リクの少年昆虫記-過去のお話-

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目次


第17話~第20話

2013/11/20

第17話 ぼくたちの昆虫採集
リク「さぁ,今日こそはカブクワを採集するぞ!」

まさら「うん,がんばる~!私,コクワちゃんが欲しいの!」

トシ「今日も暑いよぉぉぉ。」

「この,黒髭(くろひげ)神社はよく採れるから楽しみだね。」

だぬ「ちょっちょっと!」

「うん?」

「前回,夏休みが終わりのような会話してませんでしたっけ?
最終回じゃなかったんですか?」


「何言ってるんだよ,だぬちゃん!」

「そうよ,まだ夏休みは始まったばかりじゃない!」

「あれ,そうでしたっけ…?サザエさん時空…?

 いつき「そうだな。しかし,宿題は早めにやらないとな。」

「宿題よりも昆虫採集だよ!」

「あ,ここの木も見てみようよ!」



「う~ん,いないかなぁ…。」

「ほら,どうせ採れませんよ~。」

「ぎゃぁぁぁ。」

「どうしたの,トシ。」

「ゴキブリがいたぁぁぁ。」

「ゴキブリくらいいるさ,
神社だから木がたくさんあるからね。」


「おや?リク君,こっちの木に来て下さい。
木のすきまに何かいますよ。」


「どれどれ?」



「おお,ノコギリクワガタだ!」

「ぎゃぁぁぁ。」

「おお~!」

「お手柄だね,だぬちゃん!」

「いえいえ,余裕ですよ!」



この日は,黒髭神社で,ノコギリクワガタを1匹採集することができました。

クワガタは樹液に集まる場合が多いですが,

今回のように木のウロなどのすきまにかくれていることもあります。

ウロとは木の太い枝などにできた空洞の事です。

木の隅々までよく探してみましょう。



 「採れたから満足だろ,リク。

明日は図書館で読書感想文を書こうな。」


「ええぇ~!?」

「確かに宿題もやっていった方がいいかもね。」

「そんなぁ~。宿題,嫌ですよぉ!?」



リク君たちの昆虫採集はまだ始まったばかり。

これから,この夏休みにどんな体験ができるのか楽しみです。

でも,宿題もしっかりやりましょうね。



第18話 リクの下見ポイント講座
「今日はみんなに,カブクワ採集で必要な

“下見のポイント”を教えてあげるよ!」


「この暑い中でですか~。誰もそんな事,望んでませんよ~。」

「まぁまぁ。」

「この“犬山雑木林”は下見のポイントを

解説するにはちょうどいいんだ。」


「一人だけやる気まんまんですね…。」

「まずは,木を見てみよう。カブクワは樹液に集まるからね。」



「樹液がすごく出てるね~。」

「それから,クヌギやナラの木を探すことが大事だよ。」

「でも,どれも同じような木に見えますけど~…。」

「これが,ナラ科のコナラの木の葉だよ。」



「なるほど~。いつもリク君は葉を見てますもんね。」

「もし木の区別がわからなくても,カブクワが集まり易い木の見分け方を教えてあげよう!」

「へぇ,そんな方法があるんだ。でも暑いね…。」

「それは,ドングリが落ちている場所を探すんだよ。」



「あとは,カナブンがいる木を探すんだ。」



「カナブンですか~。しかし,暑いですね…。」

「リク君暑くないかな…?」

「全然!」



この後もリク君の下見ポイント講座は続きました。



「結論。こんな暑い中,下見なんてするもんじゃないとだぬは思うよ!」

「え~,なんで!?」



熱中症に気をつけて下見をしましょう。



第19話 GO!ペットショップ




リク君達は行きつけのカブクワペットショップに来ていました。



「こんにちは,店長さん!!」

店長「お,リク君!今日はお友達も一緒かい?」

「うん,少年昆虫団のみんなだよ。」



あいさつをすませ,奥に入っていきます。



「へぇ~。いろんな種類のカブクワがいますね。」



「怖いよぉぉぉ。」

「トシ君…。」

まりん「いらっしゃい。」

「まりんちゃん。お久しぶり!」



「リク君,この方は?」

「まりんちゃんっていって,大学生なんだ。

このカブクワショップ“キング”のバイトをしているんだ。」


 「へぇ…。」

店長「そういえば,頼まれていたモノが届いているぜ。」

「ありがとう,店長さん!」

店長「ほら,見てみな。久留米産のオオクワペア,♂73㎜,♀50㎜だ。」

「違いがわからないですね~。素人には。」

「おお~。すごいなぁ。やっと手に入った~。」

「っていうか,採集しないで購入してていいんですか?」

「オオクワに関してはいいんだよ。繁殖目的だし。」



まりん「がんばって飼育してね。」

「大きいね~。黒く光ってカッコいいなぁ!でも高いんでしょ!?」

まりん「それはそうよ。オオクワは黒いダイヤって言われているくらいなんだから。」

店長「いつもリク君とお父さんには世話になっているからな。サービスだ。」

