リクの少年昆虫記-過去のお話-

過去の掲載順へ

TOPページへ

目次

第513話~第516話

2024/5/12

第513話 庄外川の大戦⑤

エピソード0シリーズ 第2章
庄外橋で先鋒隊の壊滅を受け,第二陣として待機していた

爆走・ポニーガールズが前に出ていくことになりました。



メンバーは約60人で影山優香(17)がリーダーでした。



彼女は自らチーム立ち上げ,喧嘩を繰り返しメンバーと縄張りを

広げていったストリートファイターでもありました。



そしてマザーにその実力を認められ,傘下に入ったようです。



影山「ここは私たちが食い止めるしかない!

みんな死ぬ気で戦え!!」



彼女の発声にチームは鼓舞され,

士気が高まっていくのがわかりました。



しかし,相手は鬼塚率いるマッド・ジュピターと

那須野のヤ・サイセーレディースです。



味方が一人また一人と倒れ,

気づけば人数は半分になっていました。



影山も男女関係なく何人か戦闘不能にして,

戦況を挽回しようと奮闘していました。



しかし,数の差は埋められることなく,

だんだんと押されていきます。



影山「まだまだ・・・。」



すでに敵のリーダーたちは後方に下がり,

戦況を見守るほどの余裕ができていました。



この状況をすぐ後ろで見ていた二人がいました。



リク君のイヤコムに連絡が入ります。



リア「そろそろ君たちの活躍が見たいんだが・・・?」



イヤコムを使って,

そうしゃべりかけると・・・。



「あれ?情報共有は市城の

メンバーを通じてじゃなかった?」



彼が含みを持たせた言い方をすると,



リア「これはただの世間話だよ。」



どうやら彼は二人が逃げないか,関する役目もあり,

二人に直接つながるイヤコムも持っていたようです。



「わかってるって!」



二人は爆走・ポニーガールズのメンバーを

かき分け,前に出ていきました。



影山「お前たちは・・・。

下がっていろ・・・。

お前たちに何ができる・・・。」



リク君とイツキ君の前の前には那須野清子率いる

ヤ・サイセーレディースが橋を占拠していました。







「何って・・・?

あいつらに勝てるけど・・・?」



平然と言って見せました。



敵のチームはこの橋の現状維持を任されているようで,

橋より手前には積極的に進軍してくることはありませんでした。



「じゃまなナスだ・・・。」



那須野「おいおい,今なんて言った?ナス顔だと??」



彼女が一番気にしていることを

言ってしまったようです。



「いや,そこまでは言っていないぞ・・・。」



リク君は天照と月読を取り出し,

戦闘準備万端のようです。



「いくっよぉぉぉ!!!」



大きな声を出し,

二本の捕虫網を前に突き出します。



大地二刀流 ―神速の打突・連弾-



ドドドドドドド・・・・・!!



高速で動くその打突によって

かなりの人数が致命傷を食らいました。



中には勢い余って橋から

落ちていく不良もいました。



那須野「なっなんだぁ!?」



彼女には何が起こっているのか理解不能でした。



影山「何が起きている・・・。

私たちがこれだけ苦戦していたのに・・・。

あんなガキが一人で・・・!?」



「こうしよう!

