ワクのわくわく冒険記シリーズ

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目次




バトルヤバイヤロ1限目 第1~4話

第1話 バトルヤバイヤロ1限目1 
ワクのわくわく冒険記シリーズ



*本作は登場人物が多岐にわたるためイラストは基本的に白黒ラフにします。




・・・



・・・・



・・・・・



ワク君は激しい頭痛に襲われ意識を失っていました。

どれくらいの時間がたったでしょうか。



だんだんと意識がはっきりとしてきました。



「ああ・・うっ・・・。」



頭を押さえながら,顔上げました。







ワク君はどうやら椅子に座っていたようです。

学校で使っているあのイスです。



目の前には机がありました。

同じく学校で使っているいつもの机でした。







「いったい何がどうなっているんだ・・・。」



彼は周りを見渡しました。なんとワク君は学校の教室の中でした。

しかし,ワク君の通っている学校の教室ではありませんでした。



横を見ると,トシ君が机に頭を伏せて寝ていました。



「おい,起きろ!」



ワク君はトシ君を起こしました。



教室には何人もの人間がいました。

性別も年齢もバラバラのようです。



ある者はじっと椅子に座っています。

また,別のある者は窓からずっと外を眺めていました。



中にはお互いが知り合いなのか楽しそうに

会話をしている人たちもいました。



「う~ん。なんだい,ここは・・・。イテテ・・・。」



トシ君も目を覚ましたようです。



「知るかよ・・・。多分,ヴォイニッチワールド(165話~参照)の影響だろうな・・・。

元の世界に戻るつもりがまた変な世界に飛ばされたってところか・・・。」


「ええ・・・。マジかぁ・・・。」



二人は見知らぬ場所にいてもそこまで焦ってはいない様子でした。



「まぁ,そのうち帰れるだろ・・・。

出口を見つけることができれば・・・ね。」


「なるほど,確かに。」



二人がそんな会話をしていると後ろから声をかけられました。

二人の席は教室の一番前の列にありました。



???「ねぇねぇ,君たちは小学生だよね~?」



「そうですけどあなたは?」



声をかけてきたの,女子高生でした。

隣にはちょっと頭の悪そうな筋肉質の男子高生がいました。

会話を聞いているとどうやら彼氏のようです。



女子高生「じゃあ,この教室では君たちが最年少だね~。」



「あの,一体,ここはどこなんですか?」



男子高生「知るかよ!俺たちは公園でデートしていたんだ。

そしたら急な眠気に襲われて,気づいたらここにいた。ふざけやがって・・・。」



男子高生はイッテツ,女子高生はアヤネと名乗りました。





<アヤネ>



<イッテツ>



「じゃあ,他の人たちも同じような感じでここに集められたんですか?」



???「俺は仕事の帰りに居酒屋に寄ったんだ。」



黒板の前に立っていた中年の男性が声をかけてきました。

???「そしたら,いつの間にか酒がまわって

寝てしまったみたいでね。起きたらここにいた。」



「へぇ・・・。」



???「俺は万案商社の専務,安田だ。よろしく。」



<安田>



「どうも。ワクとこいつがトシです。」



急に見たこともない学校の教室にいた二人。

果たして元の世界に帰ることができるのでしょうか。



第2話 バトルヤバイヤロ1限目2 
ワクのわくわく冒険記シリーズ



*本作は登場人物が多岐にわたるためイラストは基本的に白黒ラフにします。

また本作はグロテスクなシーンを含みます。ご注意ください。




ワク君とトシ君は見たこともない学校の教室にいました。



どうやらヴォイニッチワールドからうまく

元の世界に戻ることができなかったようです。



二人は元の世界に戻るための行動をとることにしました。



「とりあえず,教室の外に出てみよう。」



女子高生のアヤネはクスクスと笑っています。



トシ君が教室の前の扉を横に開けようとしました。



しかし,堅くて開きませんでした。



「あれ,おかしいなぁ・・・。開かないよ。」



ワク君も手伝いましたが扉はびくともしませんでした。



安田「俺も試してみたが,まったく開かない。

ちなみに後ろの扉も校庭側の窓も開かない。」



サラリーマンの安田が補足しました。



???「それどころか,窓は傷一つつかないんだ。」



窓にいた人物が話しかけてきました。



白馬「僕の名前は,白馬。さっき,窓に椅子を

ぶつけてみたんだけど,全く割れなかった。」



<白馬>



彼はやれやれというポーズをとりました。

彼はかなりのイケメンでした。



年齢は20代半ばでIT系の社長だと説明しました。



「つまり,この教室からは出られない・・・?」



イッテツ「そういうことだ・・・。今のところはな。」



男子高生のイッテツは教卓の上に座りました。



ワク君は窓から校庭を見下ろしましたが,

時間は夜で下が暗く良く見えませんでした。



しばらくすると教室の黒板の上に

設置されたスピーカから音が鳴りました。



キーンコーンカーンーコーン。



どうやらチャイムのようです。

つづいてアナウンスが入りました。



放送「教室にお集まりの生徒諸君。

授業を始めますので着席してくださいねー。」



???「おい,俺たちをこんなところに

集めてどういうつもりだ!責任者を出しやがれ!」



とてもガタイの良い男がスピーカに向かって声を張り上げました。



筋肉質な腕は重い荷物を持つ仕事に携わっているように思えました。



次の瞬間。





彼の頭は吹き飛んでいました。



ブッシュー・・・。



おびただしい量の血が出ています。



教室では悲鳴があちこちで上がっています。

突如起こった現実に思考が追いついてないのが現状でした。



教室天井付近に設置されたレーザー装置から

発射されたレーザーが頭を吹き飛ばしたようです。



レーザー装置は教室の四隅に設置されており,死角がありませんでした。



アヤネ「いやぁぁ・・・。何,なんなの!?