「黒いダイヤですか~。」

「(黒いダイヤ…。)」

「クワガタ,怖いよぉぉぉ。」

「(漆黒の追跡者達が探していた昆虫…。)」

「軍手あれば触れるかもぉぉぉ。」

「(もしあいつらがこの名古屋にいるとしたら

どんなところに住んでいるんだろう…。)」


「ねぇねぇ,店長。」

店長「ん?なんだいリク君。」

「そういえば,お店の裏の古いアパートって誰か住んでいるの?」

店長「いや,あそこはずっと空き家だな~。」

まりん「どうしたの,急に。」

「あっいや。何となく気になっただけだよ!」

「じゃあ,帰って夏休みの宿題でもやろっか!」

 「そうだな,もうすぐまた出校日だしな。」

まりん「気をつけて帰ってね。」



なぜか,古いアパートのことが気になったリク君でした。

でも,念願のオオクワペアを入手したので今はあまり気にとめませんでした。



「そういえば,今回は採集にいきませんでしたね。」

「たまにはそんな日もある!」



第20話 夏休みの目標




少年昆虫団の皆と図書館に行った帰りに,

歩きながら何やら雑談しています。



「ちゃんと夏休みの宿題もやらなくちゃだめだよ!」

「宿題はちょっと無理だなぁぁぁ。」

「めんどくさいよ~!」

「だぬは宿題なんて余裕ですよ。」

 「嘘だな…。」

「宿題なんてあとあと~!」

「でも,リク君,宿題を早めにやるって

夏休み前に目標を立てたじゃない!?」


「うげっ,そうだっけ!?」

「そうだよ!」





―1学期終業式―





2年B組 担任 栗林先生



栗林先生「みなさん,いよいよ夏休みですね!」

みんな「はぁい~!」

栗林先生「夏休みをダラダラ過ごさないように,

しっかり目標を立てましょうね。」

みんな「はぁい~!」

「リク君の夏休みの目標は?」

「それはもちろん,カブクワを採ることだよ!でっかいやつをね!」

「先生,リク君が遊ぶことばかりしか考えてません~!」

みんな「ははははっ。」

栗林先生「リク君,昆虫採集もいいですけど,

勉強もしっかりやってくださいね。」

「はぁい…。最初にやってしまいます~。」

栗林先生「うん,それがいいですね,頑張ってください。」

「うへぇ…。」

栗林先生「それでは,次は出校日に会いましょう。

お元気で。終わります~。」

級長「きりーつ。」



―回想が終わり,歩き続ける少年昆虫団―



「言われてみればそんなこと言ってたな…。」

「目標を立てたらやらないとだめだとだぬは思うよ。」



「宿題,がんばろうね!」

「はいはい…。」

「PS5が出るまで,家でPS4でもやりましょう!」

「そうだね,たまにはゲームでもやろう~。」

「あれ,だから宿題は?」



楽しいこともやりたいけれど,宿題は先にやっておきましょう。





第21話~第24話

2013/11/29

第21話 ノアの書

ノアシリーズ~序章~
少年昆虫団は中野木図書館で宿題をやっているようです。



 「さてどの本を借りようかな。」

「いつき君,電子データで借りるの?」

 「当然だよ。今の時代,紙でできた本を

借りて行くなんてかさばることをするわけがないだろう」


「そうだよね。」

「う~ん,漢字は読めないなぁぁぁ。」

「じゃあ,感想文書けなくない…?」

「だぬは車の本を読みたいと思うよ。」



それぞれ,読みたい本が決まったようです。

みんな,本を真剣に読んでいます。

しばらくして,いつき君が読み終わった本を本棚に返しにいきました。



 「え~と,この辺りだったかな。」



 「ん?なんだ,この本。」



いつき君がリク君を呼びました。



「どうした?」

 「リク,この本をみてくれ。」



「お?表紙はカブトムシじゃん。カッコいい~!」

「どうしたの?」



まさらちゃんやだぬちゃんも集まってきました。



「表紙のカブトはヘラクレスだね。」

「ヘラクレス?」

「外国のカブトムシですごく大きいんだって。」

「へぇ~。」

「この本がどうかしたの?」

 「裏表紙に書かれたメモ書きを見てくれ。」

「英語ですか。読めないですね…。」

 「“About a diamond of the jet black”と書いてある。」

「なっ!?」

「読めないぃぃぃ。」

「“About a diamond of the jet black”…。

つまり『“漆黒の金剛石”について』…と言う意味だ。」


「えっ!!」

「“漆黒の金剛石”って“漆黒の追跡者”が

探している昆虫じゃないですか!?」


「うん,そうだったね。すごく悪い奴らなんだよね。」

「表紙にはなんて書いてあるんだ?」

 「“Noah's arc”…。」

「ノア…?何…?」

「ノア'sアーク。どういう意味だろ…?」

 「“ノアの書”といったところか…。」



果たしていつき君が見つけた謎の本…。

この“ノアの書”の正体とは?