オレが雑魚の相手をするから,

イツキ君が頭を倒してくれ!」



ニカッと笑いながらそう提案しました。



「俺は誰の指図も受けない。」



そう言った後,リク君を見て,



「だが,悪くない案だ。」



と言いなおしました。



「でしょ!」



リク君は再び敵の群れに突っ込んでいきました。



第514話 庄外川の大戦⑥

エピソード0シリーズ 第2章
リク君はヤ・サイセーレディースにまったく

戸惑うことなく向かっていきます。





「さすがにこの人数差じゃ,

あまり手加減できないからね!」



大空二刀流 

-追撃の星(シューティング・スター)-



上空10mから流星がまるで

嵐のように降り注ぐ様は圧巻でした。



リク君が地上に降りる頃には30人からいた

敵のチームが壊滅していました。



どうやら横に陣取っていたマッド・ジュピターにも

被害を与えているようでした。



鬼塚「現状報告!いったい何が起きている!」



敵のリーダーが叫びます。



大量の砂ぼこりで前が

見えなくなっているようです。



「なんだこのガキは!」



完全に地上はパニック状態でした。



「いてぇよぉ・・・。」

「ぐふっ・・・。」



あちらこちらで

悲鳴や叫び声が聞こえます。



「まだまだ行くよ!!」



大地二刀流

―天之常立(あめのとこたち)-





両手を広げ,雨乞いのような

ポーズをとった瞬間・・・。



やはり高速でパニック状態の敵へ突っ込んでいき,

天照と月読を振りかざしていきます。



敵の飛び散る血がまるで雨のように降り注ぎました。



ヤ・サイセーレディース:全滅

マッド・ジュピター:20人近くやられて潰走



「降伏したほうがいいな。

俺も女を殴るのは趣味じゃない。」



那須野「くそっ・・・。

そんなバカな・・・。」



戦力を失った敵のリーダー那須野は

黒いカナリアのメンバーに

よっておとなしく拘束されました。



リア「期待以上だよ。」



参謀であるリアが二人に

近づいてきました。



「持ち場を離れていいのか?