どうなってるんのよ!?」



教室はパニックです。



「落ち着いてください!」



ワク君はあわてることなく,周囲に冷静になるように促しました。



「ひぃ・・・。死体を見慣れているオイラ達でもこれはキツイなぁ・・・。」



トシ君もなかなか冷静でした。



彼らは様々なパラレルワールドなどで多くの死んでいった人間を

見てきた経験があるので,他の人たちよりは落ち着いた行動ができました。



放送「もう一度言うよ。まずは全員着席すること。

そして机の中に二つのボタンがあるので,それを手に取ること。」



再び放送が入りました。



まだ教室内はパニック状態でしたが,全員がさきほどの男性と

同じ運命をたどりたくなかったので,席に着きました。



放送「それでは1限目の授業開始だよ~!」



いったい何が始まるのでしょうか。







第3話 バトルヤバイヤロ1限目3 


ワクのわくわく冒険記シリーズ

*本作は登場人物が多岐にわたるためイラストは基本的に白黒ラフにします。

また本作はグロテスクなシーンを含みます。ご注意ください。






謎の教室に集められたワク君たち・・・。

スピーカからは着席の指示が出ていました。



???「一体何がはじまるんだよぉ・・・。」



ワク君の右隣に座っていたのは気弱そうな青年でした。



その青年が弱音を吐いていました。



真木「あ,僕は真木といいます。

大学2年生です。君は怖くないのかい?」





<真木>



「それは・・・こわくないと言ったら嘘になりますけど・・・。」



さらに真木の後ろに座っていた少女も怯えていました。



???「こわい・・・。」



真木は後ろの少女に話しかけました。



真木「大丈夫かい?怖いのはみんな一緒だよ。君の名前は?」



あいる「あたしはあいる・・・。中学2年生です・・・。」





<あいる>



少女は震えながらうつむいています。



トシ君はこの少女のしぐさにひかれました。



「大丈夫だよ。オイラたちがいるから何も心配ないよ!」



トシ君の方がはるかに年下なのですが自信満々でした。



あいる「うん,ありがとう。君は強いんだね。」



あいるちゃんは顔をあげてトシ君を見つめました。



「まぁね!だから何があってもオイラを信じてくれれば

大丈夫だからね!勘だけは誰にも負けないよ!」




ワク君は横からトシ君を小突きました。



「おい・・・。惚れるなよ・・・!」

「なっ何を言っているんだよ。ワク君・・・!」



トシ君が核心を突かれ,珍しく焦っています。



「わかっていると思うが,俺たちはこの世界の住人じゃない。

余計な干渉は最小限にするべきだ。」




ワク君は相変わらずの徹底した現実主義(リアリスト)でした。



「はいはい。わかっていますよ。」



あいるちゃんはそんなやり取りを見てクスっと笑いました。

それは彼女が初めて見せた笑顔でした。



突然,一番後ろの席の男が叫びました。



???「オラ!授業でもなんでも早く始めろ!」



「何だあの人・・・!さっきの人みたいに殺されちゃうよ・・・。」



トシ君の後ろに座っていたIT社長の白馬が忠告してくれました。



白馬「彼は郷田っていう暴走族のリーダーみたいだよ。

君たちが意識を失っていた時も別の人と揉めていたんだ。

あまりかかわらないほうがいいよ。」



「なるほど・・・。」



放送「それでは1限目は○×問題の授業だよ。今から全部で5問の問題を出すよ。

全てクリアできた人はこの教室から出ることができる。

ただし,不正解の場合はその時点で・・・ドカン!」



どうやら今から○×問題が出されるようです。



放送「手元にある○と×のボタンがあるからそれで解答すること。

相談するのはかまわないけど制限時間があるから気をつけてね。」



教室に緊張が走りました。



「ワク君,なるべく協力しよう!」

「はいはい・・・。」



ワク君は軽くあしらいましたが,

一応トシ君の心配もしていました。



放送「それでは第1問。『日本で一番高い山は富士山である。』

さぁ,○か×のボタンを押すように。ちなみ1度押したら変更は

できないからよく考えてから押すように。」



安田「なんだ・・・。どんな難しい問題が

出ると思えば・・・。こんなのは○に決まっている。」



トシ君は悩んでいました。



「勘で○にしよかな。」

「答えは○だからな。間違えるなよ。」



ワク君は一応助言をしました。



教室には全部で25人いましたが,全員が○を押しました。



放送「正解は・・・○でした!全員正解です!

さすが,優秀な生徒諸君!先生は誇らしいよ!