第22話 聖なる箱舟伝説

ノアシリーズ~序章~
いつき君が見つけた謎の本。

そこには“Noah's arc”のタイトル。

そして裏には“About a diamond of the jet black”とメモ書きが…。



 「これは,さしずめ“ノアの書”ってところか…。」

「ノアの書…?」

「本の内容は!?漆黒の金剛石について何か書いてあるんじゃ…!?」

 「…。」

「いつき君…?」



 「And it came to pass,
when men began to multiply on the face of the earth…」




一同「…。」



 「… so did he.」

「何かの呪文ですか?」

 「本の前書きに書かれている文章だ。」

「なんて書いてあるの??」

 「これは,旧約聖書の『創世記』,
第6章に書かれている文章とほぼ同じだ。」


「第6章ってことは,ノアの箱舟伝説に関する部分だね。」

「じゃあ,この本は宗教の本ってことなのかな?」

 「いや,そうでもなさそうだ。
これは何かの研究に関するマニュアル…か?」


「ついていけないなぁぁぁ。」

「トシ君,情けない!」

 「他にも人の名前,
ラッ…ド,コノ…リー,メイ…デン…?
色々出てきている。研究者の名前か?」


「むむ!?」

 「よし,この本を借りて行こう。」

「さすが,こういう本は好きだね,いつき君。」

 「ああ,昆虫採集なんかより,こっちの方がずっとおもしろい。」

「グサッ。なんかひでぇ…。」

「でも,この本,貸し出し用のラベルが付いてないよ。」

「ほんとだ。なんでだろ?この図書館の本じゃないのかな?」

「じゃあ,館長さんに聞いてみようよ。」

 「そうだな。」



カウンターに行き,館長さんを呼んでみました。





中野木図書館 乃木館長



乃木館長「これはこれは,少年昆虫団のみんな。どうしたんだい?」

 「この本について聞きたいんだ。」

乃木館長「こんな本は見たことないね。この図書館の本じゃないね。」

「誰かの忘れ物ですかね?」

乃木館長「そうだとしたらごく最近だね。先週,書庫の一斉点検を行ったばかりだから。」

 「なぁ,この本を借りて行ってもいいかい?」

乃木館長「本当はだめ…。」

 「そこを何とか。悪いようにはしない。」

乃木館長「まあ,君たちなら信頼できるからね。貸し出そう。

ただ,持ち主が出てきた時は返してもらうことになるけど。」

「よかったね,いつき君。」

 「ああ,この夏休みは楽しくなりそうだよ。」

「“漆黒の金剛石”について何かわかったら必ず教えてね!」

 「わかってる。」

「あ!」

「だぬちゃん,どうしたの?」

「結局,だぬとトシ君,明日,出校日に

提出の読書感想文書けてないですよ!!」


「う~ん。残念。」





しかし,この“ノアの書”が後にあの“失踪事件”の

引き金になるとはこの時,誰も思っていませんでした。



第23話 少年昆虫団の対決 前編
今日は夏休みの出校日のようです。

登校中,リク君といつき君が会話しています。



「昨日借りた“ノアの書”について何かわかった?」

 「いや,全然。」

「そっかぁ。」

 「とにかく難しい単語が多すぎてね。

解読にはまだまだ時間がかかりそうだ。」


「手伝おうか?」

 「いや,大丈夫。それにとっかかりはあることはあるんだ。」

「わかった。じゃあ何かわかったら教えてね。」

 「ああ。」

「なんか2人とも楽しそうだね。もうすぐ学校に着くよ。」





学校に登校するとすぐに学活が始まりました。

トシ君だけは隣のクラスです。





栗林「それでは,学活を始めます。」



すると突然,教室の扉が開きました。





???「おい,リクはいるか!?」

「げっ!?あれはC組のスナ…。」

スナ「今日こそ,どちらが“本物”の少年昆虫団はどちらか,

今から対決だ!!」

「いきなり現れて,

相変わらず痛い発言ばかりですねぇ…。」


栗林「だめです,スナ君,隣の教室へ戻りなさい。」

「ぷ,ぷーっ。」

スナ「そっそんな。嫌だ,今から“昆虫対決”をするんだ!」



栗林「すぐに戻りなさい。これ以上,

言うことを聞かなければ指導対象です。

この後,指導が入り保護者にも連絡をしなければなりません。

それでもいいですか?」



スナ「はい,わかりました。戻ります。」



栗林「(しかし,担任の指導が行き届いていないとスナ君のように

なってしまうものなんでしょうかね…。)」

 「ばかすぎる…。」

スナ「リク,その他のメンバーも学活終了後,この教室に残れよ!

