2017/12/25
第209話 バトルヤバイヤロ1限目5
ワクのわくわく冒険記シリーズ
*本作は登場人物が多岐にわたるためイラストは基本的に白黒ラフにします。
また本作はグロテスクなシーンを含みます。ご注意ください。
第3問の問題は株価の予想をするというものでした。
ワク君の出した答えは○でした。果たして正解は・・・。
放送「正解は・・・○だよ!」
「ふぅ・・・。」
ワク君がホッとしたのもつかの間,後ろの方で爆音が聞こえました。
今回は4人が不正解だったようです。残りは14人です。
アヤネ「ワク君はなんで○だと思ったの?」
アヤネちゃんがワク君に聞きました。
「確かあのチャートはダブルボトムっていって,
株価が底値を表した時に出るチャートの形なんだよ。
もちろんその形通り上がるとは限らないから一か八かの
賭けだったけど,なんとか正解だったね。」
どうやらワク君は投資に関する知識も持っているようです。
ここまで残っている人物は,突如この世界に
迷い込んでしまった小学生のワク君とトシ君。
女子高生のアヤネ,女子中学生のあいる,大学生の真木,新聞記者のマスミ。
IT社長の白馬,暴走族リーダーの郷田,そして,その郷田の子分と思われる
目つきの悪い小柄の男と気が弱そうな男。
後は中年の女性が一人と,同じく中年の男性が二人,気が強そうなOLが一人残っていました。
放送「今回はなかなか優秀だよ。」
トシ君は心配そうにあいるちゃんの方を見ました。
あいるちゃんがにこっと愛想笑いをするとトシ君は安心したように笑い返しました。
真木「今度はどんな問題が来るんだ・・・。もうやめてくれよぉぉ・・・。」
全員が次の問題が出される瞬間を待ちました。
放送「それでは第4問だよ。アルバートとバーナードは,シェリルと友達になったばかりです。
シェリルの誕生日を2人は聞きましたが,彼女は10の日にちを候補としてあげました。
・5月15日,5月16日、5月19日
・6月17日,6月18日
・7月14日,7月16日
・8月14日,8月15日,8月17日
それからシェリルは,アルバートに『月』だけを,バーナードに
『日付』だけをそれぞれ教えました。
アルバート『僕はシェリルの誕生日を知らないけれど,バーナードも知らないよ』
バーナード『僕はシェリルの誕生日を知らなかったけれど,今は知っているよ』
アルバート『それなら僕もいつだか知っているよ』
という内容からシェリルの誕生日は7月16日である。(数学オリンピック問題を参考に一部変更)」
第4問目にして超難問が出てきました。
「えっと・・・。誤訳かな・・・?日本語でよろしく!」
ワク君は目をつぶって答えを出そうとしています。
「よし,わかった。答えは○だ。」
アヤネ「本当かい?高校生のあたしでもまったくわからないのに・・・。」
アヤネがワク君の答えを少し疑ってかかりました。
真木「いや,○で正解だと僕も思う。僕は大学では数学に関することを勉強しているんだ。」
真木君も○だと主張しました。
それを聞いていた他の人もどうやら全員が○を選択したようです。
そして答えが発表されました。
第210話 バトルヤバイヤロ1限目6
ワクのわくわく冒険記シリーズ
*本作は登場人物が多岐にわたるためイラストは基本的に白黒ラフにします。
また本作はグロテスクなシーンを含みます。ご注意ください。
第四問目は数学的パズルを使った難問でした。
数学を専攻している大学生の真木が答えは○だと言いました。
ワク君も答えがわかったようで同じく○を選択しました。
放送「答えは・・・○だよ!」
廊下側の中年の男性が爆発しました。
彼は×を選んだようです。
今回の犠牲者は彼のみでした。
周りの人は悲鳴を上げました。
しかし,いちいち他人の死を気にしている場合ではありませんでした。
マスミ「真木君って言ったっけ?あの問題がわかる
なんてすごいね。あれを解けたのは真木君だけだよ。
今,生き残っているのは君のおかげだよ。」
真木「いやいや,たまたまだよ。それに今回はあの少年のおかげだよ。」
マスミはワク君を見ました。
「さすがだね。」
「・・・ったく・・・俺がいなきゃ,お前は今頃死んでるぞ・・・。」
ワク君はキツイ言葉をトシ君に浴びせましたが,
トシ君はそれくらいどうってことないって感じでした。
白馬「まぁ,僕も実は答えはわかっていたんだよ。」
IT社長の白馬さんが会話に入ってきました。
アヤネ「じゃあ,なんで○なのか教えてよ?」
白馬「ははは・・・。それは・・・。ワク君,君に任せよう。」
白馬さんはうまく逃げました。
「まず,アルバートの『僕はシェリルの誕生日を知らないけれど,バーナードも知らないよ』
バーナードの『僕はシェリルの誕生日を知らなかったけれど,今は知っているよ』から5月と6月が除外される。
なぜなら誕生日が18日か19日であれば,バーナードは誕生日を知っていることになるからね。
そしてもしバーナードが14日と教えられていたら,7,8月とあるので答えはわからないはず。
そして,アルバートは『それなら僕もいつだか知っているよ』というので8月15,17日と2つの
選択肢が残っている8月は除外される。残ったのは7月16日というわけだよ。」
「うん。ゴメン。マジで何言っているかわからないから後輩だけど,1発殴っていいかな。」
トシ君には全くわからないようですが,とにかく正解しました。
そして,放送が入りました。
放送「それでは,最後の問題だよ。これをクリアすればこの教室から出ることができるよ!」
郷田「ここまで来たら,何が何でもこんなところから出てやる。
そして,こんなくだらんことを考えたやつをぶっ殺してやるからな。」
<郷田>
大きな郷田の声が聞こえました。
「あの,あんまり刺激しないほうがいいよ。」
ワク君は振り返って郷田に忠告をしました。
郷田「なんだ,このガキは。俺に指図するのか?