それでは第2問いくよ!」



ワク君はトシ君にアドバイスをして1問目を切り抜けさせました。



放送「第二問。『日本の警察官と教員では人数が多いのは教員である。』

さっきと同じようにボタンを押そう。」



アヤネ「え,何それ・・・。わかんないよ,そんなの・・・。」

女子高生のアヤネは彼氏のイッテツに相談

しているようですが,結論は出ていないようです。



放送「さぁ,あと30秒以内にボタンを押してね!」



安田「俺は×にするぞ。さっき○だったから今度は×な気がする。」



ワク君は何か言おうとしましたが,その前に

サラリーマンの安田氏は×を押しました。



イッテツ「俺ものった!」



イッテツも×を押しました。



アヤネ「そんな簡単に決めちゃっていいの!?でももう時間が・・・。」



アヤネが×を押そうとしたとき,ワク君がその手を止めました。



「○を押して。大丈夫,オレを信じて。」



果たしてアヤネはどちらのスイッチを押したのでしょうか。



第4話 バトルヤバイヤロ1限目4 


ワクのわくわく冒険記シリーズ



*本作は登場人物が多岐にわたるためイラストは基本的に白黒ラフにします。

また本作はグロテスクなシーンを含みます。ご注意ください。






謎の学校の教室では恐ろしい授業という名の殺戮が行われていました。



第1限目は○×問題で間違えれば死・・・。



第二問目はワク君のアドバイスを受けて,

女子高生のアヤネは○を押していました。



イッテツ「オイ,アヤネ・・・。それじゃどちらかが死んじゃう

じゃねーかよ!何,ガキの言うことなんか間に受けてんだよ!」



アヤネ「仕方ないじゃない!時間なくてあせっちゃって!」



放送「時間です。正解は・・・。」



トシ君は○ボタンを握りしめながら汗だくだくになっていました。



放送「正解は○です。教員100万人に対して警察官は29万人ほどです!」



次の瞬間,ものすごい音が教室に鳴り響きました。

何かが破裂するような鈍い音です。



安田「ぐほっ・・・!」



不正解だった者の頭が吹き飛ばされて辺り一面血の海になっています。



アヤネ「いやぁぁぁ!イッテツ!!死んじゃいやぁぁぁ・・・!」



アヤネは首から下しかないイッテツを

抱きしめながら泣き叫んでいます。



この問題でイッテツ,サラリーマンの安田を含め,7人が死亡しました。



残りは18人です。



暴走族の郷田,IT社長の白馬,中学生のあいる,

大学生の真木は生き残っていました。



???「君,やるねぇ~。今の問題,答えはわかっていたんでしょ?」



今度はトシ君の右後ろ,中学生のあいるの後ろに

座っていた人物が座ったまま,ワク君に話しかけてきました。



ワク君は後ろを振り向きました。



マスミ「私は,小川真澄。マスミお姉さんって

呼んでくれてかまわないよ。職業は新聞記者よ。」





<ますみ>



「新聞記者・・・。色々と博識みたいですね。」





放送「続いて,第3問いくよ!この画像を見てね!」



すると黒板に映像が映し出されました。



今は大きなプロジェクターなどなくても,

黒板の上部に設置した小型プロジェクター

から映像を映し出すことが可能なのです。



黒板には一般の人があまり見たことのないようなグラフが映し出されました。



アヤネ「何これ・・・?何のグラフ?」





真木「これは,ただのグラフではなく,正確にはローソクチャートって呼ぶらしいわ。

株価の動きを示したグラフだね。」



そこにはある銘柄のローソクチャートが映し出されていました。



放送「さて,第三問はこのチャートからだよ。

『この株価は次の日,上がるでしょうか,それとも下がるでしょうか。』

上がるなら○,下がると思うなら×を押してね。」



みんなは黒板に映し出された映像を真剣に見つめました。



あいる「こんなの,授業で習ったことないし,わかんないよ・・・。」



か細い声であいるちゃんがつぶやきました。



マスミ「あたしは専門が経済じゃないからなぁ・・・。政治部なんだよね・・・。」



マスミさんは頭をかきむしって悔しがりました。



「ワク君,これ・・・わかるの・・・?」



「う~ん・・・。親の知り合いに株をやっていた人がいて,

その人になんか聞いたことがある・・・。確か・・・。」




ワク君は何かを思い出そうとしていました。



アヤネ「え,ワク君,この問題もわかるの!?」



アヤネは驚いて声に出しました。



「答えは・・・。でも自信はないよ。

チャート分析は過去の結果から未来を予測するものであって,

100%ではないからね・・・。引っかけ問題だったら

・・・ドカン!・・・だよ。」




さぁ,気になる正解は・・・。



バトルヤバイヤロ1限目 第5~8話

第5話 バトルヤバイヤロ1限目5

ワクのわくわく冒険記シリーズ

*本作は登場人物が多岐にわたるためイラストは基本的に白黒ラフにします。

また本作はグロテスクなシーンを含みます。ご注意ください。




第3問の問題は株価の予想をするというものでした。

ワク君の出した答えは○でした。果たして正解は・・・。



放送「正解は・・・○だよ!」



「ふぅ・・・。」



ワク君がホッとしたのもつかの間,後ろの方で爆音が聞こえました。



今回は4人が不正解だったようです。残りは14人です。



アヤネ「ワク君はなんで○だと思ったの?」



アヤネちゃんがワク君に聞きました。



「確かあのチャートはダブルボトムっていって,

株価が底値を表した時に出るチャートの形なんだよ。

もちろんその形通り上がるとは限らないから一か八かの

賭けだったけど,なんとか正解だったね。」




どうやらワク君は投資に関する知識も持っているようです。



ここまで残っている人物は,突如この世界に

迷い込んでしまった小学生のワク君とトシ君。



女子高生のアヤネ,女子中学生のあいる,大学生の真木,新聞記者のマスミ。

IT社長の白馬,暴走族リーダーの郷田,そして,その郷田の子分と思われる

目つきの悪い小柄の男と気が弱そうな男。



後は中年の女性が一人と,同じく中年の男性が二人,気が強そうなOLが一人残っていました。



放送「今回はなかなか優秀だよ。」



トシ君は心配そうにあいるちゃんの方を見ました。



あいるちゃんがにこっと愛想笑いをするとトシ君は安心したように笑い返しました。



真木「今度はどんな問題が来るんだ・・・。もうやめてくれよぉぉ・・・。」



全員が次の問題が出される瞬間を待ちました。



放送「それでは第4問だよ。アルバートとバーナードは,シェリルと友達になったばかりです。

シェリルの誕生日を2人は聞きましたが,彼女は10の日にちを候補としてあげました。



・5月15日,5月16日、5月19日

・6月17日,6月18日

・7月14日,7月16日

・8月14日,8月15日,8月17日



それからシェリルは,アルバートに『月』だけを,バーナードに

『日付』だけをそれぞれ教えました。



アルバート『僕はシェリルの誕生日を知らないけれど,バーナードも知らないよ』

バーナード『僕はシェリルの誕生日を知らなかったけれど,今は知っているよ』

アルバート『それなら僕もいつだか知っているよ』



という内容からシェリルの誕生日は7月16日である。(数学オリンピック問題を参考に一部変更)」



第4問目にして超難問が出てきました。





「えっと・・・。誤訳かな・・・?日本語でよろしく!」



ワク君は目をつぶって答えを出そうとしています。



「よし,わかった。答えは○だ。」



アヤネ「本当かい?高校生のあたしでもまったくわからないのに・・・。」



アヤネがワク君の答えを少し疑ってかかりました。



真木「いや,○で正解だと僕も思う。僕は大学では数学に関することを勉強しているんだ。」



真木君も○だと主張しました。



それを聞いていた他の人もどうやら全員が○を選択したようです。



そして答えが発表されました。



第6話 バトルヤバイヤロ1限目6

ワクのわくわく冒険記シリーズ

*本作は登場人物が多岐にわたるためイラストは基本的に白黒ラフにします。

また本作はグロテスクなシーンを含みます。ご注意ください。




第四問目は数学的パズルを使った難問でした。



数学を専攻している大学生の真木が答えは○だと言いました。

ワク君も答えがわかったようで同じく○を選択しました。



放送「答えは・・・○だよ!」



廊下側の中年の男性が爆発しました。

彼は×を選んだようです。



今回の犠牲者は彼のみでした。

周りの人は悲鳴を上げました。



しかし,いちいち他人の死を気にしている場合ではありませんでした。



マスミ「真木君って言ったっけ?あの問題がわかる

なんてすごいね。あれを解けたのは真木君だけだよ。

今,生き残っているのは君のおかげだよ。」



真木「いやいや,たまたまだよ。それに今回はあの少年のおかげだよ。」



マスミはワク君を見ました。



「さすがだね。」

「・・・ったく・・・俺がいなきゃ,お前は今頃死んでるぞ・・・。」



ワク君はキツイ言葉をトシ君に浴びせましたが,

トシ君はそれくらいどうってことないって感じでした。



白馬「まぁ,僕も実は答えはわかっていたんだよ。」



IT社長の白馬さんが会話に入ってきました。



アヤネ「じゃあ,なんで○なのか教えてよ?」



白馬「ははは・・・。それは・・・。ワク君,君に任せよう。」



白馬さんはうまく逃げました。



「まず,アルバートの『僕はシェリルの誕生日を知らないけれど,バーナードも知らないよ』

バーナードの『僕はシェリルの誕生日を知らなかったけれど,今は知っているよ』から5月と6月が除外される。

なぜなら誕生日が18日か19日であれば,バーナードは誕生日を知っていることになるからね。

そしてもしバーナードが14日と教えられていたら,7,8月とあるので答えはわからないはず。

そして,アルバートは『それなら僕もいつだか知っているよ』というので8月15,17日と2つの

選択肢が残っている8月は除外される。残ったのは7月16日というわけだよ。」




「うん。ゴメン。マジで何言っているかわからないから後輩だけど,1発殴っていいかな。」



トシ君には全くわからないようですが,とにかく正解しました。



そして,放送が入りました。



放送「それでは,最後の問題だよ。これをクリアすればこの教室から出ることができるよ!」



郷田「ここまで来たら,何が何でもこんなところから出てやる。

そして,こんなくだらんことを考えたやつをぶっ殺してやるからな。」



<郷田>



大きな郷田の声が聞こえました。



「あの,あんまり刺激しないほうがいいよ。」



ワク君は振り返って郷田に忠告をしました。



郷田「なんだ,このガキは。俺に指図するのか?