逃げるんじゃないぞ!」



そして,出校日の学活が終わりました。

どうやらスナ君はリクをライバル視しているようです。

トシ君も隣のクラスから合流しました。



スナ「またせたな。担任の安井先生の話が長くてな。」



「久しぶりに5人そろっている所を見た…。」

スナ「俺たちこそが真の少年昆虫団だ!」

「うん,それでいいよ…。」

スナ「よくないぃ!対決をして勝った方が少年昆虫団を名乗るんだ!」



栗林「おもしろそうですねぇ。先生も実は昆虫が大好きなんですよ。」



スナ「公平を期して栗林先生に審判を

やってもらいたいですが,いいですか?」



栗林「いいですよ。では,こうしましょう。

それぞれ5人いますので,

代表者を一人ずつ出してください。

そして,先生が出題する映像を見て,昆虫の名前を答えるんです。

先に3勝したチームが勝利です。」



「なんか面倒くさいことになっているような…。」

「自信ないなぁぁぁぁ。」

「面白そうだね,それでいいですよ。」

栗林「ジャンルは,トンボ,バッタ,セミ,チョウ,カブクワの

順でいきましょうか。それぞれ得意なジャンルで勝負すると

いいかもしれませんね。」



という訳で少年昆虫団の“名前”をかけて

昆虫の名前当て対決が始まりました。

作戦会議の結果,次のように対戦が決まったようです。

ちなみに,出題される写真はwifi機能で

クラウドコンピュータ上から

瞬時にダウンロードされ,

ペン型プロジェクトから映し出されます。



第1戦 トンボ対決

だぬVSタコ

    



第2戦 バッタ対決

トシVSジャイ

    



第3戦 セミ対決

いつきVSサラ

    



第4戦 チョウ対決

まさらVSオジョー

    



第5戦 カブクワ対決

リクVSスナ

    





さて,対決の行方は…?

後編に続く。



第24話 少年昆虫団の対決 後編




リク君達は少年昆虫団の名前をかけて

隣のクラスのスナ君と昆虫の名前当て対決を

行うことになりました。

はたして勝つのはどちらでしょうか?





第1戦 トンボ対決

だぬVSタコ

    



栗林「全て早押し問題です。ただし,間違えた場合は

解答権がなくなるので注意して下さい。」

「本気で行きます。悪く思わないでください。

だぬは本気だよ。トンボはそこそこ詳しいよ。」


タコ「ぬぼ~。」

栗林「では,第1問。このトンボの名前を答えて下さい。」



ピンポーン!

タコ「ぬぼ!」

栗林「タコ君,答えをどうぞ。」

タコ「ウスバキトンボぬぼ!」

栗林「正解です~!」

タコ「羽の先のマークと体の色が特徴ぬぼ。ちなみにこれは♂ぬぼ。」

「いや…,そんなの知らないし。

何,そのマニアックなトンボ…。」


「ああ,だぬちゃん負けちゃった~。」

 「まぁ,期待はしていなかったが…。」

「あれ,だぬの出番もう終わりですか…?」

スナ「はっはっはっ!」



第2戦 バッタ対決

トシVSジャイ

    



栗林「第2問。このバッタの名前を答えて下さい。簡単ですね。」



ピンポーン。

栗林「トシ君,答えをどうぞ。」

「この虫怖すぎて見れないよぉぉぉ。」

「うほ~。何それ…。」

栗林「時間切れです。ジャイ君に解答権が移ります。」

ジャイ「がはははっ。簡単ですぜぃ。こいつはクツワムシだぜぃ。

ガチャガチャガチャとなくぜぃ。」

栗林「ずばり,正解。スナ君チームは

次の人が勝てば勝利になります。」

「リク君,どっどうしよう~。負けちゃうよ。」

「次は,いつき君だから,大丈夫だよ。」

「そっそっか。」

 「ふっ。」



第3戦 セミ対決

いつきVSサラ

    



栗林「第3問。このセミの名前を答えて下さい。

いわゆるセミの抜け殻ですね。」



ピンポーン。

栗林「いつき君,答えをどうぞ。」

 「俺はセミに興味ない。」

「え…。」

サラ「はい。これはエゾゼミでしょう。

アブラゼミの幼虫よりもおしりの縞が目立のが特徴でしょう。」

栗林「ずばり,正解です。」

「あれ?負けちゃったよ。」

「うそー。」

栗林「と言う訳で,スナ君チームの勝利です。」

「あれ?ボクの出番は?」

「ないですね。」

スナ「情けないな,リク!