まだ敵チームのリーダーがいただろ?」



リア「ああ,マッド・ジュピターの鬼塚のことかな。」



彼が指さす方向には誰かが倒れていました。



カナ「お兄!こっちは終わったよぉ!」



鬼塚の体の上で無邪気に

飛び跳ねていたのはリアでした。



「そっちも主力のメンバーは

相当な実力者ぞろいってわけか。」



リク君が納得しました。



しかし,ゆっくりと会話を交わす暇もなく,

次から次へと敵がやってきました。



ファザーの先鋒隊が壊滅したことで,

四神の"青龍"や"朱雀"が本腰を

入れて侵攻してきました。





影山「リアさん,すみません・・・。

自分がふがいないばかりに・・・。」



肩を落とす彼女に,



リア「いやよくやってくれた。

まだ戦いはこれからだ。いけるか?」



影山「はい。」



彼女は30人ほど残っていたメンバーを

かき集め,体勢を立て直しました。



カナ「向こうから青龍の辰野が

来てるよー!殺っていい!?」



橋ではリク君とイツキ君,

そして黒いカナリアのカナに

よって状況が改善されていきました。



一方で川の中腹では・・・。



第515話 庄外川の大戦⑦

エピソード0シリーズ 第2章
リク君たちが本格的に橋の上でファザーの

不良グループと戦いに入った時・・・。



川の中腹での戦況はというと・・・。



ファザー側は"ゴルゴダの丘"や"籠球愚連隊",

"庭球暴走隊"の一部が川の向こう岸から

こちらへと向かってきていました。



ファザーの先鋒隊である"極限の蜃気楼",

"極限の好敵手","ウッド・サターン"は

マザーの光速の粒子によって

潰走または半壊させられていました。



ただし激戦が続いていたため,

マザーの戦力は"赤い戦線","白い稲妻",

"光速の粒子"がかなり消耗していました。



そこで主力部隊の日和率いる"紫式部連合"や

涼香率いる"清涼納言連合"が参戦準備をしていました。





"シュワルツェネッガー"の田宮はまだ前線にいましたが,

組織としてはほぼ壊滅状態でした。



日和や涼香の両リーダーは渡河せず,戦況を見守り,

状況によっては一部の部隊を

橋の援軍に回すつもりでしました。



先鋒隊として活躍していた"三猿"の

メンバーはまだ健在でした。



しかし,部下のほとんどは戦闘不能にさせられ,

戦況とはしては厳しい状態でした。



しかし,三猿のリーダーたちの実力は本物でした。



<三猿 リーダーの一人:ミザール・ハグハグ>



ミザール「討ち取った・・・ぞおぉ!!」



ミザールが大声で叫びました。



"赤い戦線"のリーダーである瀬良秀太が

ミザールとのタイマンに負け,川底へと沈んでいきました。



すぐに部下が救出したため,

一命は取り止めましたが,

これ以上の戦闘は無理でした。



リーダーを失ってもなお,

"赤い戦線"は怯むことはありませんでした。



しかし,"ゴルゴダの丘"の幹部や実力者が"三猿"に合流し,

戦力に加わったため,彼らは健闘むなしく壊滅しました。



すぐに"白い稲妻"が援軍に駆けつけたのですが,

これを打ち負かす力はありませんでした。



ほどなくして,リーダーである山本完介の

敗北が全部隊に知れ渡ることとなります。



高須「俺たちが来たからには安心だぜ!三猿のみなさん!」



この上から目線の男が"ゴルゴダの丘"の

リーダーである高須播磨(18)でした。



黄金井「あんたの声は何も聞こえナーイ!」



三猿の一人である黄金井雑夫がそう言いました。



高須「なんだとっ!?」

石清水「ふごふごっ・・・!」



同じく三猿のリーダーである石清水是清が

川の少し先を指さしました。



高須「あれは,マザーの主力の

清涼納言連合じゃねぇか!」



彼は部下の群衆をかき分け,

最前線に出ていきました。



彼の大きな体躯は,見掛け倒しではありませんでした。



ストリートではほぼ負けなしであり,

さらに相手が許しを乞うても暴力をやめることは

ない残虐性は敵味方問わず恐れられていました。



そしてついに"清涼納言連合"と

"ゴルゴダの丘"がぶつかりました。



そのすぐ横では"光速の粒子"が

"籠球愚連隊"と戦闘状態にありました。



それをフォローするために

"紫式部連合"も参戦し始めました。



これで堤防に残っているのは情報伝達の"市城"と

マザー率いる本陣部隊だけとなっていました。



敵の"籠球愚連隊"は組織ナンバー3である

岡嶋清(18)がヘッドとなり,

総勢150人ほどの大規模な愚連隊でした。



傘下のチームには先ほど敗れた

"巨悪な聖闘士(デビル・セイント)"や

"マッド・ジュピター"がいました。



ちなみにマッド・ジュピターは同じく先ほど敗れた

ウッド・サターンを傘下に取り入れていました。



このようにそれぞれのチームが傘下などを

抱えながら巨大な悪の組織となっていきました。



それを束ねるのが圧倒的なカリスマ性と

戦闘能力を持つ人物たちでした。



それが今の三大悪童です。



第516話 庄外川の大戦⑧

エピソード0シリーズ 第2章
ここまでの戦況をもう一度確認してみましょう。



敵の主力である"ゴルゴダ"の参戦で,"赤い戦線"は壊滅。







"三猿"も負けずとマザーの"白い稲妻"をつぶします。







さすがに組織としての勢力は

ほとんどありませんでしたが,

彼らは個々の能力が並外れており,

まだまだ戦力としては健在でした。



そしてゴルゴダと清香率いる

"清涼納言"がぶつかります。



"籠球愚連隊"の岡嶋は怒涛の勢いで

"高速の粒子"に攻撃を仕掛けます。







疲労しきった光速の河内達に

それを押し返す力は残っていませんでした。



ついに河内率いる"光速の粒子"が壊滅しました。



これで川の中ではそれぞれ主力とされる

後詰めチームがぶつかり合う展開となっていました。