ちょっと頭がいいからっていきがっているんじゃねぇぞ。」



郷田は体を乗り出してワク君に近づこうとしました。



放送「時間がないから,問題を出すよ。生徒は全員席に着くように!」



郷田は文句を言いながら横柄な態度で席に着きました。



放送「それでは第5問。『私は○か×どちらを正解にするでしょうか。』」



一瞬教室が静まり返りました。



アヤネ「あの,ちょっと意味がわかんないんだけど・・・。」



アヤネが恐る恐る聞きました。



この問題は一体どういう意味なのでしょうか。







第7話 バトルヤバイヤロ1限目7

ワクのわくわく冒険記シリーズ

*本作は登場人物が多岐にわたるためイラストは基本的に白黒ラフにします。

また本作はグロテスクなシーンを含みます。ご注意ください。




第五問目は『私は○か×どちらを正解にするでしょうか。』という問題でした。



放送「つまり,この後,私が『正解は○』というか,

『正解は×』というか予想するんだよ。それがこの問題だよ。」



真木「なんだそれは!?つまり,○か×か予想するって

ことか?つまり勘で答えるってことか?」



真木氏は少し取り乱した様子で言いました。



「どういうこと?」



トシ君にはまだ意味がわかっていなかったのでワク君が説明しました。



「まずいな・・・。これは完全にヒフティヒフティの問題だ・・・。

正解する確率は50%・・・。どちらに命を賭けるか・・・だ・・・。」




ワク君は考え込みました。



放送「この問題は難問だから,特別に3分間時間をあげるよ。

級友と相談してじっくり考えてね。」



そういわれても誰も何も言えませんでした。



白馬「そうだ。今までの問題を振り返ってみよう。確か今までの答えは・・・。」



あいる「確か,全部○だった気がします・・・。」



女子中学生のあいるちゃんが小さな声で呟きました。



真木「じゃあ,確率的には×になる可能性が高いよ。」



数学が得意な真木氏がそう言いました。



アヤネ「でも,裏をかいて○ってこともあるよね?」



白馬「確かに・・・。」



全員が考え込んでしまいました。まだ誰もボタンを押した人はいません。



「なるほど・・・。今までの問題はこの第5問目のための伏線にすぎなかったんだ。」



教室の全員がワク君に注目しました。



???「どういうことだい?」



少し小太りの髪の毛を後ろに縛った50代くらいの中年女性が質問をしました。



???「自己紹介が遅れたね。あたしは山岡っていう平凡な主婦だよ。

それが何の因果かこんな所へ連れてこられたんだ。買い物の途中にね・・・。」





<山岡>



山岡と名乗る主婦はワク君に再度質問をしました。



山岡「伏線っていうのはどういうことなんだい?」



「この第5問で答えが○なのか×なのかを最大限悩ませることだよ。

第1~4問の答えが全て○なら,次も○だと考える人も出てくるし,

逆に×だと考える人だって出てくる。全く,嫌な問題だよ。」




あいるちゃんは震えていました。



「あいるちゃん,大丈夫だよ。オイラが必ずここから出してあげるから!」



あいるちゃんはうなずくこともなく下を向いて震えたままでした。



放送「さぁ,あと30秒だよ!ぎりぎりだと押し間違えが

あるといけないから早めに決めることをお勧めするよ!」



気の強そうなOL風の女性がボタンを押しました。



???「私は○にしたよ!」敢えて全員にそう宣言しました。



その隣に座っていた中年男性は×を選択しました。



???「お,俺は×にするぞ・・・。」



さぁ,ワク君とトシ君はどちらを選択するのでしょうか。







第8話 バトルヤバイヤロ1限目8

ワクのわくわく冒険記シリーズ

*本作は登場人物が多岐にわたるためイラストは基本的に白黒ラフにします。

また本作はグロテスクなシーンを含みます。ご注意ください。




*本作は登場人物が多岐にわたるためイラストは基本的に白黒ラフにします。

また本作はグロテスクなシーンを含みます。ご注意ください。





○か×のどちらかを選らなくてはいけない。

間違えば・・・死・・・が待っている。



「おい,トシ。」



ワク君がトシ君に話しかけました。



「何?早く決めないと・・・。」

「答えはお前が決めろ。俺はお前の答えに従う。」



ワク君は答えをトシ君に任せました。



「え,何言っているんだよ?そんなのわからないよ・・・。」

「いいから決めろ,このクソ野郎!今すぐだ!早くしろ!全員死ぬぞ!」



ワク君はものすごい形相でトシ君をにらみました。



「え・・・。じゃあ『○』で・・・。」

「よし。お前に賭けた・・・。」



ワク君とトシ君は○を選択しました。



ふと,トシ君はあいるちゃんがまだボタンを押していないことに気付きました。



「あいるちゃん。○だよ。○を選んで!オイラを信じて!」



あいるちゃんは顔上げてトシ君を見つめました。

そしてにこっと笑って時間ぎりぎりでボタンを押しました。



放送「ここまでー!さぁ,答えを言うよ!」



みんなはこの瞬間が一番緊張するようです。



放送「正解は○だよ!×を押した人は残念でしたー!」



「ふー。正解だったか。トシの勘の良さに賭けて正解だった。

お前の勘の良さだけは認めているからな。」


「やったー!正解だ。あいるちゃんやったね!正解だよ!」



トシ君ははしゃいで言いました。



しかしあいるちゃんは震えたまま下を向いています。



あいるちゃんは涙ぐんだまま,



あいる「ごめんね・・・。トシ君・・・。わたし・・・

君のことを信じるきることが・・・できなかった・・・!」



と言いました。



「え・・・?」



あいるちゃんのボタンは×を押していました。



あいる「だって・・・。小学生の・・・根拠もないことを・・・信じることなんてできなったよ・・・。

君のことを見てて信用できるってどうしても思えなかった・・・。」



「くっ・・・。」



次の瞬間,あいるちゃんの首が吹き飛び,床に倒れました。

その血しぶきをトシ君はよけることもせず,ただ茫然と浴び続けていました。



「なっなんでだよぉぉ・・・!!!どうしてー・・・!!!」



トシ君は床に膝まづき,動かなくなったあいるちゃんの体を抱きしめ,大泣きしました。





「オイラのことを信じることができなかった・・・。

オイラが信頼されるような人間じゃなかったのかな・・・。

これなら,代わりにオイラが死ねばよかったんじゃ・・・。」




たまらずワク君は,トシ君の胸ぐらをつかみ,思いっきりほほを殴りました。



「ぐふっ・・・。」



ワク君に殴られ,トシ君は倒れこみました。

白馬さんや正解した人たちが心配そうに二人のやり取りを見ています。



「バカヤロウ!そんなに悔しくて悲しいなら,

お前がすべきことはなんだ!?死ぬことか!?」




とワク君が激こうしました。



「違うだろうが!!今すべきことは,この悲しみを乗り越えて,

お前自身が誰からも信頼される人間になることだろう!!

