目次
第161話~第164話
2016/11/27
第161話 疑惑の赤神氏!?
少年昆虫団は二宮神社にやって来ました。
時間は夜の8時を過ぎていました。
この神社はあの赤神氏が管理している神社です。
神社に入ると赤神氏がいました。
「あ,赤神さんがいますね。」
だぬちゃんたちが声をかけようとしました。
近づくと,彼は神社内にある公衆電話で
誰かと話をしているようでした。
その表情はすごく真剣な顔つきでした。
赤神氏は少年昆虫団の姿に気づくと
電話を切り,こちらにやってきました。
赤神「やぁ,こんばんは。」
赤神氏は先ほどの怖い表情を消し,笑顔を見せました。
「ねぇ,今,誰と電話したの?
それって確か公衆電話だよね。」
「そうだな。それって今の世の中
ではほぼ絶滅している珍しい電話だな。」
イツキ君が相槌を打ちました。
赤神「ああ,なんか間違い電話みたいだよ。
たまにかかってくるんだ。」
赤神氏は髪の毛をぼりぼりとかきながら説明しました。
「ふ~ん。」
リク君は納得していない様子でしたが,
それ以上は何も聞きませんでした。
赤神「君たちは昆虫採集だよね?」
「うん,そうだよ。飽きずに毎日,毎日!」
赤神氏はみんなを奥にある木に案内していきました。
赤神「この前とは別の穴場スポットだぞ~!」
赤神氏は大きなクヌギの木の前で意気揚々と説明を始めました。
「でも,この前も結局いなくて,木に登って
無理やり見つけていたような・・・。」
「そういえばそうだったな。ん?なんか最初に
あった時はもっと暑苦しい奴だと思っていたけど,
今日はやけにおとなしいな?」
赤神氏は再び髪の毛をぼりぼりと
かきながら,苦笑いをしています。
赤神「そ,そうだっけ・・・?」
「ひょっとして,さっきの電話・・・何か大事なことを
連絡していて,その内容が気がかりで,
熱血神主を演じる余裕がなくなっている・・・とか?」
リク君はドヤ顔で赤神氏をにらみつけました。
まるで今言ったことが真実だろうといわんばかりに・・・。
赤神「あははは!違う!違う!
今日は少し疲れているだけだ!
俺は常に熱血なんだ~!」
「まぁ,いいさ。さっさとカブクワを採集して
帰ろうぜ。俺はこの後,体を鍛えたいんだ。」
どうやらイツキ君はこの後,予定が入っているようです。
「それ以上,強くなってどうするんですか・・・。」
「ふんっ・・・。俺はまだまだだ。いつかきっと
レオンさんを超えるくらい強くなるんだ。」
明確な目標ができてやる気が
みなぎっているイツキ君でした。
赤神「ほう。」
少年昆虫団は小一時間ほど
採集をして,二宮神社を後にしました。
帰り道ではリク君が何かを考えているようでした。
「どうしたの?今日はなんかやたらと
赤神さんにふっかけていたよね?」
「そうですよ,色々聞いていた
じゃないですか?まだ何かあるんですか?」
二人がリク君に聞きます。
「ん?いや,そんなことはないよ!」
彼は笑顔で返しました。
「(本当は公衆電話以外にもう1つ・・・。)」
この赤神氏の気になることとは
一体なんなのでしょうか。
それはいずれ明らかになるのです。
第162話 トシとサーカス団
今日はトシ君が昆虫採集に来ていませんでした。
「彼はどうしたんですか?」
「なんか,ワクと一緒にサーカスを見に行くんだってさ。」
不在の理由はサーカスを見に行くためでした。
こちらはトシ君とワク君が来ているサーカスの会場です。
大きなテントの中には、沢山のお客さんが集まっていました。
サーカス団はゴールドサーカス団という名前で,
団長は黄金原という人物でした。
ワク君とトシ君の二人は会場の前の席を取ることが
できたので,間近に見ることができました。
黄金原「皆様、本日はわがゴールドサーカス団の
演技を心行くまでお楽しみください!」
<ゴールドサーカス団 団長 黄金原>
団長は挨拶を終え,一礼をすると,舞台の袖に消えていきました。
「楽しみだなぁ!」
目をキラキラさせながら,
演技が始まるのを待っていました。
「しかし、なんで俺がトシに付き合わなくちゃいけないんだよ・・・。
兄貴たちと一緒に行けばいいだろ・・・。」
「いや~,だって昆虫採集で忙しいって行ってるし,
興味ないみたいだし~。チケットも2枚しか手に入らなかったし。」
トシ君はたまたまサーカス団のチケットを
手に入れて,ワク君を誘ったようです。
ワク君はパンフレットを手にしてこの
サーカス団の概要を読んでいました。
「ふ~ん。元々は九州地方で活躍していたサーカス団なんだな。」
「へぇ~。詳しくはオイラも知らないよ。
そんなにサーカスに興味ないし!」
元も子もないことを言い出しました。
「興味ないのに見に来るなよ・・・。だいたいお前といると
ロクなことにならないからな・・・。」
「それはこっちのセリフだよ・・・!この前だって,ヴォ・・・。」
そんなことを言い合っているうちに,サーカスが始まりました。
アクロバティックな空中ブランコや手汗握る,
綱渡りなどたくさんの驚きと感動がそこにはありました。
「すご~い!!みんな人間離れした技を持っているねぇ!」
トシ君はやたらと感激しています。
ワク君も思ったよりは楽しかったようで、満足していました。
そして全ての演技が終わりました。
あっという間の2時間だったようです。
黄金原「本日はお楽しみいただけたでしょうか。
この夏は名古屋でずっと公演を行っております!