ちなみに三猿は一度前線から後方へ戻されました。







すでに戦端が開かれてから1時間以上が経過していたため,

疲労回復のため下げたのでしょうか。



橋での戦況については・・・。



すでに"黒いカナリア"が中心となって"朱雀"や"青龍"の

リーダーである鳥川肝之助(18)と



<四神 朱雀 リーダー:鳥川肝之助>



十影龍五郎(18)を倒していました。



<四神 青龍 リーダー:十影龍五郎>



彼らは逃げ出すことなく最後まで戦い抜きましたが,

参謀でもあるリアと戦闘狂少女の

カナはすさまじく強かったようです。



リク君とイツキ君の二人はここまで

特に幹部やリーダーを倒すことはなく,

無難に橋の向こう側まで来ることができました。



リア「ここからが大事だ。」



彼が慎重に進めようとしました。



影山「いよいよ敵の本陣に

奇襲をかけるんですね。」



美しいポニーテールをなびかせながら,

リーダーの影山がそう言いました。



第二陣を務めた"爆走・ポニーガールズ"はメンバーこそ

10人ほどに減っていましたがまだ健在でした。



カナ「つっこんでいって

全員ぶっ殺せばいいじゃん!」

リア「そうはいかない・・・。」



カナの行動を制止すると,

草陰に隠れて敵の様子を

確認することにしました。



おそらく橋のファザー部隊がすべて壊滅した

ことは本陣に伝わっているはずなので,

すぐに敵の新手がやってくることを警戒していました。



「イツキ君,オレいいこと考えたんだけど。」

「奇遇だな。俺もだ。」



二人は後方で何やらひそひそと

話し合った後,姿を消しました。



ここで場面が切り替わり,

ファザー陣営では・・・。



彼らは堤防の上に直属の部隊を置き,

戦況を見渡せる場所で待機していました。



ファザー「順調!順調!だろ手塚?」



隣で立っていた手塚に話を振ります。



ファザー本人はどこからか調達したキャンプで使う

大型のリラックスチェアーに座ってくつろいでいました。



庭球暴走隊はすでに堤防下で川に入る準備をしていましたが,

リーダーの手塚は参謀も兼ねるため,本陣から指示を出していました。



手塚「しかし,わが傘下もかなりの痛手をこうむりました。」

ファザー「そうなの?」



手塚に対して,気のない返事をしました。



手塚「はい。"ゴルゴダ"こそ健在ですが,

"極限の好敵手"や"辰野",

さらに下位組織である

"極限の蜃気楼"も失いました。」



この手塚という人物には

多くの傘下チームがいたようです。



手塚「残っている傘下は田岡の

"新・田岡組"くらいです。

こちらを橋の迎撃にあてます。」

ファザー「いいんじゃない!それで!」



彼はぐびぐびと手に持っていた

焼酎瓶を飲み干しました。



彼は未成年なので,中身はきっと

サイダーなのでしょう・・・。



多分・・・。



手塚「ありがとうございます。

田岡たちはすでに橋に向かっています。

それから"白虎"の虎次郎と

連絡が取れない状態が続いています。」



ファザー「ふぅん・・・。」



彼はまた気のない返事をした後,



ファザー「それよりもよ・・・。」



と,話題を変えました。



手塚「なんでしょう?」



少しの沈黙が流れた後,

彼が口に出した内容は・・・。



ファザー「マザーの奴はなんでまたこんな

大戦(おおいくさ)を仕掛けてきたんだ?」



それに対して参謀の手塚は一言,



手塚「さあ・・・?」



これは一体どういうこと

なのでしょうか・・・。





第517話~第520話

2024/6/21

第517話 庄外川の大戦⑨

エピソード0シリーズ 第2章
堤防の上にいたファザー率いる

本陣に動揺が走りました。



なんと,先ほどまで橋にいたはずのリク君とイツキ君が

ファザーのすぐ目の前にいたからです。



手塚「なっ!なんだ貴様は!」



<庭球暴走隊 リーダー:手塚紫苑 及びファザー参謀>



「名乗る必要はないだろう。」



イツキ君が近づいてきます。



リク君がよってくるザコたちを

次々になぎ倒していったからです。



ファザー「お前はイツキだな。

こっちの世界じゃあ有名人だわな。」

手塚「イツキ!あの,イツキ!?」



そしてすぐ手が届くところまで

ファザーに近づくことができました。



これが先ほど二人が

考えていたことだったようです。



相手のスキをついて

本陣へ乗り込んだのです。



手塚「おおおおぉ!」



回し蹴りを放って牽制します。

しかし,イツキ君はそれを素早くかわします。



「イツキ君,どいてぇ!」



上を見ると,リク君が飛んでいました。



―大空二刀流 天空の十字線(スカイクルス)-



交差された斬撃が彼とその周囲を襲います。



手塚は一撃目こそかわしたものの,

二撃目をよけきれず額に斬撃がかすります。



手塚「くそっ!!」



額が血だらけになり,

すぐに持っていた

タオルで止血をしました。



ファザー「お前は何だー?

手塚相手にここまでやるとは!」



手塚「俺にやらせてください!

このままじゃ気がすまない!」



起き上がると,再び前に出てきました。



しかしイツキ君の強烈な

フックが顎に入ってしまいました。



「無理をするな。

あいつの攻撃をかすったとはいえ,

食らえばただじゃすまない。」



イツキ君はすでにリク君の尋常ではない

強さを認めているようでした。



「俺が何しにここへ来たかわかるか?」



イツキ君はファザーへ視線を向けます。



ファザー「あの女にそそのかされて

俺の首を取りに来たか。」



「聞きたいことがあってな。」



ファザーは直属の部下に少し

下がるように手で合図を送りました。



これ以上この二人と部下を戦わせても

無駄に消耗するだけであると判断したようです。



ファザー「自分勝手はいけないなぁ!