現実を見ろ!!このクソ野郎!!」




ワク君は必死に悲しみをこらえて,トシ君を奮い立たせようとしていました。



「ああ・・・。そうだね・・・。」



トシ君はゆっくりと起き上がりました。



その時,チャイムが鳴りました。



放送「チャイムが鳴りました。それでは,1限目の"社会"の授業はこれで終わりです。

2限目は移動教室になります。放課中に移動するようにしてくださいね。」



真木「なんだと・・・。これで終わりで解放してくれるんじゃないのか!?」



真木氏がそう叫びました。



放送「学校が1限目で終わって下校することなんてないでしょー?次は3Fの

多目的室で"特活"だよ。寄り道せずに向かうこと。先生からは以上だ。」



放送が終わると,みんなは教室の扉の前まで行きました。

扉に手をとると,先ほどまで開かなかった扉が簡単に開きました。

次はどんな授業が彼らに待っているのでしょうか。



果たしてワク君とトシ君は無事元の世界に戻ることができるのでしょうか。



バトルヤバイヤロ2限目 第1~4話

第1話 バトルヤバイヤロ2限目1

ワクのわくわく冒険記シリーズ

*本作は登場人物が多岐にわたるためイラストは基本的に白黒ラフにします。

また本作はグロテスクなシーンを含みます。ご注意ください。




プレートに1-Aに書かれた教室の中は凄惨な状況でした。



血の臭いと肉片が焦げたような異臭が混ざり,

鼻を塞がなければ1分とその場には居られないでしょう。



床には頭部のない遺体が無数に転がっていました。



中には頭部をレーザーで破壊された際に,

体内に強力な圧力がかかり,内臓が無残にも

飛び出た状態の遺体もありました。



年齢も職業も性別も様々。



ある日突然この学校に集められ,

授業と称した殺戮ゲームに参加

させられた者たちの成れの果てです。



1限目の授業が終わった段階で生き残ったのは12人。



別世界からヴォイニッチワールドを

通してやってきたワク君とトシ君。



大学生の真木,女子高生のアヤネ,



新聞記者のマスミ,IT社長の白馬,暴走族リーダーの郷田,

郷田の子分が二人,主婦の山岡,中年の男性,気が強そうなOL。



次に向かう場所は同じ階にある特活室でした。

全員で固まってゆっくりと廊下を歩き始め,特活室を探していました。



???「どっどうして俺たちがこんな目にあわなくちゃならないんだ・・・。」



中年の男性が頭を抱えながら今にも

かき消されそうな声でそう言いました。



常に冷静沈着で大人顔負けの頭脳を

持つワク君が,中年の男性に話しかけました。



「えっと,あなたはまだお名前を

伺っていませんでしたね。

俺はワクって言います。こいつはトシ。」


「よろしく。」



トシ君もあいさつをしました。



藤田「俺は藤田。しがないサラリーマンだよ。」





<藤田>



藤田は通り一辺倒な自己紹介をした。



藤田「なぁ,そこの階段を下に降りたら,逃げられないかな?」



藤田という男が下につながる目の前の階段を指さしました。



「やめたほうがいいと思います。先ほど,スピーカー

からの指令は寄り道をせずにまっすぐ,特活室へ来いというものでした。

下に降りれば,間違いなく殺されるでしょう。」




ワク君は冷静に忠告しました。



藤田「そうか,やはり無駄か・・・。」



アヤネ「なぁ,次の部屋までもう少し距離がある。

その間に一体どうしてこんなことになったのか,

お互い確認しておかないか?」



アヤネは立ち止まり,そう提案しました。



白馬「そうだね,それがいい。」



気の強そうなOL風の女性は自己紹介をしました。



風花「私の名前は,芝山風花。風花って呼んでくれていいよ。

私は会社の事務職なんだけど,昼ご飯を買いに行ったら,

急に意識を失っちゃったんだ。」



<風花>



真木「ふむ・・・。」



真木さんも真剣に話を聞いていました。



風花「そして気づいたらここだよ,ここ!

一体どこのどいつがこんなことやりやがったんだ!

絶対にぶっ殺してやるからな!!」



と,大声を上げました。



郷田「なかなか,度胸のある女だな。気に入った。」



風花「あんたみたいな族上がりの男に

気に入られてもうれしくなんかないね!」



風花は郷田に,にらみを利かせて反論しました。



みんなは歩きながらお互いの境遇を順番に説明し始めました。



「やはり,ここは俺たちがいる世界とは別みたいだ。」



どうやら,ここにいる全員が,急に気を失い,

気づいたらこの学校の教室へ移動させられていたようです。



連れてこられる理由は見当もつきませんでした。



ただ,近年,裏世界で法律無視のデスゲームを行い,

一部の権力者や富豪を楽しませているといううわさがあるようです。



「本当にそんな現実離れしたことをするのかな~・・・?」



マスミ「報道関係者から言わせてもらうと,単なるフェイクニュースだと思う。

だけど,実際にここで行われていることは間違いなく残虐なデスゲームよ。」



話しているうちに,特活室と書かれた教室の前までやってきました。

ワク君は扉を開きました。すると,教室にはすでに先客がいました。



全員が教室に入ると扉が閉まり,

前回と同じように開かなくなりました。



果たしてワク君たちはどうなるのでしょうか。







第2話 バトルヤバイヤロ2限目2

ワクのわくわく冒険記シリーズ

*本作は登場人物が多岐にわたるためイラストは基本的に白黒ラフにします。

また本作はグロテスクなシーンを含みます。ご注意ください。




スピーカからチャイムがなりました。



放送「それでは,全員揃ったね。2時間目の

授業は学活!特別活動だよ~。イエェ~イ!」



何やらテンションの高い男がしゃべっているようです。



白馬「何が始まるんだ・・・!?」



全員が警戒していました。



放送「今回は,教卓の前においてある,

トランプを使って大富豪で遊ぶよ!

やったね,みんなの大好きな

学級レクリエーションだよ~!」



教卓に目を向けると確かにトランプが何セットか置いてありました。



教室の中を見渡すとすで机が4つずつにくっつけられており,

そこのイスにすでに座っている人たちもいました。



「大富豪だと・・・。ふざけてやがる・・・。

どうせただのゲームじゃないんだろ。」




放送「それでは,ルールを説明するよ。今,この教室には1-A,B,Cの

3つの教室から生き残った生徒諸君が集まっている!

総勢32人!それぞれの机で4人一組となり,ゲームを行ってもらうよ。」



そこにいるほぼ全員が戸惑っていました。



郷田「ふんっ・・・。」



郷田の部下である金田と広野が話しかけました。



広野「郷田さん,大富豪なんてゲームやったことあるんですか?」



郷田は答えませんでした。



金田「どんなルールか知らねぇが

こっちには郷田さんがいるんだ。」



部下は強がって見せました。



放送「とりあえず,まだ席についていない生徒は席に着こうか!