今後は,俺達が少年昆虫団の名前を使わせてもらう!」

「ちょっと待って。栗林先生,もう一度対決させて下さい。」

栗林「う~ん,残念ながら,先生は午後から

ちょっと予定が入っていまして。

時間がもうないんですよ。」

「え~。」

「ひょっとして,稲姫先生とデートですか。」

栗林「ふほほほ,どうかな~。」

一同「(デートだな。)」

栗林「では,今日は解散。まっすぐお家に帰るように!」



少年昆虫団の名前を奪われてしまったリク君達。

はてはて,困ったものです。



第25話~第28話

2014/1/23

第25話 黒の影

ノアシリーズ~第1章~
名古屋の国道を走る車がありました。



そう,あの漆黒の追跡者達です。





山本「クライアントから新しい依頼が来た。」

南雲「え。」

古賀「しかし,まだ,“漆黒の金剛石”だって

見つかっていないじゃないですか。」

南雲「それなのに,新しい依頼ですか…?」



山本「先日,クライアントの研究所から

“ある研究記録”が盗まれたらしい。」

南雲「へぇ,そんなことが。」

山本「盗んだ男はその研究所の所員。

その裏切り者の名前は“小早川”。」

南雲「馬鹿な男ですね。」



山本「小早川は現在も行方不明。」

古賀「つまり,この写真の男を探せってことですか?」

南雲「俺達は探偵じゃありませんよ?」

山本「依頼内容は研究記録の奪還と…。」

南雲「?」



<山犬リーダー 山本>



山本「小早川の抹殺だ。」

南雲「なるほど,我々向きの仕事ですね。」

古賀「でも,なんでまた…?」

山本「小早川が盗んだ研究記録は

奴らの間では“ノアズアーク”と呼ばれ,

厳重に保管されていたようだ。

あれが世間に公表されると組織としても非常にまずい。」



<山犬 南雲>



南雲「その前に口封じするわけですか。」

古賀「見つかりますかね?その男。」



山本「見つかるさ。すでに目星はつけてある。」




どうやら,再び“黒の影”が動き始めたようです。



第26話 裏切りの小早川

ノアシリーズ~第1章~
蒸し暑い夜…。

―名古屋市 野山公園―







小早川という名の中年の男性が追っ手から逃げています。

理由は所属する研究所から極意の研究資料を持だしたからです。



小早川「はぁ,はぁ…。もう追いついてきたのか。」



必死で逃げますが,追っ手も数が多いようです。



小早川「この資料,“ノアズアーク”だけは何としても…。

何としても持ち帰らなければ…!」



追っ手A「そっちにはいたか!?」

追っ手B「いえ,いません…!」

追っ手C「くそっ,あの野郎どこへいきやがった!」

追っ手A「でも,一体,何の資料を持ちだしたんですか?」

追っ手C「知るかよ,とにかく所長の命令だ。

裏切りの小早川を捕まえて資料を取り戻せと。」

追っ手B「俺達のような下っ端所員には

知らなくていいこともあるんだろうよ…。」



彼は息を殺し,公園の茂みに身を潜めています。

少しずつ,追っ手が近付いてきました。



小早川「(このままではまずい…。

捕まったら“ノアズアーク”も奪い返されてしまう…。)」







……



………



その時,小早川の目に大きな建物が映りました。

見た目は古いですが立派な図書館でした。



リク君達がたまに訪れる中野木図書館です。



小早川「(よし…。)」



追っ手の目をかいくぐり,中野木図書館へ向かいました。

研究所から持ち出した資料“ノアズアーク”を,この図書館に隠し,

後日改めて,取り出そうとしたようです。



それは,もし捕まっても,彼らの手に資料を

渡さないための苦渋の決断でした。



この二日後,少年昆虫団のイツキ君が

“ノアズアーク”を手にし,“ノアの書”と

名付け,資料の解析を試みることになるのです。



ところでリク君達は,

出校日があった日の夜に

“大牧山”で昆虫採集をしていました。



「よーし,今日も沢山,昆虫採集するよー!」



「もうやめましょうよ~。」

「あれ,イツキ君とトシ君が来てないみたいだけど?」

「あ,実はね…。」



今日も元気に昆虫採集。

でもメンバーが2人いないようですが…?



第27話 進撃のトシ…じゃない?
リク君,まさらちゃん,だぬ君はの三人は

大牧山でカブクワ採集をしていました。



「なんでトシ君といつき君いないんですか?」

 「トシはあの後,風邪ひいて熱が出て,家で寝込んでいるみたい。」

「え,トシ君って風邪ひくんですか!?」

 「なぁ,ボクもびっくりだよ。」

「失礼だよ,2人とも!」

 「いつき君は,“ノアの書”の解読を進めたいから忙しいんだって。」

「いいなぁ。」

 「まぁ,今日は三人でたくさん採りましょう~!」

「久しぶりに昆虫採集している気がしますよ。」

 「何いっているんだよ。毎日しているじゃん!」

「それならカイリちゃんも呼べばよかったのに。」

「リク君の妹ですね。」

 「えー,やだよ。」



このように雑談しながら三人で

昆虫採集を楽しんでいると,

突然,地面が揺れはじめました。



「なんか,嫌な予感がします…。」





どっすーん





どっすーん




どっすーん





「なっ何!?地震!?」





「ぬおおおお~!!!