ぜひ,また見に来てください~!」
団長の締めの挨拶とともにサーカスは幕を下ろしました。
二人は満足して会場を後にしました。
たまには、昆虫採集から離れて夜を過ごすこともいいようです。
一方、リク君たちは・・・。
「いや~、昆虫採集は楽しいね!毎日でも飽きない!」
山の中を一人だけノリノリで歩いていました!
こうしてそれぞれの1日が終わりました。
第163話 スナぴょん団とガチガチ!?昆虫採集対決
大牧山のふもとで10人ほどの少年が対峙しています。
どうやらこれから少年昆虫団とスナぴょん団でどちらが
多くのカブクワを採集できるか,昆虫採集対決を行うようです。
スナ「いいか,ルールをもう一度確認しておく。」
「いや,いいよ。理解しているから。」
リク君は無下に断ります。
スナ「そういうな!説明させろ!
ルールは簡単,カブトはオスは3点,メスは1点,
クワガタはオス,メスに関係なく,
ヒラタ,オオクワ,ミヤマが3点で後は全て2点だ。
チーム全員の合計が多い方が勝ちだ!」
スナ君が自信満々に説明します。
「簡単なら何回も説明しなくてもいいだろ・・・。」
サラ「制限時間は,今から1時間です。それでは始めましょうか。」
メンバーのサラ君がさらっと説明を補足します。
そして昆虫採集対決が始まりました。
「さてと・・・。」
リク君は何かを考え込みました。
「どうしましょう。スナぴょん団のみんなは
山の中に入って行ってしまいましたよ。」
だぬちゃんは大牧山の入り口を指さしました。
「もう,面倒くさいからキングに
行って,買ってくればいいんじゃね?」
イツキ君が禁断の案を提示しました。
「ああ,それがいいかも。」
以外にリク君も乗り気です。
「ちょっと,それじゃあプライドが許しませんよ。」
だぬちゃんがプライドを語ります。
「オイラはどっちでもいいや。」
そんなやり取りをしている間に時間だけが
過ぎていくので,とりあえず山に入りました。
「なんだかんだで,採集できますね。」
しばらく山の中を歩きながら,樹液の出ている木を確認するだけで,
カブトやクワガタを何匹も見つけることができました。
そして1時間が経過して最初場所に集まりました。
リク君たちは全部でカブトオス5匹,メス3匹,
コクワオス1匹,ノコギリオス1匹で合計22点でした。
スナ「ふふふ,俺たちの勝ちだな!おれたちはなんとオオクワに
ミヤマにヒラタを見つけている!
その他にカブトも多数!合計は40点は獲得したな!」
なんとスナぴょん団の圧勝でした。
「ん?何か落ちたぞ?」
スナ君のポケットから何か落ちました。
それをリク君が拾い上げました。
「え~,何々・・・。これはカブクワキングのレシートだね。」
スナ「げっ!?」
スナ君がそれを奪い返そうとしますが,うまくいきませんでした。
「え~,じゃあさっきのカブクワはキングで
買ってきたってこと!?インチキじゃん!
それじゃ,インチキおじさんだよ!」
みんなはまくしたてるように非難します。
スナ「仕方ない,今日のところは許してやろう!
今度は正々堂々と戦えよ!」
「いや,お前が言うなよ・・・。」
急ぎ早に彼らは去っていきました・・・。
第164話 真夏のサンタクロース2
今回のお話は真夏に現れる恐怖のサンタクロースのお話です。
前回現れた真夏のサンタはカブクワキングの店長のコスプレでした。
実は本物の真夏のサンタは別にいたのです。
この日は珍しく気温が低く,少し寒い日でした。
台風が来たわけでもないのに,風が強く,公園の木や街路樹が揺れていました。
夕方,公園で遊び終えた児童たちが家に帰ろうとしていました。
公園を出ようとすると,出口に誰かいました。児童たちの親ではありません。
日が沈み始め,黒のシルエットでよく見えませんが,確かに誰かいます。
児童の一人が近づくと,突然そのシルエットが動きます。
持っていた袋に児童を詰め込み,その場から消え去ってしまいました。
一緒にいた友人はパニックになって泣き出しています。
数日後,その児童の家族にプレゼントが届きました。
箱を開けるとそこには・・・。
「・・・という噂話がまた聞かれるようになっていてですね!」
だぬちゃんが四町公園のベンチに座って
真夏のサンタクロースの噂話をしていました。
少年昆虫団はだぬちゃんを囲うようにして話を聞いていました。
時間は夜の10時を過ぎていました。
昆虫採集を終えて,公園で一休みしていたようです。
「それ,この前も聞いたじゃねぇか・・・。
それに,正体はカブクワのキングの店長だろ?