椅子の裏に自分の名前が書いてあるから,立っている人もすぐに着席してね!」



それぞれが自分の名前の書かれた椅子を探し,座りました。

ワク君はトシ君と別の机になりました。



トシ君はIT社長の白馬氏と同じテーブルでした。

ワク君の机には知らない3人がいました。



それぞれ別のクラスの生き残りでした。

3人は自己紹介をしてきました。



梶田「僕は梶田。よろしくね。こう見えて,社会人なんだ。」



梶田と名乗る男性は髪はストレートで眉毛は

整えてあり,見た目は高校生のような童顔でした。



秋名「俺は秋名。こいつとはここに来る前

からのダチなんだ。つまり梶田と同い年。」



一方,秋名と名乗る男性は頭の毛は薄く,

ひげが濃く,見た目は30代後半に見える容姿でした。



木戸「木戸よ,よろしく・・・。」



木戸と名乗る女性は面倒くさそうに自己紹介をしました。



服装は派手でどうやらスナックで働いているような感じがしました。

化粧も濃く,酒でのどがつぶれているのか声もかれていました。





<左から梶田 秋名 木戸>



ワク君は自己紹介をしました。



梶田「トランプゲームを始めるみたいだけど,みんなで協力していこうね。」



梶田さんは気さくで思いやりがあるような性格に見えました。

ワク君は隣の机に座ったトシ君に目をやりました。



同じ教室で生き残った白馬氏と一緒なので少し安心しました。



放送「それではルールを説明するよ。一回しか言わないからよく聞いてね!」



スピーカからの放送はルールを以下のように説明しました。



・手持ちのカードが全てなくなればあがり

・勝負は1回のみ

・2が一番強く,1,Kと続き,3が一番弱い



・階段あり。階段とは同じ柄で3枚以上の数字が

連番になっている手札のこと 例:3(ハート) 4(ハート) 5(ハート)

・同じカードを4枚以上,階段を4枚以上同時に出した場合,革命となる

・革命になると強さの順番が逆転する 3が一番強く,2が一番弱くなる



・ジョーカーは2枚ある

・上がるときに,2(革命時は3),ジョーカー,8であがってはいけない。

ただし,ジョーカーを使って階段にした場合はその限りではない

・ジョーカーを単体で出したときは,2より強いカードと

して扱うが,スペードの3で返すことができる



・8切りあり 8を出すと場が流れて自分の番になる

・Jバックあり。出したときにバックするか宣言すること。

バックした場合,場が流れるまで場に出ている数字より下のカードしか出せない

・場に出された柄と同じ柄を出した場合,しばりとなり,以降もカードが

流れるまで同じ柄しか出せない。途中から縛ることも可能



・カードを出さないとき,出せないときはパスが可能

・全員がパスすると場のカードが流れ,最後にカードを出した人から好きなカードを出せる



放送「ゲームのルールは以上だ!続いてはプレー中の



注意点について説明しておこう!」



郷田「まだ,あんのかよ・・・!」



郷田は机に脚をかけて不機嫌そうに愚痴をこぼしていました。



第3話 バトルヤバイヤロ2限目3

ワクのわくわく冒険記シリーズ

*本作は登場人物が多岐にわたるためイラストは基本的に白黒ラフにします。

また本作はグロテスクなシーンを含みます。ご注意ください。




放送「プレー中の注意点について説明するよ!

まず,1位と2位が決定した時点でゲーム終了!

3位以下は死んでもらうよ~!残念!」



教室がざわつきました。



ほとんどの人が今の放送を聞き,人の死を軽く

扱うような内容に恐怖を感じていました。



「まじか・・・。また人の死を見るのか・・・。」



トシ君は先ほどの丸丸ちゃんの死が頭から離れないようでした。



放送「それから,対戦中の協力プレイや協力的な言動は禁止。

話すこと自体は禁止しないけど,誰かを助けるための発言や

自分のカードを見せたり,言ったりすることは禁止ってことだ!

逆に言えば,会話で相手を嵌めるのはOKだ!

どんどん暴言やフラグを言って,相手を貶めるんだぞ!」



白馬「無茶苦茶言いやがって・・・!」



白馬氏はこぶしを握り締め,ぶつけ

ようのない怒りをため込んでいました。



放送「場合によっては,早く対戦が終わることも

あるかもしれないが,他の友人を助ける行動も禁止だよ!

不正が発覚すればその時点でドカン!だから気を付けてね。」



「(くそっ・・・。トシの対戦で助言することは不可能ってことか・・・。)」



先ほどまで束になって教卓に置いてあった

トランプがいつの間にか目の前にありました。



そして,自動的にそれぞれの手元に配られていきました。



真木「すごいな・・・。これはどんな仕組みだ・・・。」



ワク君から二つ離れた席にいた大学生の真木氏はその技術に驚いていました。



「(この世界は俺たちがいる世界よりも少し未来なのか・・・?)」



放送「全員にカードが配られたようだね。

カードの整理が終わったら,各自ゲームを始めよう!」



順番はじゃんけんで勝った人から時計回りに進めることになりました。



梶田「ワク君だっけ?さっき色々と難しい説明があったけど大丈夫かな?」



「ご心配なく。1回聞けば大体のことは理解できるんで。」



トシ君には無理なことをサラッと言える

ところがワク君のすごいところでもありました。



ワク君の持ち札は以下のようになりました。



3♣ (5♡ 5♣ 5♢) 6♠ 7♢ 8♡ (10♢ 10♡)

K♢ (1♡ 1♠) 2♢ ジョーカー(以下jo)全部で14枚



「(う~んjoもあるし,悪くはないな。ただ,3,2が

1枚しかないからうまく立ち回らないと振り回される恐れがあるな・・・。)」




ワク君がいるテーブルは1番手が,スナックママのような木戸という女性,

2番手が人が良さそうな梶田氏,3番手がワク君,最後に秋名氏となりました。



ワク君は始まる前に



「この中の二人は死んじゃうことになるけど・・・。」



と言うと,



梶田「残念だけどそうなるね。一番若い,ワク君をなんとか勝たせて

あげたい気持ちもあるけど,協力はできないことになっているからね・・・。」



梶田氏は残念そうにため息をつきました。



木戸「ごちゃごちゃ言ってないで,始めるよ!」

相変わらずのしゃがれた声でした。



木戸は3♢を出しました。(以下 名前:出したカードで表示)