進撃の巨…」


「きゃぁぁぁぁ!??」

 「なんちゅうでかさだ…! 大気圏外まであるんじゃないか!?」

「トシ君の“愚王の威厳”なんじゃないですか,あれ!」

 「トシは熱で寝込んでいるはずだって!

それに“愚王の威厳”じゃあ,

あそこまででかくはなれないよ!」


「じゃあ,あれは何なの!!

 「わかんないよ!!」

「とにかく逃げましょうよ!」

 「うっうん…!」



まさらちゃんがいきなり目をつぶり始めました。



「慈愛の戦乙女!!」

 「え。」

「こっちから行く道が山を降りる近道みたいだよ。

そこにいるクワガタちゃんに聞いたの。」






「おお,さすがですね,まさらちゃん。 リク君行きましょう!」

 「おっ,ホントだ。こんなところにミヤマクワガタが! 捕まえたー!」

「ええ~!道を教えてくれたクワガタ捕まえちゃうんですか!?」

 「そりゃ,そうよ。カブクワ採集に来ているんだから。」

「くすん…。」



無事に山を降りることができたリク君たちでした。

しかし,あの巨大な影はなんだったのでしょうか?

謎がまた一つふえてしまったようです。



第28話 世界!カブクワ発見!?
今日はリク君のお家に集まっていました。



 「昨日見たあの巨人の影は一体何だったのかなー?」

「トシ君,本当に知らないんですか?」

「知らないなぁぁ。」

「そういえばトシ君,風邪治ったんですね。」

「寝たら一日で治ったぁぁぁ。」

「さすが!」

「イツキ君は今日も来てないの?」

 「そうなんだー。あいつ,

ハマると周りが見えなくなる奴だからねー。」


「カイリちゃんは?」

 「あいつはお母さんと買い物に出かけたよ。」

「へぇ~。」

 「今日はみんなに見せたいものがあるんだ。」

「なんですか?」

 「これだよ。」





「わー,すごい。何て名前!?」

「わぁぁ!?ちょっとこれは無理だなぁぁぁぁ。」

「情けない!」

「これは,エレファンスゾウカブト。

主に中南米に生息する世界最重量級のカブトムシなんだ。」


「へぇー。」

 「そしてこれが,ネプチューンオオカブト。

こっちが,ヘラクレス・リッキー。」










「うーん,あんまり違いがわかりませんね。」

 「全然違うでしょ!」

「カブクワキングで買ったの?」

 「まぁね。伊藤店長が安く譲ってくれたんだ。」

「このヘラクレスってカブト,イツキ君が調べている“ノアの書”の

表紙に描かれていたカブトだよね。」


 「そういえば,そうだね。」

「じゃあ,漆黒の追跡者が探している昆虫ってこれなんじゃないですか?」

 「いや,こいつら日本には生息してないから。」

「例えば誰かが飼ってたカブトムシが

逃げ出してそれを探しているとかー?」


 「!!」

「どうかしたんですか?」

 「(まさか…。でも,

そんなことがありえるのか…?)」


「腹減ってきたぁぁぁぁ。」

 「よし,今から“キング”へ行こう。」

「え,ヤキニクゥゥゥ?」

 「違うよ!カブクワショップの“キング”だよ。」

第29話~第32話

2014/3/5

第29話 探偵はBARにいない

ノアシリーズ~第1章~
名古屋のとある繁華街に雰囲気の良いバーがあります。

名前は“リ・セ・ッシュ”。

“彼ら”にとってお気に入りのお店のようです。

そこに二人の男がバーカウンターでお酒を飲んでいました。







南雲「古賀さんは来てないんですね。」

山本「あいつは“後始末”をしている。」

南雲「あー,なるほど…。」



そういうと彼は愛用のタバコ,“シュガーライト”に火を付けた。



今村「隣,いいですか?」



現れたのは“海猫”のリーダー,今村でした。









山本「珍しいな。お前がこんな場所にくるなんて。」

今村「たまには来ますよ。」

南雲「そうなんですか…。」

今村「マスター,バーボンをロックで。」

南雲「牟田さんと山下さんは大丈夫なんですか?」

今村「ライフルで撃ち抜かれてますから。

しばらく,お仕事は無理そうですねぇ。」

南雲「そうでしたか…。」



*詳しくは第10~16話参照


今村「その代わり,御前”にお願いして組織から部下を二人ほど手配してもらいました。」



山本「“御前”が…?」



今村「ええ。優秀なのを配属してくださいました。」



山本「ほう。どんなやつらだ?」



今村「一人は“大西”という男でキレ者です。」



南雲「もう一人は?」



今村「もう一人は組織では“影(シャドー)”と呼ばれていた人物です。

本名は私も知りません。組織でも謎の多い人物だそうです。」

