2021/10/17
第385話 8周年特別企画
編集:例年よりも少し早いですが,
周年特別企画を行います。
おりぃけん(以下K):よろしく。
編集:今年も読者D氏との対談,
そして来週は「あの物語」を公開します。
K:まぁ今年はっていうかほぼ毎年だよね。
そろそろ読者も質問するネタが切れてきたんじゃないかな。
読者D(以下D):まぁ・・・。一応,質問を考えてきました。
編集:それではお願いします。
D:アイタ君とマーボーはいつ再登場するんですか?
K:どうも全国の読者(D氏)からの要望が
大きいので次回まとめて出しますw
D:おおっ!
編集:楽しみですね。次の質問をどうぞ。
D:山本はなぜ南雲に優しいんですか?
なんかいい上司になってきている気がします。
K:なるほど。これはいずれ本編で少しずつ明らかになるかな。
一つ言えるのは彼は御前と自分のためだけに動く人間です。
編集:それでは次の質問をお願いします。
D:え?もうないですよ。
編集:どうやら締切期限までにここまでしか
質問を引き出すことができませんでした。
K:え?じゃあもう対談終わり?過去最短じゃない?
編集:仕方ないので作者から今後の展望
などフリートークで語ってもらいます。
K:ええ~。D氏!
D:あとはよろしく!
K:まず,来月くらいからいよいよ新シリーズスタートします。
今回は最終章までのストーリーをすでに書きあげています。
編集:素晴らしい。
K:なので色々と細かい調整や設定の変更なども
できて満足できるシリーズだと自負している。
D:自画自賛!
K:それから忘れられている伏線なんかも
拾っていくよ。例えば三大悪童の連中とかね・・・。
D:結局まだ頭目(ファーザー)しか出てないですよね。
K:そうだね,なので彼らの登場にも期待してほしい。
編集:他にもまだ回収されていない伏線ってありますよね?
K:あるね。南雲に関することとか・・・。
D:ほほう。気になりますね。
K:色々とあるんだけど,あとは
菊の幹部,青山氏に関するものとか・・・。
編集:いずれ本編で明らか
になるということですね。
D:まぁ気休め程度に楽しみにしておきますよ。
K:あー,HP自体もまた今度,
リニューアルする予定なのでお楽しみに!
編集:それでは特別対談はここまでとします。
来週はあのいかれたキャラ登場予定です。
第386話 アイタタなアイタ君VSニートマーボー<前編>
だぬちゃんの知り合いに教員採用試験合格を
目指す30過ぎのおっさんがいました。
彼の名前はアイタ君。
今日は少年昆虫団と一緒にカストという
ファミリーレストランに来ていました。
どうやらここでアイタ君を人間的に成長させる
ための第10回アイタ再生会議が開かれていました。
「何度開いても無駄だろ。なんで10回も開くんだろ。」
この後さらに回数を重ねることをまだイツキ君は知りません・・・。
「それで今日はどうしたの?」
リク君がだぬちゃんに聞くと珍しく声を荒げて,
「この前,父親とだぬと彼の三人で
父の運転する車に乗っていたんですよ。」
「うんうん。」
まさらちゃんが相槌を打ちながら聞きます。
口にはストローを加え,カルピスを飲んでいました。
アイタ「・・・。」
「何が気に入らなかったのか,急に
アイタ君が父の運転に文句をつけたんですよ。」
だぬちゃんが当時の様子を再現しながら説明します。
-だぬ父の車の中にて-
だぬ父が車を運転していると,助手席に座って
いたアイタ氏が父の運転に苦言を呈しました。
アイタ「だぬ父さん,運転荒いなぁ~!!
今まで乗せてもらった中で一番危ない!」
彼は車に乗せてもらっておきながら文句を言い始めました。
だぬちゃんは後ろに座っていましたが
特に危険だとは感じていませんでした。
だぬ父さんは怒って彼をその場に降ろし去って行きました。
・・・
・・・
カストではその話を聞いていた
一同は目が点になっていました。
「まぁ,色々あるさ。」
トシ君が意味不明なフォローをします。
アイタ「いや,あれは・・・。」
アイタ君は言い訳に徹します。
彼らが再生会議を続けていると入口の扉が開きました。
そこには以前知り合ったパクト君と
伯父のマーボーさんがいました。
「あれ?パクト君とたしか
マーボーおじさんじゃないですか。」
みんなは隣の空いている席に二人を呼びました。
アイタ「この人は・・・?」
マーボー「どうもマーボーです。」
二人は初顔合わせでした。
「そういえばマーボーさんは
お仕事見つかったんですか?」
だぬちゃんが失礼なことを平気で聞きます。
マーボー「いや,まだ自宅警備員だよ。前にも言ったけど,
おばあさんの遺産があるからね。もう一生,金に困ってない。」
アイタ「いいなぁ!うらやましい!」
アイタ君が彼を絶賛しました。
「なんかこの二人がそろう
のって色々とまずくない・・・。」
どうやら話が盛り上がりそうなので続くようです。
第387話 アイタタなアイタ君VSニートマーボー<中編>
ファミリーレストランにあのアイタ君とマーボーが
史上初めて顔をあせるという快挙な出来事が起きました。
「いやぁ~ちゃんと働きましょうよ!社会人でしょ!」
だぬちゃんがマーボーおじさんを
軽蔑したような眼で見ながらそう言いました。
マーボー「え?なんで??」
その返答に,
「いや,だって大人は仕事する
んだって学校で教えてもらったよ!」
と,リク君が少し嫌味っぽく言ってみました。
パタト君はそのやりとりを呆れたように黙って聞いていました。
もうこういうことを周りから
言われるのは慣れっこだったようです。
マーボー「だってボク,お金あるんだよ?遺産が!イ・サ・ンが!