それが尾ひれがついて変な噂になっているだけだって。」
イツキ君がいかにも正論を言います。
「でも,だぬちゃんってこの前,そんな非現実的なものは
いないとかなんとか言ってなかったっけ?」
「そう思っていたんですが・・・。見てしまったんですよ!」
まさらちゃんはだぬちゃんのただならぬ様子に少しびっくりしていました。
「いや~,オイラは幽霊とか信じていないんだけどね!
もし幽霊が出てもいいように,GEUで怖いビデオを
借りてきて訓練しているんだけどね!
いや,幽霊なんていないんだけどね!」
トシ君はもはや何を言っているのか
意味不明ですが,幽霊が怖いことは確かなようです。
「この前,だぬは見てしまったんですよ。
本物の真夏のサンタクロースを!
夜一人で道を歩いていた時に!」
「へぇ~。そうなんだ・・・。」
リク君が相槌を打ちます。
「ええ,左手にナタ,右手に大きな袋を
持っていました。恰好は全身黒色です!」」
かなり詳細に覚えているようです。すぐにだぬちゃんは
その場から逃げだしたそうです。
「実際にそういう人物を見たとしても,それは幽霊じゃなく,変質者だ。
警察に連絡して捕まえてもらうしないだろう。」
「まぁ,そんなところだろうね。さっ,もう,今日は帰ろうよ!」
どうやら今日はお開きになるようです。
全員がいなくなった,公園に誰かが入ってきました。
ゆっくり,ゆっくりと先ほどまで
少年昆虫団が座っていた,ベンチに近づいていきます。
ジェッジェッジェッジェッ
ジェッハッハッハッハッハッ・・・。
(有名なあの音 近づいてくるとき)
そして,持っていたナタでそのベンチを破壊しました。
???「フォッフォッフォッ・・・。」
そこにランニング中の中年男性が近づいてきました。
そして,ナタを持った人物と目が合った瞬間・・・。
チャインチャインチャイン・・・・(有名なあの音 人が殺されるとき)
ブッシュ~!!
首からまるで光のシャワーのように血が吹き出ました。
一振りで彼の首を切断し,
袋に詰めて去っていきました・・・。
次に現れるのは・・・。
~~~~~~~<おまけ>~~~~~~~~
「どうせ,来年だろ・・・。しかもジェ○ソンの
パロディやりたかっただけだろ・・・。」
第165話~第168話
第169話~第172話
2017/2/4
第169話 ヴォイニッチワールド5
ワクのわくわく冒険記シリーズ
s氏とワク君,トシ君は図書館の一室にある机を囲んで話をしていました。
s「ここは君たちとはまったく別の住人たちの世界なんだ。」
「でも,見た目はあまりオイラたちとかわらないよね?」
トシ君がs氏にそう言いました。
s「それは,そう見えるように我々がしているからだ。
私たちは君たちの世界でいう,植物が進化した
存在だと思ってもらえればいい。」
s氏は見た目はワク君たちが住む世界の人間と変わりがありませんでした。
しかし,ワク君はs氏がどこか
植物的な要素もある,と感じていました。
「最初に訪れた時,街の見た目は元の世界と変わらなかったのに,
どうしてその植物の住人がいなかったんだ?」
ワク君は最初に抱いた疑問をぶつけました。
s「ここが元の世界と同じ町に見えたのは,幻覚のようなものなんだ。
向こうの世界からこちらの世界に来るとき,体に大きな負荷がかかるようでね。
その副作用なものさ。住人はさきほども言ったように,
植物が進化した存在なので,君たちにはわからなかったんだろう。」
s氏は腕を組みながら説明を続けました。
s「飲み物を用意させよう。」
s氏は指をパチンと鳴らすと机から液体の入ったコップが出てきました。
「うおっ!?すげぇ。魔法だ!」
トシ君は思わず声を出してしまいました。
「(俺たちの世界の常識が通用しない世界なんだ・・・。)」
s「毒なんて入っていないから安心していいよ。」
s氏はそう言って,自分の目の前にあるコップの飲み物を飲み干しました。
それを見て,二人も恐る恐るコップに手をやりました。
味は甘くもなく酸っぱくもない,水に近い液体でした。
「それで,俺たちをどうやって返してくれんだ?」
s氏は少し沈黙した後,ゆっくりと口を開きました。
s「しっかりとした手順を踏めば戻れることは証明されている。
そのためにはもう少し時間がかかる。」
二人はs氏がうそを言っているようには思えませんでした。
「仕方ない。時間が来るまで,暇でもつぶすか。」
ワク君は立ち上がり,本棚のほうへ向かいました。
