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第567話 真夏のお祭りでカブト釣り!(後編)
少年昆虫団は夏祭りで
カブト釣りに挑戦していました。
公園の中心では盆踊りを楽しんでいる人で賑わっていました。

おっさん「1回300円だよ!」
屋台のおっさんがリク君に声を掛けます。
いよいよリク君のカブト釣りが
見られるようです。
「全部とってやるぜっ!」
カブト釣りは細い紙でできた
こよりの先に細かく切ったバナナを
結びつけたものをカブトに
近づけて釣りあげるルールです。
こよりはすぐに切れてしまうので
慎重に吊り上げる必要があります。
水風船釣りのカブトムシ版と
いった感じのゲームです。
「なんじゃこりゃ!」
狙っていたカブトはすぐに餌に食いつきましたが,
持ち上げるとすぐにこよりが切れてしまいました。
「もっとゆっくりあげないとだめなんだろ。」
イツキ君が横に座って,
自分も挑戦してみました。
カブトのオスはすぐにイツキ君が垂らした
こよりの先のバナナに近づいてきました。
「よしっ。」
ゆっくりと持ち上げますが・・・。
カブトは途中で餌を離してしまいました。
その拍子にエサも下に落ちてしまいました。
「くそっ!」
「どうやらだぬが真の実力を
見せる時が来ましたね。」
自信満々ですが・・・。
やっぱり駄目でした。
「あれ?おかしいですね?」
「あたしもやってみるー!」
まさらちゃんがこよりを青色の大きな円型の
プール容器に垂らしていきます。
薄くひかれたマットの上に役50匹ほどの
カブトムシのオスとメスがうごめいています。
「きゃぁぁぁ!やっぱり無理―!」
ふだん昆虫採集で見慣れているカブクワですが,
さすがにこの数が一斉にエサに近寄って
くるのはきつかったようです。
そこにかき氷を食べ終わった
トシ君が挑戦することになりました。
というか,リク君が無理やり挑戦させました。
「がんばれ!トシ君よっ!」
「なんでだよっ!いやだよ!」
虫嫌いのトシ君は嫌がります。
しかし,リク君はなんとか
トシ君に昆虫釣りをさせたがります。
トシ君はとうとうおっさんに300円を払い,
釣りを始めることになりました。
「なぜこんなことに・・・。」
「もうみんな300円使ってしまったからな。
あとは君しかいなんだよ。」
イツキ君がよくわからない
理屈でトシ君をけしかけます。
「どうせ,みんな釣れないんだしすぐ終わるさ。」
トシ君は恐る恐る
こよりを下に垂らします。
するとカブトムシが次々と
こよりに近づいてきます。
「ひいい!これは無理だぞぉ!!」
なんと,カブトムシはこよりを自ら這い登り,
トシ君の腕を伝って容器の外に出てきました。
「すげぇ!釣れてる釣れてる!」
おっさん「ちょっと待った!一人3匹までだよ!」
おっさんが慌てて止めます。
「おいおい,後出しはだめだろ!」
すでに10匹以上のカブトムシが
トシ君の腕を伝い,外に出ていました。
「うぎゃぁぁぁ!!」
トシ君にとっては恐怖の出来事でしたが,
たくさん釣れたカブトムシは
みんなで山分けしたのでリク君は大満足でした。
「二度とやらねぇ!!!」
この後,まだまだ夏祭りを
楽しんだ一日なりましたとさ。
☆ 次回の更新は9月20日(土)を予定しています。