ちょっと頭がいいからっていきがっているんじゃねぇぞ。」
郷田は体を乗り出してワク君に近づこうとしました。
放送「時間がないから,問題を出すよ。生徒は全員席に着くように!」
郷田は文句を言いながら横柄な態度で席に着きました。
放送「それでは第5問。『私は○か×どちらを正解にするでしょうか。』」
一瞬教室が静まり返りました。
アヤネ「あの,ちょっと意味がわかんないんだけど・・・。」
アヤネが恐る恐る聞きました。
この問題は一体どういう意味なのでしょうか。
第211話 バトルヤバイヤロ1限目7
ワクのわくわく冒険記シリーズ
*本作は登場人物が多岐にわたるためイラストは基本的に白黒ラフにします。
また本作はグロテスクなシーンを含みます。ご注意ください。
第五問目は『私は○か×どちらを正解にするでしょうか。』という問題でした。
放送「つまり,この後,私が『正解は○』というか,
『正解は×』というか予想するんだよ。それがこの問題だよ。」
真木「なんだそれは!?つまり,○か×か予想するって
ことか?つまり勘で答えるってことか?」
真木氏は少し取り乱した様子で言いました。
「どういうこと?」
トシ君にはまだ意味がわかっていなかったのでワク君が説明しました。
「まずいな・・・。これは完全にヒフティヒフティの問題だ・・・。
正解する確率は50%・・・。どちらに命を賭けるか・・・だ・・・。」
ワク君は考え込みました。
放送「この問題は難問だから,特別に3分間時間をあげるよ。
級友と相談してじっくり考えてね。」
そういわれても誰も何も言えませんでした。
白馬「そうだ。今までの問題を振り返ってみよう。確か今までの答えは・・・。」
あいる「確か,全部○だった気がします・・・。」
女子中学生のあいるちゃんが小さな声で呟きました。
真木「じゃあ,確率的には×になる可能性が高いよ。」
数学が得意な真木氏がそう言いました。
アヤネ「でも,裏をかいて○ってこともあるよね?」
白馬「確かに・・・。」
全員が考え込んでしまいました。まだ誰もボタンを押した人はいません。
「なるほど・・・。今までの問題はこの第5問目のための伏線にすぎなかったんだ。」
教室の全員がワク君に注目しました。
???「どういうことだい?」
少し小太りの髪の毛を後ろに縛った50代くらいの中年女性が質問をしました。
???「自己紹介が遅れたね。あたしは山岡っていう平凡な主婦だよ。
それが何の因果かこんな所へ連れてこられたんだ。買い物の途中にね・・・。」
<山岡>
山岡と名乗る主婦はワク君に再度質問をしました。
山岡「伏線っていうのはどういうことなんだい?」
「この第5問で答えが○なのか×なのかを最大限悩ませることだよ。
第1~4問の答えが全て○なら,次も○だと考える人も出てくるし,
逆に×だと考える人だって出てくる。全く,嫌な問題だよ。」
あいるちゃんは震えていました。
「あいるちゃん,大丈夫だよ。オイラが必ずここから出してあげるから!」
あいるちゃんはうなずくこともなく下を向いて震えたままでした。
放送「さぁ,あと30秒だよ!ぎりぎりだと押し間違えが
あるといけないから早めに決めることをお勧めするよ!」
気の強そうなOL風の女性がボタンを押しました。
???「私は○にしたよ!」敢えて全員にそう宣言しました。
その隣に座っていた中年男性は×を選択しました。
???「お,俺は×にするぞ・・・。」
さぁ,ワク君とトシ君はどちらを選択するのでしょうか。
第212話 バトルヤバイヤロ1限目8
ワクのわくわく冒険記シリーズ
*本作は登場人物が多岐にわたるためイラストは基本的に白黒ラフにします。
また本作はグロテスクなシーンを含みます。ご注意ください。
*本作は登場人物が多岐にわたるためイラストは基本的に白黒ラフにします。
また本作はグロテスクなシーンを含みます。ご注意ください。
