2018/9/24
第245話 バトルヤバイヤロ2限目3
ワクのわくわく冒険記シリーズ
*本作は登場人物が多岐にわたるためイラストは基本的に白黒ラフにします。
また本作はグロテスクなシーンを含みます。ご注意ください。
放送「プレー中の注意点について説明するよ!
まず,1位と2位が決定した時点でゲーム終了!
3位以下は死んでもらうよ~!残念!」
教室がざわつきました。
ほとんどの人が今の放送を聞き,人の死を軽く
扱うような内容に恐怖を感じていました。
「まじか・・・。また人の死を見るのか・・・。」
トシ君は先ほどの丸丸ちゃんの死が頭から離れないようでした。
放送「それから,対戦中の協力プレイや協力的な言動は禁止。
話すこと自体は禁止しないけど,誰かを助けるための発言や
自分のカードを見せたり,言ったりすることは禁止ってことだ!
逆に言えば,会話で相手を嵌めるのはOKだ!
どんどん暴言やフラグを言って,相手を貶めるんだぞ!」
白馬「無茶苦茶言いやがって・・・!」
白馬氏はこぶしを握り締め,ぶつけ
ようのない怒りをため込んでいました。
放送「場合によっては,早く対戦が終わることも
あるかもしれないが,他の友人を助ける行動も禁止だよ!
不正が発覚すればその時点でドカン!だから気を付けてね。」
「(くそっ・・・。トシの対戦で助言することは不可能ってことか・・・。)」
先ほどまで束になって教卓に置いてあった
トランプがいつの間にか目の前にありました。
そして,自動的にそれぞれの手元に配られていきました。
真木「すごいな・・・。これはどんな仕組みだ・・・。」
ワク君から二つ離れた席にいた大学生の真木氏はその技術に驚いていました。
「(この世界は俺たちがいる世界よりも少し未来なのか・・・?)」
放送「全員にカードが配られたようだね。
カードの整理が終わったら,各自ゲームを始めよう!」
順番はじゃんけんで勝った人から時計回りに進めることになりました。
梶田「ワク君だっけ?さっき色々と難しい説明があったけど大丈夫かな?」
「ご心配なく。1回聞けば大体のことは理解できるんで。」
トシ君には無理なことをサラッと言える
ところがワク君のすごいところでもありました。
ワク君の持ち札は以下のようになりました。
3? (5? 5? 5?) 6? 7? 8? (10? 10?)
K? (1? 1?) 2? ジョーカー(以下jo)全部で14枚
「(う~んjoもあるし,悪くはないな。ただ,3,2が
1枚しかないからうまく立ち回らないと振り回される恐れがあるな・・・。)」
ワク君がいるテーブルは1番手が,スナックママのような木戸という女性,
2番手が人が良さそうな梶田氏,3番手がワク君,最後に秋名氏となりました。
ワク君は始まる前に
「この中の二人は死んじゃうことになるけど・・・。」
と言うと,
梶田「残念だけどそうなるね。一番若い,ワク君をなんとか勝たせて
あげたい気持ちもあるけど,協力はできないことになっているからね・・・。」
梶田氏は残念そうにため息をつきました。
木戸「ごちゃごちゃ言ってないで,始めるよ!」
相変わらずのしゃがれた声でした。
木戸は3?を出しました。(以下 名前:出したカードで表示)
木戸「あんまり,やったことないゲームだけど,
たまにお客さんがやっているのを見たことはあるんだよね。」
梶田「なるほど,それはよいことですね。」
梶田氏:4?
「5は崩さず,縛らずいくか・・・。」
ワク:7?
ワク君は大人顔負けの頭脳で
勝ち残ることができるのでしょうか。
第246話 バトルヤバイヤロ2限目4
ワクのわくわく冒険記シリーズ
*本作は登場人物が多岐にわたるためイラストは基本的に白黒ラフにします。
また本作はグロテスクなシーンを含みます。ご注意ください。
2時間目は特別教室で死のトランプ
ゲームをすることになりました。
ゲームの名前は「大富豪」。
ワク君の残りの手持ちのカードは,
3? (5? 5? 5?)6? 7? 8? (10? 10?) K? (1? 1?) 2? ジョーカー(以下jo)
ワク君は7?を出しました。(以下 名前:出したカードで表示)
秋名:パス
木戸:?8 8切り
木戸「これが8切りだったよね。
悪いけど切らせてもらうよ!」
梶田「どうぞ,どうぞ。」
梶田氏は笑顔でそう言いました。
木戸:(4? 4?)
梶田「ここはパスかな。」
「(・・・。ペアか・・・。ならば・・・。)」
ワク:(10? 10?)
秋名:(Q? Q?)