「ここにある本は読んでもいいんだよな?」
s「かまわないが,多分読めないよ。完全に同化しなければ,
話すことはできても読み書きはできない。」
ワク君は少し残念そうな表情をしましたが,ためしに本を手に取ってみました。
「どう?読める?」
「いや・・・。なんて書いてあるかさっぱりだ・・・。」
ワク君は首を横に振りました。ためしにもう何冊か
手に取ってみましたが,結果は同じでした。
しかし,ワク君はどこかでここに書かれた文字を見たことがあると感じました。
「(なんだ,この頭に引っかかる嫌な感じは・・・。)」
「どうしたの?変な文字や絵ばかり描いてあるのを見ていたら頭が痛くなった?」
トシ君はたまたま手に取った本をワク君に見せました。
「ね?なんか変な絵ばかり描いてあるでしょ。」
ワク君の表情が固まりました。
ありえないはずの本がここにあったのです。
その本とは・・・。
第170話 ヴォイニッチワールド6
ワクのわくわく冒険記シリーズ
「どうして・・・こんなものが・・・こんなところに・・・。」
ワク君が驚いた真意とは・・・。
「思い出した・・・。ここの世界の文字はどこかで見たことが
ある文字だとずっと思っていたが・・・。この本がその答えを教えてくれた。」
ワク君はその本をわなわなと震える手で持っていました。
「これが一体なんなの?」
s「・・・。」
s氏はじっとワク君を見つめていました。
「これは・・・。」
ワク君はトシ君に目をやりました。
「ヴォイニッチ手稿だ・・・。」
「なにそれ?」
予想通りの反応でした。
「いいか。この手稿はな,1912年にイタリアで発見されたんだ。
ヴォイニッチと呼ばれる人物が発見したからヴォイニッチ手稿と呼ばれている。
しかし,中世に書かれたということはわかっているんだが,内容は全く不明。
解読不明の文字と絵が並んでいる。まさにこの本だ!」
ワク君は興奮した様子で説明しました。
「あれ?じゃあなんでこっちの世界にこのなんとか手稿があるの?」
トシ君はようやく状況が呑み込めてきたようです。
「だから,ありえないって言っているんだ,このくそ野郎!」
しばらく話を聞いていたs氏が立ち上がって二人のもとに近づいてきました。
s「そうか,これが君たちの世界にも存在するのか。いや,当然といえば当然か。」
「どういうことなんだ?」
ワク君はs氏に説明を求めました。
s「この本を書いた人物は,もともと君たちと同じ世界からきた人間なんだ。
違うのは君たちよりも非常に長い間こちらで生活をした。
するとだんだん,同化と言って,我々の文字の読み書きができるようになる。」
「俺たち以外にもここに来た人がいたのか・・・。
そういえばさっきそんなことも言ってたな。
元の世界に戻れることは証明されているって・・・。」
s氏は説明を続けました。
s「そして,ここで学んだことを本にまとめた。つまりそこに書いてある
内容が君たちの世界では理解できなくて当然なんだ。」
「そうか,どうりでこの手稿は植物が多く描かれているのか・・・。
この世界の真理や仕組みをこちらの文字で表していた・・・。
“ヴォイニッチワールド”とでも呼ぶべき世界・・・。」
ワク君はこの真相にまだ驚愕して震えが止まらないようです。
一方トシ君はおしっこがしたくて震えが止まらないようです。
「やべ,漏れる・・・。」
s氏はトイレの場所を指さすと,トシ君は急いで駆け込みました。
s「この人物はここで様々な書物を出版していった。
そして,元の世界に帰るときに,一冊持ち帰っていった。
それが後世になってそちらの世界で発見されたんだろう。」
トシ君はトイレを済ませ戻ってきました。
「ふ~,すっきり。」
「その人物がここに来たのって何年前なんだ?
あんたも当然生まれてないはずだよな。」
s「難しい質問だな。そもそも君たちと我々とでは時間の概念も軸も違う。」
ワク君は一瞬反応に困りましたが,理解しました。
「つまり,俺たちにとっては何百年の時間でもあんたたちにとっては違うってことか。」
s「まぁそんなところだ。その本を書いた人物が
ここに迷い込んでしばらく生活をしていたが,
我々にとってはつい先ほどのことだという認識だ。」
s氏は時間の概念について非常に難しい話をしてくれました。
はたしてワク君はともかく,トシ君には理解できるのでしょうか。
第171話 ヴォイニッチワールド7
ワクのわくわく冒険記シリーズ
「これを書いた人物のことをもっと詳しく教えてくれよ!