○か×のどちらかを選らなくてはいけない。
間違えば・・・死・・・が待っている。
「おい,トシ。」
ワク君がトシ君に話しかけました。
「何?早く決めないと・・・。」
「答えはお前が決めろ。俺はお前の答えに従う。」
ワク君は答えをトシ君に任せました。
「え,何言っているんだよ?そんなのわからないよ・・・。」
「いいから決めろ,このクソ野郎!今すぐだ!早くしろ!全員死ぬぞ!」
ワク君はものすごい形相でトシ君をにらみました。
「え・・・。じゃあ『○』で・・・。」
「よし。お前に賭けた・・・。」
ワク君とトシ君は○を選択しました。
ふと,トシ君はあいるちゃんがまだボタンを押していないことに気付きました。
「あいるちゃん。○だよ。○を選んで!オイラを信じて!」
あいるちゃんは顔上げてトシ君を見つめました。
そしてにこっと笑って時間ぎりぎりでボタンを押しました。
放送「ここまでー!さぁ,答えを言うよ!」
みんなはこの瞬間が一番緊張するようです。
放送「正解は○だよ!×を押した人は残念でしたー!」
「ふー。正解だったか。トシの勘の良さに賭けて正解だった。
お前の勘の良さだけは認めているからな。」
「やったー!正解だ。あいるちゃんやったね!正解だよ!」
トシ君ははしゃいで言いました。
しかしあいるちゃんは震えたまま下を向いています。
あいるちゃんは涙ぐんだまま,
あいる「ごめんね・・・。トシ君・・・。わたし・・・
君のことを信じるきることが・・・できなかった・・・!」
と言いました。
「え・・・?」
あいるちゃんのボタンは×を押していました。
あいる「だって・・・。小学生の・・・根拠もないことを・・・信じることなんてできなったよ・・・。
君のことを見てて信用できるってどうしても思えなかった・・・。」
「くっ・・・。」
次の瞬間,あいるちゃんの首が吹き飛び,床に倒れました。
その血しぶきをトシ君はよけることもせず,ただ茫然と浴び続けていました。
「なっなんでだよぉぉ・・・!!!どうしてー・・・!!!」
トシ君は床に膝まづき,動かなくなったあいるちゃんの体を抱きしめ,大泣きしました。
「オイラのことを信じることができなかった・・・。
オイラが信頼されるような人間じゃなかったのかな・・・。
これなら,代わりにオイラが死ねばよかったんじゃ・・・。」
たまらずワク君は,トシ君の胸ぐらをつかみ,思いっきりほほを殴りました。
「ぐふっ・・・。」
ワク君に殴られ,トシ君は倒れこみました。
白馬さんや正解した人たちが心配そうに二人のやり取りを見ています。
「バカヤロウ!そんなに悔しくて悲しいなら,
お前がすべきことはなんだ!?死ぬことか!?」
とワク君が激こうしました。
「違うだろうが!!今すべきことは,この悲しみを乗り越えて,
お前自身が誰からも信頼される人間になることだろう!!
現実を見ろ!!このクソ野郎!!」
ワク君は必死に悲しみをこらえて,トシ君を奮い立たせようとしていました。
「ああ・・・。そうだね・・・。」
トシ君はゆっくりと起き上がりました。
その時,チャイムが鳴りました。
放送「チャイムが鳴りました。それでは,1限目の"社会"の授業はこれで終わりです。
2限目は移動教室になります。放課中に移動するようにしてくださいね。」
真木「なんだと・・・。これで終わりで解放してくれるんじゃないのか!?」
真木氏がそう叫びました。
放送「学校が1限目で終わって下校することなんてないでしょー?次は3Fの
多目的室で"特活"だよ。寄り道せずに向かうこと。先生からは以上だ。」
放送が終わると,みんなは教室の扉の前まで行きました。
扉に手をとると,先ほどまで開かなかった扉が簡単に開きました。
次はどんな授業が彼らに待っているのでしょうか。
果たしてワク君とトシ君は無事元の世界に戻ることができるのでしょうか。