることはできませんでした。



この愛知県東部キャンプ場連続殺人事件から30年・・・。



この恐怖の連続殺人が再び幕開けとなる・・・。



舞台は,中野木町。



先ほどの事件を調べてきたのはだぬちゃんでした。



「やはり,ランニング中に殺された男性は

その三田クリスっていうやつが犯人ですよ!」


「しかしなぁ,もう30年も前のことなんだろ。

当時20歳だとしてももう50歳。

そんな猟奇殺人をやるだけの気力があるのかね。」




昨日,殺害された現場近くの公園で

イツキ君とだぬちゃんが会話をしていました。



先ほど,彼らは真夏のサンタと思われる人物に襲われたばかりでした。(第216話参照)

そこで,その正体をあれこれと推理することにしていました。



残りの3人は近くのコンビニで飲み物を買いに行っていました。



「いやいや,彼はもうとっくの昔に死んでいるんですよ。

肉体だけがこの世に残り,いじめられた恨みを

晴らすために無差別殺人を繰り返しているんですよ!」


「だぬ〜,お前はなんかB級ホラー映画の見すぎだよ。

そんなことは現実にはあり得ない話だ。」




飲み物を買いに行っていた3人が戻ってきました。



時刻はすでに夕方の6時過ぎ。



まだまだ明るい季節ですが,現場周辺は

木々が多く,夕日を遮り暗く感じました。



「まだ昨日殺された人の話をしてたの?

確かまだ犯人は捕まっていないらしいね。」


「怖い・・・。」



まさらちゃんは少し震えていました。



「たしかだぬちゃんの推理ではすでに死んだ

はずの人が事件を起こしているんだっけ。」


「その通りですよ。犯人はその三田クリス。

巷では真夏のサンタクロースと呼ばれています。

なぜそう呼ばれているかは不明ですが・・・。」




だぬちゃんがドヤ顔でトシ君をみました。



「そんな奴が本当にいるなら一度,お目に

かかりたいもんだぜ。来たらぶっ飛ばしてやるけどな。」




イツキ君がシャドーボクシングをして見せました。



「イツキ君,それ死亡フラグが

起つセリフですよ!やばいですって!」




彼らの近くにある公園の茂みがガサッと動きました。

忍び寄る影・・・。その正体は・・・。



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