リクの少年昆虫記-最新話-

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第559話 新たなる捕虫網 覚醒の刻 シリーズ 第1章

階段を下りた先に大きな扉がありました。



「この先が,いつも博士が

研究をしていた場所だったはず。」


「ちなみにリク君がその博士って人と出会った時には,

すでにここはこんな感じだったんですよね?」




こんな感じとはさびれた廃墟の

ようなことを指していました。



「うん,そうだったよ。」

「電気とかライフラインは

どうしていたんですか?」




だぬちゃんが聞きました。



「ああ,ここは自家発電機があるみたいだし,

水は地下水が通っているから。」


「なるほど。じゃあ,

今でも電気がつくのかな?」




まさらちゃんは地下室前の

天井にあるLED灯を見ました。



「おそらく,元の電源を

入れれば,復旧するはず。」




「そうだね。」



地下室の扉はセキュリティがかかっており,

開くことはありませんでした。



だぬちゃんが頑張って押したり引いたり,

横に動かそうとしてみたりしますが,びくともしません。



「全然あかないですね・・・。」

「リク君の技で無理やり

こじ開けちゃうのはどうかな?」




まさらちゃんが提案します。



「中の機械まで壊しちゃ悪いし・・・。

それに1本じゃあ,威力も半減だよ。」




リク君が首を横に振ります。



「元の電源入力装置がどこにあるか,

わかればいいんだけど・・・。」




「ふふふ。実はこの扉は

開けられるんだよ。」




みんなは驚きました。



「どういうことですか?」



リク君は持っていた天照の先を

扉の隅ある凹みに差し込みました。



すると,扉が反応して,まるで

自動ドアのように開いたのです。



「ええ?どういう仕組みなんですか,これは!?」

「説明すると長くなるけど,

この“天照”や“月読”自体が

この部屋に入るカギになっているんだ。」




みんなは部屋の中に入っていきました。



「しかし,電気も通って

いないのに,動くとは?」




レオンさんが疑問に思ったことを聞くと,



「あの扉だけは,別電源で屋上の

ソーラーパネルから電気を引いてるんだって。」




という言葉を聞いて納得しました。



部屋の中は大きな円形となっていて,その淵にはたくさんの

コンピュータが並んでいました。







中央には作業場所のようになっており,

様々な工具が無造作に置いてあったり,

ケーブルが飛び出たりしていました。



その作業場所の保管ケースの戸棚の中には,

リク君が持っている捕虫網の柄部分と

そっくりな金属が立てられていました。



「あった!これだっ!」



「おお,よかったですね。」



リク君は戸棚をあけて,取り出しました。



「なんか,あっけなく見つかったね!」



ほこりをかぶっていましたが,

確かにそれはあの“月読”に

かわるアミだったのです。



☆ 次回の更新は7月5日(土)を予定しています。







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