第579話 研究施設の攻防 覚醒の刻 シリーズ 第2章
南雲「決して油断はするな!」
南雲は通信機器で
前線の部隊に呼びかけます。
施設左側の窓の下に
張り付いているのは,
精鋭部隊の梟でした。
リーダーの山根が3人の部下に
ハンドサインで指示を出します。
指示を受け取った部下の,
“根倉(ねくら)”という
コードネームの人物が,
閃光弾を割れた窓ガラスの隙間から
投げ入れました。
まばゆい光と音が辺りに広がります。
窓は2mほどの高い場所にあったので,
はしごを使って手際よく窓から侵攻を始めました。
施設右側に配置された鶴も,
同等の手段で侵入を試みます。
中央玄関は時間稼ぎのために置かれた
家具や机のおかげで開くことができません。
配置されているのは,
精鋭部隊の中でも
ナンバー2とされている
“鷲”でした。
リーダーの蒲生は,
時限式の爆薬を
入り口にセットしました。
火薬量を調節し,
建物全体には影響が出ない
程度の量の爆弾でした。
鷲のメンバーは,いったん入り口から離れます。
蒲生「よし,点火。」
リーダーの合図で,
部下がスイッチを入れます。
次の瞬間,大きな轟音と共に
入り口の扉が破壊され,
その威力でバリケードも
吹きとんで行きました。

それを窓から侵入しながら
見ていた,梟のメンバーは,
列島「むちゃくちゃしやがる・・・。」
と,不快感をあらわにしていました。
この“列島(れっとう)”という
コードネームの部下も,
梟の一員です。
梟のメンバー全員が,
施設の中に侵入しました。
南雲「よし,順調だな。
速やかに対象を抹殺せよ。」
南雲が指示を送ります。
しかし,次の瞬間・・・。
彼らは一歩も進むことが
できませんでした。
山根「なんだ,これはっ!?」
床には大量の塗料が
ぶちまけられていました。
再寂「接着剤・・・!?」
再寂(さいじゃく)という
コードネームの部下が叫びます。
山根「こんなものに,ひるむ必要はない!進め!」
なんとかその液体がまかれた廊下を進もうとします。
中央入り口から遠い方角に
向かっていました。
全員が,接着剤のエリアを抜けたのですが,
体中が接着剤まみれとなっています。
山根「これは一体
なんなんだ・・・。」
列島「ぎゃぁぁぁ!」
突如,隣にいた列島が叫びだします。
下に目をやると,
おびただしい数のアレが
うごめいています。
山根「なんだこの・・・。」
どうやら接着剤は,液体状にした
構成されていたようです。
再寂「廃墟だから
こんなにいるのかっ!
ゴキ・・・ッ!」
体中をはい回るので,
それを振り払おうとして,
さらに接着剤がお互いの体という体,
さらには装備にまでまとわりつき,
全員が動けなくなってしまいました。
その様子を,少し離れた場所で
見ていた少年がいました。
「よし,作戦成功っ!」
どうやら,リク君の発案だったようです。
2階に上がって立てこもる前に,
窓から敵が侵入してくることを
想定して,準備をしていたようです。
そのような接着剤が保管されていたことを
知っているリク君だからこそ,できた作戦でした。
精鋭部隊“梟”:ゴキと接着剤にまみれて,
早々に戦線離脱
リク君は奥の階段を
駆け上がっていきました。
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