興味があるんだ。一体,この人物はここで何を感じて
何を思ってこんなものを書いたんだ!?」
s「う~む。申し訳ないが私はこの人物の担当
ではなかったので,詳しいことはわからない。」
s氏は首を横に振りました。
「そうか・・・。気になるんだけどな・・・。
まぁ,でもなんか謎が一つ解けた気がするよ。」
ワク君は自分で納得したようです。そして続けて話し続けます。
「確認したいんだが,俺たちはここで数日過ごしているはずだ。
元の世界に帰ると一体,何日たっていることになるんだ?」
ワク君は話を自分たちのことに戻しました。
s「君たちがここに訪れた日以降であれば,どの時間軸に返すことも可能だ。
こちらの世界にはそれができる技術が確立されているからね。」
「じゃあ,いなくなった瞬間にもどれば,
周りの人にはまるで何もなかったかのように思われるのか。」
トシ君もそこは理解できたようです。
「まてよ。どの時間軸でもってことは,遠い未来にも行けるって
ことじゃないのか?そんなことしたらその世界に矛盾が生じてしまうだろう。」
s「その場合は,元いた世界とは非常に似ているが
別世界ということになる。君たちの世界でいう,パラレルワールドだ。」
s氏は指をぱちんとならしました。
そして,今説明したことを図に表示しました。
s「どうだい?イメージとしてはこんな感じだ。」
「なるほど・・・。いなくなった瞬間の時間軸に戻れば元の世界に帰れるが,
少しでも未来に行ってしまうとそれはもう別の世界ってことか・・・。」
s「そうだ。君たちは世界が一つしか存在しないと
考えているようだがそれは違う。本来この次元には無限の
世界が存在する。君たちが住んでいる世界はその中の一つでしかない。」
s氏はそう説明しました。
ワク君はふと新たな疑問がわいてきました。
その疑問をs氏にぶつけてみました。
「なぁ,この世界に来た人間は過去に何人もいるんだよな。
ひょっとして,同じ人間が何度もここへ来たりできるもんなのか?」
s氏は一瞬沈黙した後,口を開きました。
s「君は本当に鋭いな。波長があう人間でもだいたい一度しか来れない。
だいたいは巻き込まれて偶然こちらの世界に迷い込むんだが,
意図的にこちらの世界と向こうの世界を行き来できる人物がたった一人いたな・・・。」
「その人物って・・・。」
s「さぁな。我々は君たちの世界でいう名前というものが存在しないからな。」
「でも,なんて名乗っていたかは覚えているだろ?」
s氏は少し考え込みました。
s「私は立場上,君たちのような迷い込んできた人間を管理し,
無事に返す役割を担っている。膨大なデータの中に残っているかもしれない。」
s氏は再び指を鳴らし,目の前にそのデータを映し出しました。
空気中にバーチャル映像のようになってよくわからない文字が並んでいます。
「なんかこれ,すごいね。全然読めないけど。」
s「ここには向こうの世界から迷い込んできた
すべての住人の記録が残っている。君たちは向こうの
世界ではワクとトシと呼ばれていたようだな。」
二人はびっくりしました。
なぜなら自分たちの名前を
名乗った覚えはなかったからです。
s「どうやらこれだな。わかったぞ。何度もこちらと
向こうを自由に行き来した人物の名前が・・・。」
「・・・。」
s氏はこの後,衝撃的な人物の名前を挙げることになるようです。
第172話 ヴォイニッチワールド8
ワクのわくわく冒険記シリーズ
s「その人物の名前は・・・。」
「名前は・・・?」
s氏は口を開きました。
s「ノストラ・・・ダムスと書かれている。」
「なっなんだって~!!?」
ワク君は某ミステリー調査班の
メンバーのようなリアクションで驚きました。
「あれ,その人って昔話題になった人だよね。
確か予言ができるとかで世紀末に
盛り上がっていたらしいじゃん。」
トシ君でも彼の名前は知っているようでした。
「そういうことか・・・。
彼は予言ができたんじゃない・・・。
未来の世界に自由に行くことができたんだ。
この“ヴォイニッチワールド”を利用して!」
ワク君は納得がいったようでした。
s「ふむ。あの人物は確かに色々な次元の世界に行っては,戻ってきたな。」
「なるほどな・・・。なんか謎がもう一つ解けた気がするよ・・・。
戻ったら彼の書物でも読んでみるかな。」
ワク君は本を元の位置に戻しました。
「じゃあ,元の世界に戻れる準備ができるまでは待つとするか・・・。」
こうして二人はもうしばらくこの世界にとどまりました。
そしていよいよ元の世界に戻る準備が整ったようです。
二人は最初に迷い込んだ場所まで連れてこられました。
しかし,そこは最初に見た風景とは全く違い,
たくさんの植物が生息するジャングルのような場所でした。
「本当にここが最初に来た場所なの?ただの森じゃない!」
s「だから前に説明しただろう。それは体が慣れていないせいで
見てしまう幻覚だと。この景色が本来のものなんだ。
さて,ゆっくりお話をしている場合じゃない。準備はいいかな。」
二人はうなずきました。
「これって元の世界に戻ったら記憶とかなくなるのか?