これだけ好き勝手暴れたんだ。」



彼が雄たけびを上げるとその衝撃で

周囲にいた彼の味方の一部が

耳を抑えながら転げまわりました。



ファザー「ほう。なかなかやるな。」



彼は身長190cm,体重は軽く120kgを

越えていましたが,信じられないほどの

跳躍力で飛びかかってきました。



イツキ君は素早く避け,

体勢を立て直しますが,

今度は彼のラリアットが

首元めがけて飛んできました。



「なっ!?」



間一髪でしゃがみ込んで避けましたが,

そこをすかさず強烈な蹴りに見舞われました。



イツキ君は口から血反吐を吐きながら,

宙に投げ出されました。



「イツキ君!?」

「心配するな・・・。

急所はかわした・・・。」




右手で口から垂れている血をぬぐって立ち上がると,

今度は彼がファザーめがけて突っ込んでいきました。



二人の対決の行方は・・・。



第518話 庄外川の大戦⑩

エピソード0シリーズ 第2章
庄外(そうげ)川の堤防で三大悪童の

ファザーとイツキ君が闘っています。



戦闘の影響で周囲には土煙が立ち込め,

二人の様子がよく見えなくなっていました。



唯一,すぐ後ろにいるリク君と,

敵の幹部である手塚という男だけが

戦いの様子を間近で見ることができました。



二人の熾烈な攻防は続きます。



手塚「まさか信じられない・・・。

あのファザーと渡り合える人間が

他の悪童以外にいるなんて・・・。」



一瞬の隙をついた攻撃で,イツキ君は

再び投げ飛ばされてしまいました。



やはり重量の不利は大きいようです。



「今度はオレがやる!」



リク君がイツキ君の前に出ました。



「おい,まて・・・。

俺はまだ負けちゃいないぞ!」


「わかってるって!」



リク君は捕虫網を2本とも背中にしまいました。



「さっき言ったじゃん,

オレは拳も強いって!それを証明するよ!」


「無茶だ!」



そういうが早いか,リク君が

ファザーの間合い近くで構えます。



ファザー「今度はお前か!

俺を楽しませてくれるんだろうな!?」



「約束する!」



次の瞬間,リク君の出した右の拳と

ファザーの拳がぶつかりました。



ドオォォォンッ!!

大きな衝撃音が耳に響き渡ります。



ファザー「やるなぁ!お前も俺たちの

チームに入れてやりたいぐらいだ。」





「悪いけどオレはもう

チームを立ち上げているんだよ!」



二人は闘いながら会話を交わします。



リク君はファザーの攻撃を

巧みによけ,攻撃の隙を伺います。



何発かはファザーの急所に

当てるのですが,効果は薄いようです。



ファザー「ほう!気になるな!

どんなチーム名なんだぁ?」



リク君が自信満々に答えます。



「少年昆虫団だ!」



ファザーは一瞬呆気にとられました。



ファザー「昆虫・・・?

虫か・・・!?

そりゃ傑作だ!!」



彼は攻撃の手をゆるめません。



そしてとうとうリク君はファザーの

ファーストアタックを食らいます。



「ぐふっ・・・!?」



さすがのリク君にも堪える威力だったようで,

その場でうずくまってしまいました。



イツキ君が傍に駆け寄ります。



「おい,何をやっているんだ!

さっさとそのアミを使えよ!」


「同じ小学生で武器を持っていない。

さらに一対一だ。

だからこれは使えない。

そういう約束なんだ。」



リク君はめげることなく,

立ち上がって構えをとります。



「約束・・・?」



二人の闘いが5分程続いたでしょうか・・・。



イツキ君はいい加減自分も

ファザーと闘いたくなってきました。



彼は城島に鍛えられてから今まで自分よりも

強い相手と闘ったことがありませんでした。



ファザーという強敵と闘えることは

自分の成長にもつながると思ったようです。



「リク代われ!