南雲「そんな奴がいたんですね。」



今村「昔,演劇をやっていたそうで,変装なんかは得意だそうです。

二人ともここにはいないので,今度紹介しましょう。」

山本「で,そのキツネのような探偵を使って何をしようとしている。」

南雲「探偵はBARにいない…か。」



バーボンのロックに手をつけることなく,

今村は再び話し始めました。



今村「各務原山で我々の行動を監視していた少年たちがいましたね。」





山本「平成のファーヴルか。今度見つけたら,俺達が“消す”。」

今村「何も知らない無実の子供を消すというのは物騒ですねぇ。」

山本「奴らが何かを掴んだ可能性もある。

疑わしきは消すのが俺のやり方だ。それがたとえガキでもな。」

今村「それを調べるために“影(シャドー)”に動いてもらっています。」

南雲「どうやって調べるんですか?」

今村「詳しくは言えませんが,

彼らの周辺に住む住人を装うか,親しい人に変装するか…。

おっと,しゃべりすぎましたね。」



彼はそう言うとその場を去って行きました。



南雲「あれ?今村さん,お酒に手をつけてないですね。」

山本「俺が自白剤を入れたことに気づいていたらしい。

まったく喰えねぇヤロウだ。」

南雲「さすがは“仏の今村”ってことですか…。」



そして夜も更けていきました。



第30話 引っ越してきた隣人

ノアシリーズ~第1章~
少年昆虫団は主にカブトやクワガタを専門に

扱っている“キング”というお店に来ていました。







 「何で俺まで…。今日は忙しいんだ。」

 「まぁまぁ。そう言わないで。」

 「まったく…。」

 「それで,“ノアの書”について

どこまでわかったの?」




イツキ君は一呼吸おいてから話し始めました。



 「本の終わりのページに“USBメモリ”が

添えつけられていたんだ。」


 「USBって昔,良く使われていたよね?

で,その中身は!?」


 「パスワードがかかって見られない。」

 「パスワードかぁ。」



「リク君,店長さん達来ましたよ。」

「ここはいつ来てもこわいなぁぁぁ。」



まりん「みんな,いらっしゃい。」



「まりんさん,こんにちはー。」



まりん「こんにちは。」

店長「おう,どうした,みんなそろって。」



 「伊藤店長。ちょっと聞きたいことがあるんだけど。」



店長「なんだい?」



 「最近,このお店でヘラクレスを買ったお客さんっていないかな?」



店長「え?なんでそんなことを聞くんだい?」



 「あ,えっと,ちょっと…宿題だよ!」



店長「宿題?」



 「うん,外国産のカブトムシをどういう人が

買っていくのかっていう市場調査だよ!」




店長「なるほどね~。」

まりん「さすがリク君だね。」





店長「でも,残念ながらいないなぁ~。

ヘラクレスは最近入荷したばかりだからまだ売れてないんだ。」



 「そっか~。残念…。」





店長「話は変わるけどよ,

この前言っていた,裏のアパートなんだけどな。」



「ほとんど誰も住んでいない気味の悪いアパートだよね。」



店長「おうよ。そこに誰か住み始めたみたいなんだよ。」



 「え!?」



まりん「怪しい人っぽいから近付いたらだめだよ!」



「そうですね,そうします。」



店長「じゃ,俺はちょっと仕事があるから,またな~。」



伊藤店長はそういって奥に行ってしまいました。



 「ねぇ,まりんちゃん。

店長の様子,最近,変わった事とかなかった?」




まりん「そうねぇ~。強いて言えば…。」



 「うん。」



まりん「前に比べて優しくなったかなぁ~。。

仕事でミスしてもあまり怒られなくなったの。」



 「それだけ?」



まりん「うん。多分…。」



 「そっか,ありがとう。」



そして少年昆虫団はキングを出ました。



 「よし,裏のアパートに行ってみよう。」

「いや,何が“よし”なんですか?

今,まりんさんから“アパートに近づくな”って

言われたばかりじゃないですか。」


 「そのアパート,何か気になることがあるのか?」

 「いや,なんとなくだけど…。

ひょっとしたら“漆黒の追跡者のアジト”なんじゃないかなって思って。」


「いやいや,飛躍させすぎでしょ!?」



話し合った結果,こっそりとそのアパートを見に行くことになりました。







「幽霊が出そうだなぁぁ。ヤバイよ!」

 「誰もいない…。出かけているのかな。」

「ねぇ,もう帰ろう。怖くなってきたよ。」



すると,少年昆虫団の後ろに人影が現れました。





果たしてその人影の正体とは?