木戸「あんまり,やったことないゲームだけど,

たまにお客さんがやっているのを見たことはあるんだよね。」

梶田「なるほど,それはよいことですね。」



梶田氏:4♣



「5は崩さず,縛らずいくか・・・。」





ワク:7♢



ワク君は大人顔負けの頭脳で

勝ち残ることができるのでしょうか。



第4話 バトルヤバイヤロ2限目4

ワクのわくわく冒険記シリーズ

*本作は登場人物が多岐にわたるためイラストは基本的に白黒ラフにします。

また本作はグロテスクなシーンを含みます。ご注意ください。




2時間目は特別教室で死のトランプ

ゲームをすることになりました。



ゲームの名前は「大富豪」。



ワク君の残りの手持ちのカードは,

3♣ (5♡ 5♣ 5♢)6♠ 7♢ 8♡ (10♢ 10♡)  K♢ (1♡ 1♠) 2♢ ジョーカー(以下jo)



ワク君は7♢を出しました。(以下 名前:出したカードで表示)



秋名:パス



木戸:♣8 8切り



木戸「これが8切りだったよね。

悪いけど切らせてもらうよ!」

梶田「どうぞ,どうぞ。」



梶田氏は笑顔でそう言いました。



木戸:(4♢ 4♠)



梶田「ここはパスかな。」



「(・・・。ペアか・・・。ならば・・・。)」



ワク:(10♢ 10♡)



秋名:(Q♣ Q♡)



秋名氏の出したQペアに対して

誰も出さず,流れました。



秋名「よし,革命だ!」



秋名:(K♡ K♠ K♣ jo)革命



「(この秋名って奴,序盤から仕掛けてきたな。

しかも次に自分の番が回ってくるのは一番最後か。

厄介だ。しかし,これでジョーカーを持っているのは俺だけ。

うまく立ち回ればなんとかなる。)」




この革命も誰も返しませんでした。



秋名「さらに攻めるよ~!生き残るのは俺と梶田だ!」



秋名:1♣



木戸「何言ってんだよ。生き残るのはアタシだよ!」



木戸:J♢ バックせず



革命中なのでそのまま数字が小さい方が強いまま進みます。



梶田:パス



「(8♠で切って権利(=自分の番)を取りたいところだけど,

この梶田って男が何を考えているのか,わかりにくい・・・。まだ動けない・・・。)」






ワク:パス



秋名:6♣



  秋名「順調,順調!」



秋名氏は順調にカードを出せているようです。

残りの全員がカードを出さなかった

ので,秋名氏からとなりました。



秋名:(9♡ 9♢)



木戸:(7♡  7♠)



梶田氏とワク君はパスをしました。



木戸「アタシももすうぐあがれそうだよ!

もういらないカードをどんどん捨てちゃえ!」



木戸:(2♡ 2♣)



梶田:J♡ J♠ バック



梶田「ワク君のために説明しておくと,革命中にバックを

コールしたのでこれよりも上のカードじゃないと出せないよ?

革命中だし,今のうちにJ以上のカードを出してもいいんだよ。」



「ご心配なく。ルールは全て理解しているって言ったでしょ。」



ワク君はそっけなく返事をしました。

そして,1のペアは出さずに温存することにしました。



ほかの二人もパスをしたため,

梶田氏から再びカードを出します。



そのカードとは・・・。



バトルヤバイヤロ2限目 第5~7話

第5話 バトルヤバイヤロ2限目5

ワクのわくわく冒険記シリーズ

*本作は登場人物が多岐にわたるためイラストは基本的に白黒ラフにします。

また本作はグロテスクなシーンを含みます。ご注意ください。




ワク君の残りの手持ちのカードは,

3♣ (5♡ 5♣ 5♢) 6♠  8♡  K♢ (1♡ 1♠) 2♢ ジョーカー(以下jo) 残り11枚



死の「大富豪ゲーム」は続きます・・・。



梶田:8♠ 9♠ 10♠ J♠ Q♠ 8切り階段革命返し





木戸「何っ!?」

秋名「え,ちょっ,ちょっと・・・!」



突然の革命返しに戸惑っているようです。



「(やはり,ここで動いてきたか。序盤であまり

カードを出さなかったのはこの階段を崩したくなかったからか。)」




8切り階段なのでさらに梶田氏の番になります。



秋名「おいおい梶田。なんで革命返しなんて

するんだよ!これじゃあ,俺が勝てないだろうが!」



梶田氏の友人である秋名氏が声を荒げていました。



梶田「大丈夫だよ。僕が1番に上がり,

そのあと,君が上がれるように,考えてあるから。」



秋名「ほっ本当だろうな。」



秋名氏は確認をしました。



梶田「ああ,大丈夫だよ。」



「(いや,それは嘘だ。この人は多分,自分があがることしか考えていない。

なぜなら,今まで場に出たカードから推測すると,秋名氏の残った

4枚のカードは低位から中位のカードしか残っていないはずだからだ・・・。)」




ワク君の推測通り,秋名氏は革命を返されることを想定して

いなかったので手札には低位,中位カードしか残っていませんでした。



梶田:9♣



「(やはり・・・。8以下のカードを出してこない。

俺に切らせて,革命返しされるのを警戒しているのか・・・?)」




ワク:K♢



革命中に上位カードをほぼ出して

しまった二人は何もできませんでした。



梶田:A♢ 縛り



「(こいつ・・・。何を企んでいる・・・!?)」



梶田「ワク君,どうする?パスかな?」



「(自分がここで2を出せば,この後の,定石は・・・1ペアを捨てて,

5とjoで革命返し,そして,8切り,3☘,6♠で上がりだ・・・!

こいつ,まさか最初から俺に革命返しをさせる気でいたのか・・・!?)」




ワク:2♢



「(まぁいい・・・。とりあえず自分が

しっかりと勝ち切ることが大事だ!)」




最強カードなので場が流れます。



ワク:(1♡ 1♠)



これも全員出せません。

さらにワク君の番です。

ワク君は先ほどの手順通り進めます。



ワク:(5♡ 5♣ 5♢)jo 革命



秋名「やった!再び革命がきたー!

これで俺が助かる!梶田の言った通りだな!」



ワク:8♡ 8切り



ワク:3♣ ジョーカーがすでにないので誰も返せない



ワク:6♠ 上がり 



「(ふーっ・・・。よし,生き残った。)」



木戸「え,マジで!?こんなチビちゃんが1番!?

