リクの少年昆虫記-最新話-

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 最新話 

第550話 忘れられたスナぴょん団 後編

少年昆虫団とスナぴょん団は採集した

ガの種類を争うことになりました。



イツキ君がまずは

ムクゲコノハというガを見つけました。



同じころ,すなピョン団は・・・。



スナ「よしっ!オビガが捕まえたぞ!」



オジョー「なんか,ちいさくてダサいわね。」



オジョーが虫かごを通して細目で見ていると,



サラリー「こいつは日本固有種で1種しかいないんですよ。」



彼が解説をしてくれました。



オジョー「ふーん,あっそ!

ガはガでしょっ!」



続いて,ジャイ君が大振りに網を使って

空中を飛んでいたガを捕まえました。



ジャイ「ジャジャイ!これは,コスズメ?」

スナ「いや,セスジスズメだな。」



やはり昆虫博士を自称しているだけはありました。



サラリー「腹部に入った縦の線が特徴ですね。」

スナ「ああ。」



かなり順調に採集を進めているようです。







少年昆虫団は・・・。



「いやー,もう全然採集できませんね!」

「君たちがだらだらと歩いているから・・・。」



軽く反論しました。



「だって,疲れるし,ガなんてハッチ―先輩の

次の次くらいに嫌いだし・・・。」



トシ君もごねます。



「あたしもガは・・・イヤ・・・。」



どうもテンションがあがらないようです。



「あきらめるか?」



リク君の肩に手を当てて聞くと,



「そんなわけでしょうっ!!」



彼はさらにやる気を出しました。



こうなったら,一人でも採集を続けるつもりでした。



そして約束の時間が過ぎました。



彼らは公園の広場に集合しました。



タコ「こっちはいっぱいとったどー!」



タコ君が叫びます。



スナ「これを見てみろ!」



虫かごには大量のガが入っていました。



「ぎゃぁぁ!きもちわるいっ!」



オジョー「まさら,あたしも同じ感情だから安心して・・・。」



女子二人で慰(なぐさ)め合っていました。



どうやら全部で10種類もみつけてきたようです。



「こっちは・・・。」

「2種類だな・・・。」



イツキ君が現状を報告しました。



スナ「なははは!今回もこちらの勝ちだな!」



「待った!よく見てよ!」



リク君は持っていた虫かごをスナ君に近づけます。



スナ「こいつは・・・テングナミシャク!?」



リク君がにやりとしました。



サラリー「そんなばかなっ!この個体はもっと暖かい西日本では

発見例があるが,愛知県ではきいたことないですよ!」



「どう!?珍しさでは

こいつに勝るものはないよ。」



リク君がどや顔をし,

スナ君たちの表情が曇っています。



「でもさ,今回はあくまで種類で

対決したんだから,やっぱりこっちの負けでは?」



何気なく正論をぶち込んできました。



「あ・・・。」



スナ「ふははははっ!そうだっ!その通りだっ!」

サラリー「今回も我々の勝ちで確定ですね。」



ころっと立ち直っていました。



こうして彼らの対決は幕を閉じました。



またすぐに,どこかで彼らの対決は

開かれることになるのでしょう。



一度はガに興味をもって

接してみても面白いかもしれません。



☆ 次回の更新は3月15日(土)を予定しています。







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