第31話 カメレオンの大学生

  ノアシリーズ~第1章~
少年昆虫団はアパート“古巣”に来ていました。

リク君達がアパートの様子を伺っていると後ろから人の気配がしました。

???「君たち,人の家の前で何をしているんだ。」

「誰!?」

???「誰って俺はこのアパートの住人だ。先週,引っ越してきたんだ。

そういう君たちこそ何なんだ!?人の部屋をのぞこうとして。」





 「僕たちは少年昆虫団です。僕はリク。」

???「はぁ…。少年昆虫団?」



彼は少し不機嫌そうな顔をしてリク君達をにらんでいます。

その姿はとても奇妙に思えました。



「なんかこの人ヤバそうですよ…。」

???「失礼だな。確かに見た目はだらしないけどな。

これは仕方ないんだよ。」

 「どういうこと?」

???「昨日は大学で遅くまで研究していたから

結局泊まり込んだんだよ。」

 「大学生…?」

???「正確には大学院生だけどな,専門は昆虫学だ。」

 「昆虫学…!?」

???「さあ,もういいだろ。オイラは疲れているんだ。

さっさと部屋に入って一眠りしたい。」

「あ,ごめんなさい。」

 「ねぇお兄さん,名前なんていうの?」



少し間が空いた後,彼はこう名乗りました。



???「大学の連中にはカゲレオンって呼ばれているよ。」

「変な名前だなぁぁぁ。」

???「アダなさ。影のように存在が薄くて

カメレオンのような顔をしているからだって。」

 「そのあだ名気に入っているのか?」

カゲ「いや,全然。」

 「みんな,そろそろ行こうか。」

「そうだね。」



リク君達が立ち去った後,

カゲレオンと名乗る人物は

ぶっきらぼうに部屋のドアを開けました。



その間際,彼は小さな声でつぶやきました。

カゲ「対象(ターゲット)に接触成功。」





そして…口元を緩めにやっと笑い,

部屋の中に入っていきました。



一方,リク君は真剣な顔で何かを考えているようです。

この後,リク君達はどうするつもりでしょうか。



第32話 “漆黒”と“ノア”

  ノアシリーズ~第1章~
リク君は"キング"の帰り道,ずっと考え込んだままでした。

すると,イツキ君が話しかけました。



 「さっきの大学院生が気になるのか?」

 「え?いや…うん。まぁそうだね。」

「じゃあ,あの人って"漆黒の追跡者”の

仲間なのかな?」


「だとしたらやばすぎぃぃぃぃ。

警察を呼んでなんとかしてもらおう!」


 「事件でないと警察は動いてくれない。

それに子どもの言うことなんて

信じてもらえないだろう。」




イツキ君が口をひらきました。



 「俺が気になっていることを話してもいいか?」

 「え,うん。」

 「歩きながらじゃ,ゆっくり話せないから図書館へ行こう。」



少年昆虫団は,すぐそこの中野木図書館へ行きました。







「だぬにはふさわしくない場所ですね。」

「活字以外の本もあるよ!」

 「それで,イツキ君が気になっている事って?」

 「単刀直入に言う。」

「おうおうぅぅ。」



イツキ君は意味不明な発言をする

トシを無視して話を続けました。



 「奴ら…“漆黒の追跡者”はこの“ノアの書”を狙っている。」

「え!?でも…!?」

 「もちろん奴らの本当の目的は

漆黒の金剛石だ。それは間違いない」






 「そうだね。」

 「そのためにはこの“ノアの書”が必要になってくるんだ。」

「なんで??」

 「この書は“漆黒の金剛石”の利用方法に

関する研究書の可能性が高いからだ。」


「利用方法?漆黒の金剛石って昆虫ですよね?

昆虫なんて何の役に立つんですか?」


 「昆虫をバカにしちゃ行けないよ。」

「おうおうぅぅ。」

 「例えば,ハチや蝶がいなければ,植物は受粉できない。

そうなったらぼくたちが食べている作物だって育たない。

自然は一つのサイクルでつながっているんだよ。

だから,どれか一つでも欠けてしまっても

生態系の破壊につながることだってあるんだ。」


「なるほど~。とても小学生とは思えない

ご意見ありがとうございました。」


 「つまり,“漆黒の金剛石”と“ノアの書”の

二つが揃ってこそ,価値があるわけなんだね。」


 「そういうこと。

解読がまだまだ進んでいないから

具体的な研究手順まではわからないけどね。」






「でも,イツキ君すごいよ!

あの本,全部英語の内容なのに!」


 「全ての解読が終わったとき,

“漆黒の金剛石”の正体がわかるはずだ。」


「じゃあきっとノアの書を

必死になって探してそうだね。」


 「確かに。」

 「すでにこの辺りも探りを

入れられているかもしれないな。」


 「最近怪しい人が図書館に来なかったか,

乃木館長に聞いてみようよ。」


 「そうだな。それがいい。」





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