もう一度俺がやる!」



手塚「さっきから聞いていれば

ふざけたことばかり・・・!」



参謀である手塚が牙をむいて

こちらにけしかけてきました。



しかし,実力は完全にイツキ君が上でした。



手塚「くっ・・・。」



ぐおぉぉぉぉ・・・。



何やら地鳴りのような

音が聞こえました・・・。



「なんだ!?」

「!?」



その音の正体とは・・・。



第519話 庄外川の大戦⑪

エピソード0シリーズ 第2章
庄外川橋を超高速で動く物体と後ろから

ついていく人の群れが確認できます。



先頭を走っているのは三大悪童のマザーです。



必死についていくのは直属部隊の親衛隊と

リク君達から遅れてついてきた,黒いカナリアと

爆走ポニーガールズのメンバーでした。



マザー「ぶ・っこ・ろ・すぅぅぅ!!」







なんとマザーがファザーの

構える本陣に突撃してきました。



先ほどの唸り声は

彼女の怒号だったようです。

新田岡組はあっという間に

壊滅させられたようでした。



「なんでお前がここに来るんだよ!」

「やっぱりマザーって面白いなぁ・・・!」



二人はそれぞれ思ったことを口にしました。



マザー「後ろで構えてちまちま

結果を待つなんて性には合わねぇ!」



どうやら部下たちに窘(たしな)められて,

ずっと出陣を我慢していたようですが,

なかなか戦況が思わしくなく,

しびれを切らして出てきてしまったようです。



川の中ではそれぞれの配下たちが

いまだ戦闘状態にあります。



マザーはリク君をはねのけ,

ファザーの頬に思いっきり殴りかかりました。



バッチコオォッォォィィィ!!!



その衝撃音はあまりに大きく,

鼓膜が破れるほどでした。



彼は不意を突かれたからか,

地面に倒れこみました。



ファザー「いってえなぁ・・・。」



しかし,彼は何事もなかったかの

ようにすぐに立ち上がりました。



リア「リク,イツキ・・・。

悪いがマザーはもう誰にも止められない。」

マザー「時雨はどこにいるんだよぉ!!!

早く返しやがれ~!!!」



ボッコーン!

ズドーンッ!!

グシャァ!!!



ファザーの部下に八つ当たりをするので,

彼の部下たちが次々と血を吐いて倒れていきます。



ファザー「はぁ・・・!?

何のことだぁ!?」



「おいまて!俺が聞きたいことが先だ!」



イツキ君はこのタイミングで口を開きました。



「ファザー!マサルを殺したのはお前か?」



ファザー「おまえらはさっきから何を

わけのわからんことを言っているんだぁ!!」



彼の怒りも頂点に達しているようです。



カナ「ファザーを殺していい?」



リア「カナ,待つんだ!いくら

お前でもあいつは無理だ!」



マザーの参謀でもあるリアはファザーと

マザーのやり取りに違和感を覚えました。



それはリク君も同様だったみたいで,



「ねぇ,リアさん・・・。」



と,声をかけました。



マザー「だから!お前の部下がうちの大事な

時雨をだまして誘拐したんだろうがぁ!!」



怒れるマザーを抑えることは

ファザーの親衛隊にもできませんでした。



ファザーが直接マザーの腕をつかみ力で

制止しようとしますが簡単ではありません。



ファザー「こっちこそ聞きたいなぁ!

なんで総力をかけてうちをつぶしに来る!?

今までお互いにうまく

不可侵でやってきたのによぉ!」



二人の取っ組み合いは続きます。



マザー「だから何度も言ってるんだろうがよぉ!!

貴様が姉の時雨を誘拐したからだ!」



手塚「何のことだ・・・?

我々は一切そんなことはしていないぞ。

そもそも貴方に姉がいることすら初めて知った。」



リク君はこのやりとりを聞いて,



「これが違和感の正体だ・・・。」



とつぶやきました。



マザー「どこにいるんだ!時雨おねぇ!

それとおねぇをそそのかした

時尾っていうのはどこだぁ!?」



ファザー「そういえば,

あいつはどこにいるんだ?」



その時でした。



イヤコムに受信を知らせる

通知音が鳴りました。



マザー「歌仙か!今忙しいんだよ!」

ファザー「ああ?白虎?それがどうした?」



二人のイヤコムに配下から

緊急の連絡が入りました。



一瞬だけその場が静まり返りました。



そして二人そろって

口を開いてこう叫びました。



「悪童のシーザーが全部隊を

引き連れて奇襲を

かけてきた,だとっ!!!」



―第二章 完-







過去の掲載順へ

TOPページへ