秋名氏の出したQペアに対して
誰も出さず,流れました。
秋名「よし,革命だ!」
秋名:(K? K? K? jo)革命
「(この秋名って奴,序盤から仕掛けてきたな。
しかも次に自分の番が回ってくるのは一番最後か。
厄介だ。しかし,これでジョーカーを持っているのは俺だけ。
うまく立ち回ればなんとかなる。)」
この革命も誰も返しませんでした。
秋名「さらに攻めるよ~!生き残るのは俺と梶田だ!」
秋名:1?
木戸「何言ってんだよ。生き残るのはアタシだよ!」
木戸:J? バックせず
革命中なのでそのまま数字が小さい方が強いまま進みます。
梶田:パス
「(8?で切って権利(=自分の番)を取りたいところだけど,
この梶田って男が何を考えているのか,わかりにくい・・・。まだ動けない・・・。)」
ワク:パス
秋名:6?
秋名「順調,順調!」
秋名氏は順調にカードを出せているようです。
残りの全員がカードを出さなかった
ので,秋名氏からとなりました。
秋名:(9? 9?)
木戸:(7? 7?)
梶田氏とワク君はパスをしました。
木戸「アタシももすうぐあがれそうだよ!
もういらないカードをどんどん捨てちゃえ!」
木戸:(2? 2?)
梶田:J? J? バック
梶田「ワク君のために説明しておくと,革命中にバックを
コールしたのでこれよりも上のカードじゃないと出せないよ?
革命中だし,今のうちにJ以上のカードを出してもいいんだよ。」
「ご心配なく。ルールは全て理解しているって言ったでしょ。」
ワク君はそっけなく返事をしました。
そして,1のペアは出さずに温存することにしました。
ほかの二人もパスをしたため,
梶田氏から再びカードを出します。
そのカードとは・・・。
第247話 バトルヤバイヤロ2限目5
ワクのわくわく冒険記シリーズ
*本作は登場人物が多岐にわたるためイラストは基本的に白黒ラフにします。
また本作はグロテスクなシーンを含みます。ご注意ください。
ワク君の残りの手持ちのカードは,
3? (5? 5? 5?) 6? 8? K? (1? 1?) 2? ジョーカー(以下jo) 残り11枚
死の「大富豪ゲーム」は続きます・・・。
梶田:8? 9? 10? J? Q? 8切り階段革命返し
木戸「何っ!?」
秋名「え,ちょっ,ちょっと・・・!」
突然の革命返しに戸惑っているようです。
「(やはり,ここで動いてきたか。序盤であまり
カードを出さなかったのはこの階段を崩したくなかったからか。)」
8切り階段なのでさらに梶田氏の番になります。
秋名「おいおい梶田。なんで革命返しなんて
するんだよ!これじゃあ,俺が勝てないだろうが!」
梶田氏の友人である秋名氏が声を荒げていました。
梶田「大丈夫だよ。僕が1番に上がり,
そのあと,君が上がれるように,考えてあるから。」
秋名「ほっ本当だろうな。」
秋名氏は確認をしました。
梶田「ああ,大丈夫だよ。」
「(いや,それは嘘だ。この人は多分,自分があがることしか考えていない。
なぜなら,今まで場に出たカードから推測すると,秋名氏の残った
4枚のカードは低位から中位のカードしか残っていないはずだからだ・・・。)」
ワク君の推測通り,秋名氏は革命を返されることを想定して
いなかったので手札には低位,中位カードしか残っていませんでした。
梶田:9?
「(やはり・・・。8以下のカードを出してこない。
俺に切らせて,革命返しされるのを警戒しているのか・・・?)」
ワク:K?
革命中に上位カードをほぼ出して
しまった二人は何もできませんでした。
梶田:A? 縛り
「(こいつ・・・。何を企んでいる・・・!?)」
梶田「ワク君,どうする?パスかな?」
「(自分がここで2を出せば,この後の,定石は・・・1ペアを捨てて,
5とjoで革命返し,そして,8切り,3?,6?で上がりだ・・・!
こいつ,まさか最初から俺に革命返しをさせる気でいたのか・・・!?)」
ワク:2?
「(まぁいい・・・。とりあえず自分が
しっかりと勝ち切ることが大事だ!)」
最強カードなので場が流れます。
ワク:(1? 1?)
これも全員出せません。
さらにワク君の番です。
ワク君は先ほどの手順通り進めます。
ワク:(5? 5? 5?)jo 革命
秋名「やった!再び革命がきたー!
これで俺が助かる!梶田の言った通りだな!」
ワク:8? 8切り
ワク:3? ジョーカーがすでにないので誰も返せない
ワク:6? 上がり
「(ふーっ・・・。よし,生き残った。)」
木戸「え,マジで!?こんなチビちゃんが1番!?