ちょっと待ってよ。助かるのは二人だけでしょ!?あと一人ってこと!?」



秋名「ああ,そうか・・・。これじゃあ俺と梶田の

二人が助かることはできないってことかよ・・・。」



秋名氏は下を向き悔しそうなしぐさをしました。



梶田「まぁ,そういうことになってしまったね。」



秋名「じゃあ,俺が勝ってしまってもしょうがないよな。

だって,このままいけば,俺の有利は変わらない。」



秋名氏の先ほどの悔しそうな態度はフェイクのようでした。



秋名:4♡ 



秋名「(残りは3♡と7♣10♣だけ!この勝負もらった!)」



残り1名の勝者は・・・。



第6話 バトルヤバイヤロ2限目6

ワクのわくわく冒険記シリーズ

*本作は登場人物が多岐にわたるためイラストは基本的に白黒ラフにします。

また本作はグロテスクなシーンを含みます。ご注意ください。




秋名:4♡



秋名「さぁ,お二人さんはパスかなー?」

木戸「アタシはないよ・・・。」



梶田氏が大げさに振りかぶり,

1枚のカードを場に出しました。



梶田:3♠



秋名「おいおい。なんだと!?」



まさに神の一手のごとく,勝負を決めるカードでした。



「(やはり,スペ3を持っていたか・・・。いざとなったら,

俺のジョーカーをこいつで無効化するつもりだったな・・・。)」




梶田:8♢ 8切り



梶田:2♠ 上がり(革命中なので2あがりOK)



梶田「すまない,僕が勝ってしまったようだ。」

秋名「なんだそりゃ!?俺を裏切るのか!?騙したなー!?」



秋名氏は発狂して立ち上がりました。



梶田「ふふっ。騙すつもりはないよ。ただ,君も先ほど

僕を出し抜いて生き延びようとしたでしょ。」



秋名氏は梶田氏の胸ぐらをつかみました。

その手を梶田氏が振り払い,言い放ちました。



梶田「君は昔から出しゃばりで,うざかったんだよ!

やっと死んでくれて清々するよ!じゃあね!」



その瞬間,天井に取り付けられた装置からレーザーが発射され,

秋名氏と木戸氏の頭が吹き飛び,粉々になって飛び散りました。



秋名「ぐふ・・・。」



ワク君と梶田氏は相当の肉片と返り血を浴びましたが,

顔色一つ変えることなく立ちすくんでいました。



そして,ワク君が梶田氏に話しかけました。



「ねぇ,最初から俺を先に上がらせて,

自分が2位で上がるつもりだったんでしょ?」




梶田「へぇ・・・。僕の予想通り,

君は相当賢いね。僕の目に狂いはなかった。」



梶田氏はにこにこと笑いながら答えました。



「なぜ,俺が勝ち残れると思った?見た目はただの小学生だぞ。

普通,まっさきにカモにしようと考えるだろ。」




梶田「このゲームが始まるとき,ルール説明があったろ?あの時,

君はルールを一度ですべて理解したといっていた。

開始後,しばらく様子を伺っていたが本当に理解していると確信した。

相当,頭が切れるんだろうと思ってね。僕の作戦に利用させてもらったのさ。」



梶田氏は頭部のなくなった秋名氏の死体を足蹴にしながらそう言いました。



「なるほど。俺はまんまとあんたに利用されたってわけか。

だが,次はこういうわけにはいかないぜ。

特に友人だった奴の亡骸を足蹴にするような男にはな。」




ワク君はそう言って,その場を離れました。

先ほど2名の死者が出ましたが,他のテーブルでは

それどころではありませんでした。



何せ,負ければ自分が彼らのようになってしまうわけですから必死です。



ワク君はトシ君が対戦しているテーブルにやってきました。

そしてトシ君のカードを後ろから見てみました。



その時,トシ君が叫びました。



「だぬちゃん,プリーズ!だぬちゃーん来ておくれー!

だぬちゃん相手なら勝てるんだー!イツキはダメだ!オイラをすぐはめるから!」






意味の分からないことを言っていました。



トシ君と対戦していた中年の男性が急に立ち上がりました。



男性「もう,こんなこといやだ!嫌だ~!」



そう言って,扉に向かって走り出しました。

どうやら逃げ出すつもりです。



しかし,抵抗もむなしく,容赦ない

レーザー光線によってその場に倒れました。



さらに,もう一人がパニックのあまり,

出せないはずのカードをその場に出してしまいました。



これが不正行為とみなされ,同じく中年の

男性はペナルティで頭を吹き飛ばされました。



運よく,そのテーブルにいた白馬氏と

トシ君は生き残ることができたようです。



第7話 バトルヤバイヤロ2限目7

ワクのわくわく冒険記シリーズ

*本作は登場人物が多岐にわたるためイラストは基本的に白黒ラフにします。

また本作はグロテスクなシーンを含みます。ご注意ください。




トシ君は運よく生き残ることができました。



「冷や冷やさせるなよ・・・。今回ばかりは

死んだと思ったぞ。本当に悪運だけは強いな。」


「まぁね!」



そして,他のテーブルでも

次々とゲームが終了していったようです。



頭を吹き飛ばされて倒れていき,

死体の数だけが増えていきました。



その様子に耐えられず多くの人が正気を失っていました。

しかし,まだ教室から出ることはできませんでした。



放送「キーンコーンカーンコーン。」



白馬「チャイムだ・・・。」



教室にチャイムが鳴り響きました。



放送「生き残った,生徒諸君!おめでとう!

2時間目の学活は楽しめたかな?

3時間目はみんなの大好きな体育だよ!

1階に更衣室があるから,体操服に着替えて,

運動場に集合だ!放課は10分間しかないから急ぐように!」



放送が切れると,教室の扉が開きました。



生き残った真木氏がワク君たちに話しかけてきました。



真木「やはり,君たちは生き残ったんだね。

本当にすごい子供たちだ。白馬さんも無事みたいだね。」



白馬「おかげさまで何とかね・・・。」



白馬氏もやれやれといった感じでした。



「真木さんも無事で何よりです。」



しかし,真木氏の表情は明るくありませんでした。



真木「僕はなんとか,勝ち抜けたんだが,記者のマスミさんは

ダメだった・・・。僕を助けるためにわざと負けてくれたんだと思う・・・。」



真木氏は涙を流しました。



「マスミさんの死を無駄にしない為にも生き残りましょう。

そして外に出てここで行われた残虐な行為を公にする必要がある。」




ワク君が真木氏を励ましました。

今回のデスゲームでは,32人中半分の16人が生き残りました。



1-Aの教室から生き残ったのは,



ワク君,トシ君,大学生の真木,女子高生のアヤネ,IT社長の白馬,

暴走族リーダーの郷田,主婦の山岡,気が強そうなOL風花の8人でした。



中年サラリーマンの藤田氏や郷田の

部下も犠牲になってしまったようです。



アヤネ「よかったー。知り合いがいるー。」



アヤネがワク君たちに近づいてきました。



アヤネ「さぁ,早く1階に行こうよ。時間がないよ!」



いつの間にか教室の扉が開くようになっていました。

生き残った16人は1階へ向かい,男女それぞれの更衣室を見つけました。



そこには,ロッカーがあり,自分たちの名前が書かれていました。



中を開けるとゼッケンの張り付かれた体操服がハンガーにかかっていました。

急いでそれに着替え,土間から運動場へ出ました。



外は真っ暗でした。星の光も見えません。



また,校舎の外には建物が一切ないようです。



真っ暗な空間に校舎と運動場だけが浮いているような状態でした。



外は真っ暗でしたが,運動場には照明灯がいくつも

とりつけられており,明るさには不自由しませんでした。



グランドに立っていると突然,放送が入りました。



放送「さぁ,次の授業が始まるよー!!」



「今度は何が始まるんだ・・・!?」



この運動場で何が始まるのでしょうか。







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