しゃべったらまずいことも色々とあるだろう?」
s「こちらから強制的に記憶を消すことはない。
何をしゃべろうと我々に不都合はない。
ただ,移動の衝撃で記憶がなくなることがあるかもしれない。」
s氏は指を1回鳴らしました。
s「さぁ,目をつぶるんだ。」
s氏はさらにもう一度指を鳴らしました。
「う・・・。頭が・・・痛い!!!ぐわぁぁぁ・・・!?」
猛烈な痛みに気を失ってしまいました。
気が付くと二人は元の公園にいました。
少し離れた場所では少年昆虫団のみんなが何やらジェスチャーをしています。
どうやら早くボールを持って来いと催促しているようです。
「戻ってきたのか・・・。トシ,記憶・・・あるか・・・?」
「うん・・・。なんとかワールドに行って,帰ってきた・・・。」
二人の記憶は残ったままのようです。
「ちゃんと元の世界なんだろうな・・・。
実は別の次元の世界に飛ばされていた,なんてことはないよな。」
ワク君はサッカーボールを持ってみんなのところへ駈け出して行きました。
そして,明日はみんなで海水浴場へ遊びに行くことにしたそうです。
・・・。
はたして本当にここは元いた世界なんでしょうか・・・。
それとも・・・。
それは誰にもわかりません・・・。
第173話~第176話
2017/3/4
第173話 とある教育現場での会話 中野木小学校職員室の場合
これは夏休み直前のお話です。
中野木小学校の職員室で3人の先生が
夜食のカップラーメンを食べていました。
時間は夜の8時を過ぎています。
稲姫「ズルズルズル・・・。」
安井「やっと明日は終業式ですね。稲姫先生って北海道の旅行へ
行くんじゃなかったでしたっけ?ラーメンなんて食ってていいんすか?」
<2年C組 担任 安井先生>
安井先生は向かいに座っている稲川淳姫こと稲姫先生にどや顔で話しかけました。
稲姫「出発は来週だよ。ただ,明日は準備で休むから終業式はよろしくねぃ!
それよりも今度の出校日には,ちゃんと録画した映像を流しておいてくれよ。」
稲姫先生は箸を安井先生に向けて念を押しました。
安井「(どうせ,怪談話だろ・・・。)」
栗林「大丈夫ですよ。ちゃんと流しますから・・・。」
栗林先生は隣に座っていた安井先生のフォローをしました。
稲姫「今日の学年集会の怪談噺もなかなかよかったろ?
途中でリク君にわけのわからない言いがかりつけられちゃったけど・・・。」
栗林「リク君はああみえて,頭がキレますからね。」
この頃はまだ本物の栗林先生でした。
稲姫「しかし,1学期,長かったなぁ・・・。
俺,この仕事,定年まで続けられるんかね・・・。」
ズルズルズル・・・。
稲姫先生がラーメンをすすりながらぼやきます。
安井「何,弱気になってんすか。」
一番後輩の安井先生がいっちょ前の口をききます。
稲姫「いや~・・・。定年まで勤めることができればプロ教員,
そうじゃなきゃ,ただの博打!バクチだよ。」
安井「それは"バクマン"でしょ・・・。バクチマンガ・・・。」
栗林先生は二人のやり取りを冷めた目で見ていました。
稲姫「いや~,この世界,所詮はバクチ!バクセン!」
稲姫先生は机をバンバンッと叩きました。
安井「それよりも,夏季休業中に2学期に行う学芸会の
看板作っておいてくださいよ。先生が担当なんすから。」
世間では夏休みと呼ばれますが,教員は夏季休業と呼ぶことが多いようです。
そしてこの夏季休業中に2学期の行事の様々な準備を行う必要があるのです。
稲姫「誰か,腕のいい,アシスタントは
いないかなあ・・・。そうだ!よし,中井さんだ。」
安井「何がよし!なんすか・・・。中井さんは田舎に帰っちゃいましたよ・・・。
あ,戻ってきたのか・・・。いやいやどっちでもいいし・・・。」
栗林先生は食べ終わったカップラーメンを捨てに行きました。
安井「さて,これを食べたら2学期の授業の研究でもしようかな。」
稲姫「やる気だけはあるなぁ・・・。」
教員は児童生徒によりわかりやすく楽しい授業を作るために,
日々,授業内容を研究しているのです。
安井「まぁ、でも俺の研究授業なんて,目指しているのは
面白い授業ってだけであんま意味ないんすけどね・・・。」
稲姫先生は真剣な表情をして立ち上がりました。
稲姫「そんなことはない。授業は面白ければいいんだ。
面白ければ認められる。それだけだ。」
安井「面白さ・・・絶対主義・・・!