ちょっと待ってよ。助かるのは二人だけでしょ!?あと一人ってこと!?」
秋名「ああ,そうか・・・。これじゃあ俺と梶田の
二人が助かることはできないってことかよ・・・。」
秋名氏は下を向き悔しそうなしぐさをしました。
梶田「まぁ,そういうことになってしまったね。」
秋名「じゃあ,俺が勝ってしまってもしょうがないよな。
だって,このままいけば,俺の有利は変わらない。」
秋名氏の先ほどの悔しそうな態度はフェイクのようでした。
秋名:4?
秋名「(残りは3?と7?10?だけ!この勝負もらった!)」
残り1名の勝者は・・・。
第248話 バトルヤバイヤロ2限目6
ワクのわくわく冒険記シリーズ
*本作は登場人物が多岐にわたるためイラストは基本的に白黒ラフにします。
また本作はグロテスクなシーンを含みます。ご注意ください。
秋名:4?
秋名「さぁ,お二人さんはパスかなー?」
木戸「アタシはないよ・・・。」
梶田氏が大げさに振りかぶり,
1枚のカードを場に出しました。
梶田:3?
秋名「おいおい。なんだと!?」
まさに神の一手のごとく,勝負を決めるカードでした。
「(やはり,スペ3を持っていたか・・・。いざとなったら,
俺のジョーカーをこいつで無効化するつもりだったな・・・。)」
梶田:8? 8切り
梶田:2? 上がり(革命中なので2あがりOK)
梶田「すまない,僕が勝ってしまったようだ。」
秋名「なんだそりゃ!?俺を裏切るのか!?騙したなー!?」
秋名氏は発狂して立ち上がりました。
梶田「ふふっ。騙すつもりはないよ。ただ,君も先ほど
僕を出し抜いて生き延びようとしたでしょ。」
秋名氏は梶田氏の胸ぐらをつかみました。
その手を梶田氏が振り払い,言い放ちました。
梶田「君は昔から出しゃばりで,うざかったんだよ!
やっと死んでくれて清々するよ!じゃあね!」
その瞬間,天井に取り付けられた装置からレーザーが発射され,
秋名氏と木戸氏の頭が吹き飛び,粉々になって飛び散りました。
秋名「ぐふ・・・。」
ワク君と梶田氏は相当の肉片と返り血を浴びましたが,
顔色一つ変えることなく立ちすくんでいました。
そして,ワク君が梶田氏に話しかけました。
「ねぇ,最初から俺を先に上がらせて,
自分が2位で上がるつもりだったんでしょ?」
梶田「へぇ・・・。僕の予想通り,
君は相当賢いね。僕の目に狂いはなかった。」
梶田氏はにこにこと笑いながら答えました。
「なぜ,俺が勝ち残れると思った?見た目はただの小学生だぞ。
普通,まっさきにカモにしようと考えるだろ。」
梶田「このゲームが始まるとき,ルール説明があったろ?あの時,
君はルールを一度ですべて理解したといっていた。
開始後,しばらく様子を伺っていたが本当に理解していると確信した。
相当,頭が切れるんだろうと思ってね。僕の作戦に利用させてもらったのさ。」
梶田氏は頭部のなくなった秋名氏の死体を足蹴にしながらそう言いました。
「なるほど。俺はまんまとあんたに利用されたってわけか。
だが,次はこういうわけにはいかないぜ。
特に友人だった奴の亡骸を足蹴にするような男にはな。」
ワク君はそう言って,その場を離れました。
先ほど2名の死者が出ましたが,他のテーブルでは
それどころではありませんでした。
何せ,負ければ自分が彼らのようになってしまうわけですから必死です。
ワク君はトシ君が対戦しているテーブルにやってきました。
そしてトシ君のカードを後ろから見てみました。
その時,トシ君が叫びました。
「だぬちゃん,プリーズ!だぬちゃーん来ておくれー!
だぬちゃん相手なら勝てるんだー!イツキはダメだ!オイラをすぐはめるから!」
意味の分からないことを言っていました。
トシ君と対戦していた中年の男性が急に立ち上がりました。
男性「もう,こんなこといやだ!嫌だ~!」
そう言って,扉に向かって走り出しました。
どうやら逃げ出すつもりです。
しかし,抵抗もむなしく,容赦ない
レーザー光線によってその場に倒れました。
さらに,もう一人がパニックのあまり,
出せないはずのカードをその場に出してしまいました。
これが不正行為とみなされ,同じく中年の
男性はペナルティで頭を吹き飛ばされました。
運よく,そのテーブルにいた白馬氏と
トシ君は生き残ることができたようです。