もう相続税だって払っているし一生働かなくても生活できるんだよ!?」
彼はドヤ顔でだぬちゃんに言い返しました。
アイタ「おいおい!なんかこの人,不真面目だな!」
アイタ君が隣から口を挟みます。
「ややこしくなるからお前は出てくんなよ!」
イツキ君が彼を制止します。
アイタ「仕事って言うのはやりがいだよ!人生はやりがいそのもの!
だから俺は教師になりたいから採用試験を毎年受けているんだよ。」
アイタ君の発言を聞き,
マーボー「毎年?あなたボクとそんなに年齢変わらないですよね?まだ
受かっていないんですか?いい加減向いていないって考えないんですか?」
マーボーおじさんは本質をずばっと突きました。
アイタ「考えないよ。受けていればそのうち受かる!やりがいだよ!」
「なんか同じことを繰り返すマニュアル人間みたい・・・。」
ドリンクバーから戻ってきたまさらちゃんはぼそっと呟きました。
マーボー「そもそも働け,働け言うのは,ボク
みたいな人間がホントは妬ましいんでしょ!?」
彼はパクト君が持ってきてくれたオレンジ
ジュースを飲みながら熱演を続けます。
マーボー「世の中にはね,不平等なの!親の代からお金がなくて一生,
社会の歯車としてこき使われて働き続けなくちゃいけない人間と,
生まれ持っての金持ちで何をしても許される,そして働かなくていい人間!」
カストには彼の熱演が響き渡ります。
「うーん,そうかなぁ・・・。いやぁ働くって大事
だよ。オイラは将来お金持ちになっても働くぞ。」
マーボー「君,それはお金がない人間の発想なんだよ。
一度大金を手にしてしまえば人生は変わる。」
マーボーおじさんは一人で不気味に笑い始めました。
「なんか,怪しい宗教の教祖みたいになってきたな・・・。」
パクト「ああ,そういえば伯父さんのお友達に内村君って人がいるんだけど,
彼は草火(くさび)新教っていう新興宗教の信者で伯父さんをよく誘っていたなぁ・・・。」
しかし,マーボーおじさんは自身は
その宗教の信者ではないと否定しました。
どうやら無駄に話が続くようです・・・。
第388話 アイタタなアイタ君VSニートマーボー<後編>
ファミリーレストランカストでのアイタ
再生会議は大詰めを迎えようとしていました。
アイタ「ああ,それなら俺はその宗教の信者だぞ。」
なんと,アイタ君は新興宗教の信者であると告白しました。
「げげ,いよいよこいつ大丈夫か。」
リク君は最早,年上の人に対して
何の敬意も払っていませんでした。
パクト「ええ,そうなの・・・。というかお兄さん誰・・・?」
パクト君はマーボーおじさんと同様に
アイタ君に会うのは今日が初めてでした。
アイタ「だからさぁ,選挙が近いと動員かかって忙しいんだよ。」
この宗教はどうやら政界に進出していて
信者に票集めをさせているようです。
「そんなことやっているから
採用試験受からないんですよ!!!」
だぬちゃんが思いっきり
呆れかえってしまいました。
マーボー「まぁ,一度しかない人生なんだ。好きに生きればいいじゃない。
宗教にはまってもいい。だらだらニートを続けてもいい。その人の勝手でしょ。」
「うーん,でも周りの人は心配して
声をかけてくれているんじゃないかなぁ。」
しかしまさらちゃんの声は彼の心には届きませんでした。
マーボー「金だよ金!!金さえあれば上司にペコペコ頭を下げる
必要もない,残業もない,毛も抜けない!この世は金が手に入る
環境にある人間だけが勝ち組み!あとは全部,底辺なんだよ!」
どうやら金を手にしたことで彼の人生と
性格は一変してしまったようです。
マーボー「現に,ボクの主張に反論できる人なんていないでしょ?」
彼は子供相手に本気で自分の
主張を押し通そうとしています。
アイタ「いや,働くことはやりがいだよ!あと,社会貢献!
みんなが仕事しないとこの世は成り立たない。」
アイタ君が反論しますが,前半は先ほどと
同じ内容の繰り返しでした。
マニュアル人間と呼ばれる所以です。
マーボー「社会貢献?しているよ。ボクが金で大量の物を買ってあげるから,お金が世の中に
回るんじゃない。それにその"みんな"が仕事をしないといけないのは働かないとお金がなくて
生活できないからでしょ。ボクはある。ねたまれても困るんだよねぇ・・・。」
だぬちゃんもイツキ君も何も言えませんでした。
大人の醜い一面を見てしまったようです。
アイタ「なんか,そのうち犯罪でもおかしそうだなぁ!
金があっても悪いことする奴はいるからね。」
パクト「あるかもね・・・。」
パクト君は否定しませんでした。
「もし,彼が凶悪犯罪をしてしまったら,
パクト君はどう思うんですか!?」
隣に座っていたパクト君に話を振りました。
パクト「仕方ないよ。運命だよ。」
「え?でももし殺人とかだったら,殺されちゃった人は・・・。」
まさらちゃんが少し不安そうに言うと,
パクト「それが被害者の運命なんだよ。全部決まっているんだよ。」
彼は彼でネガティブの塊でした。
新興宗教にはまり,採用試験に受からないアイタ君。
おばあさんの遺産を手にした事により,
一転して人生が変わったマーボーおじさん。
彼らのやりとりはこの後も続きましたが,お互いに意見がかみ合う
ことはなく,再生会議は平行線のまま何の実りもなく終了しました。
彼らの今後の運命はどうなるのか,
それがわかるのはもう少し先になりそうです。