いや,だからそれ"バクマン"でしょ・・・。」
栗林先生がごみを捨てて戻ってきました。
稲姫「ああ,仕事するのめんどくさくなった・・・。もう遅いし。帰ろうかな。」
稲姫先生も食べ終わったカップラーメンを
ごみ箱に捨て,帰宅する支度をしました。
稲姫「じゃあ,後は若い二人でがんばれ。それから二学期に補充される
先生についてだが・・・。まぁ帰ってきてから話す。」
現在,産休でお休みしている先生がいて,
代わりの先生が来る予定になっているみたいです。
安井先生と栗林先生は二人きりになりました。
安井「じゃあ,俺は算数科室行くから。」
その時,電話が鳴りました。
安井「こんばんは,お世話になってます。中野木小学校の安井です。
ええ,はい・・・。ええ・・ええ・・。
わかりました・・・。はい,ありがとうございました。」
安井先生は電話を切ると深刻な顔つきになりました。
栗林「どうしました?」
安井「"マザー"の配下,"紫式部連合"が
暴れているらしい。至急来てほしいと・・・。」
職員室に緊張が走りました。
栗林「また,"三大悪童"ですか・・・。相手は?」
安井「そこまでは聞かなかったが,
"紫式部連合"となると相手は・・・やっかいだ。」
どうやら"三大悪童"の配下がトラブルを起こしたようです。
安井先生は職員室を栗林先生に任せて現場に向かいました。
その直後,宅配便が来ました。
荷物は栗林先生あてのようです。
栗林「あれ?でもこんなの注文した覚えはありませんけど・・・。」
宅配員「そうでしたか。何かの間違いですね。失礼しました。」
この時,宅配員は栗林先生の机の裏に何かをこっそりと仕掛けました。
それは盗聴器でした。
この宅配員はあの闇組織ジャファの幹部である影の変装だったのです。
影「(ニヤ・・・。後はできるだけ情報を
手に入れる・・・。とにかく時間がないんだ。)」
栗林「なんだったんだろ・・・。まぁいいや。仕事,仕事・・・。」
こうして中野木小学校の夜は過ぎていきました。
第174話 真夏の料理対決 だぬVSリク
今日はイツキ君の家に集まっていました。
どうやら再び,だれが作った料理が
おいしいか決めるようです。
「いや,だからなんで俺の家でやるんだよ・・・。」
イツキ君はベッドに腰掛け不満そうにしています。
今回は,全員ではなく,だぬちゃんと
リク君が料理を披露するようです。
「では,調理場をお借りします。」
だぬちゃんが立ち上がりました。
みんなもイツキ君の家の調理場まで移動しました。
「食材は何を使うの?」
まさらちゃんが聞きました。
「ジビエですよ!鹿肉で行きます!」
だぬちゃんはジビエにはまっているようです。
「ジビエか・・・。難易度が高そうだね。」
「どうせ,某料理漫画の影響だよ。」
リク君も調理の準備をしています。
「リク君は何を作るの?」
「香りの爆弾リゾット風・化けるふりかけごはんだ!」
リク君はドヤ顔で答えました。
「むちゃくちゃだな・・・。」
リク君は卵をかぱ~と割って調理を始めました。
「だめだ、表現力が足りない・・・。」
「香りの爆弾を仕込む!爆発~!」
そいうとリク君が持っていたフライパンが
大きな音を立てて爆発しました。
「完成だ!」
リク君はお皿をみんなの前に出しました。
「えっと・・・。焦げた何かが
あるだけで・・・何もないんですけど・・・。」
「だから言ったろ。香りの爆弾だって。だから爆発したのさ!」
リク君はドヤ顔です。
「なんでこいつ,こんなにドヤ顔なんだよ・・・。」
一方,だぬちゃんも料理が完成したようです。
「お口に合いますように。99種の顔を
見せるシカ肉のチキンレモンソテーです。」
「顔,見せすぎだろ・・・。ってか,
シカ肉がなぜチキンに・・・。」
今日はトシ君もつっこんでいます。
「いただきます~。」
まさらちゃんは料理を口にしました。
「軋轢(あつれき)。喧騒(けんそう)な軋轢。」
まさらちゃんは震えています。
「なんだ、この濁りまくったソースは・・・!」
イツキ君も料理を口にいれました。
「まさに,円卓のだぬ・・・。」
イツキ君が皿を見つめてそう言いました。
「で,結局おいしいの?」
二人は同時に答えました。
「まずいな・・・。」
「まずい・・・。」
料理対決は引き分けに終わりました。
第175話 今度は誰と!?ヴィート対決 前編
夏の暑い日差しが照りつける中,
中野木公園のグランドに対峙している
2つのグループがありました。
一つはリク君率いる,少年昆虫団です。
もう一つはスナ君率いる,
スナぴょん団・・・ではないようです。
このグループは5人組で全員が小学3年生と年上でした。
リーダーは少し声が枯れている茶髪の男の子でした。
それぞれの名前は,リーダーのジョチュー君,以下,
タケ君,センコー君,ツルギ君,メンメン君です。
「いや,ちょっと,これ大丈夫なんですかね!?
色々な所から苦情きませんか・・・。」
だぬちゃんはガクガクと震えています。
ジョチュー「いいか,ヴィート対決で勝った方が
この公園のグラウンドを1日使う権利を手に入れる。」
「ああ,それでいいよ。別にゆずってもいいよ。」
リク君はどうでもよさそうに返事をします。
どうやら公園の場所取りで上級生のグループ,
ラキラキグループともめてしまったようです。
ヴィート対決で白黒をつけることになりました。
仲居「さて,ルールは5対5の勝ち抜き戦でどうだ?先に全滅した方が負けだ。」
「面白そうですね。まさに連合ヴィート戦!!それでやりましょう。」
それぞれ先発順が決まりました。
<少年昆虫団>
一番手:だぬ
二番手:イツキ
三番手: まさら
四番手:トシ
五番手:リク
<ラキラキ>
一番手:ツルギ
二番手:センコー
三番手:タケ
四番手:メンメン
五番手:ジョチュー
ヴィート対決が始まりました。
一番手:だぬ VS 一番手:ツルギ
ツルギ「俺たちの怖さを教えてやるよ。」
ツルギ君は少し体調が悪そうな顔つきをしていますが,
別に体調が悪いわけではないようです。
「では,行きますよ!」
だぬちゃんはまず,“誇り低き虚栄心”を発動。
相手を怯ませようとします。
ツルギ「ぎゃぁぁああああ・・・。」
なんとツルギ君はひるんでしまいました。
「え?あれ?」
勝負は決しました。
勝者だぬちゃんです。
ジョチュー「ツルギが負けるとは,なかなかやるな。」
一番手:だぬ VS 二番手:センコー
センコー「ではいくぞよ!?」
彼はつながったM眉毛に,忍者の格好をし,
さらに如意棒を持った少年でした。
「恰好が突っ込みどころ満載なんですけど・・・。」
はたして勝負の行方は・・・?
第176話 今度は誰と!?ヴィート対決 後編
一番手:だぬ VS 二番手:センコー
今度はセンコー君が先手を奪いました。
センコー「行くぞ!」
―蚊達の羽ばたき(バタフライ・モスキート)―
「うわっ・・・。なんと不快な
音・・・。なんとかしなくては・・・。」
その時,だぬちゃんの心に心底,
身を守りたい気持ちが生まれました。
「はっ!?これは・・・。」
だぬちゃんは身構えました。
―孤高の自尊心(ロンリープライド)―
だぬちゃんの新ヴィートが発動しました。
自尊心を高め,自らの身を守るようです。
センコー君のヴィートをしのいだ後,
「永遠の虚構(ゼロファイター)」を
発動し,香取君を瞬殺しました。
彼の虚構が勝ったのです。
ジョチュー「ばかな!?すでに二人も負けるとは・・・。あの男なかなかやるな。」
「おいおい,これならだぬ,一人で楽勝だな。」
イツキ君はあぐらをかいで観戦していました。
「あ,ダメみたいです。スタミナ切れです・・・。」
だぬちゃんは体力がなくなって
しまったようなので,イツキ君が出ます。
二番手:イツキ VS 三番手:タケ
タケ「タ・ケ・タ・ケ~!!」
タケ君は自分の名前を連呼し,
イツキ君を威嚇しました。
「時間がないんだ,さっさとやろう。」
勝負はイツキ君が一瞬で終わらせました。
タケ「やられるところすらカットォォォ・・・。」
二番手:イツキ VS 四番手:メンメン
メンメン「よし,本当にあった怖い話をしてあげよう!」
唐突にわけのわからないことを言い出しました。
「いや,稲姫の奴からしょっちゅう
聞いているから別にいい・・・。」
メンメン「これでもくらいなさい!」
―本・怖(リアル・ホラー)―
メンメンのヴィートに
イツキ君は「南極人間(ニンゲン)」で返します。
メンメン「ぎゃぁぁぁぁ・・・。」
同じ,系統のヴィートなら強力な技を持っている方が勝ちます。
イツキ君の圧勝でした。
「さて,あとはお前だけだな。」
ジョチュー「しっ仕方ない・・・。今日は
この辺で勘弁しておいてやる。」
ジョチュー君はその場から逃げようとしました。
「まさら,俺の代わりに戦っていいぞ。」
「ホント!?今回出番なしかと思った!」
三番手:まさら VS 五番手:ジョチュー
まさらちゃんはジョチュー君に向けてヴィートを仕掛けようとします。
ジョチュー「こうなったら・・・。これでもくらえ!?」
-錆びた歌声(ダミ・ゴエ)-
ジョチュー「あ~れ~・・・~か~ら~ボ,
クゥタァチィ・・・わ~・・・♪」
「いや~,強烈・・・。」
このピンチにまさらちゃんにも新ヴィートが覚醒しました。
「これで身を守らなくちゃ・・・!」
―世界樹(ユグドラシル)―
世界樹の根と枝と葉が
まさらちゃんを包み込みガードします。
ジョチュー「なんじゃ,ありゃあああ・・・。」
ジョチュー君はビビッてしまい,ダウンしてしまいました。
「やった~!勝った~!」
「お~,すごい,すごい・・・。」
リク君はまばらな拍手をして祝福していました。
今回はだぬちゃんとまさらちゃんに
新ヴィートが覚醒したようです。
そして,リク君たちは公園のグラウンドを使って遊ぶことになりました。